2026.02.13[静岡BR]重量を超える“強い思い”。ヤマハスタジアムで発揮するスクラムの真価

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第8節(交流戦)
2026年2月14日(土)14:30 ヤマハスタジアム (静岡県)
静岡ブルーレヴズ vs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

静岡ブルーレヴズ(D1 カンファレンスA)

静岡ブルーレヴズは今節もこの3人が先発のフロントロー。奥から伊藤平一郎選手、日野剛志選手、そして山下憲太選手だ

3月末まで続くディビジョン1交流戦の中で、静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)にとって最大の山場と言えるのが今節のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)戦だろう。ここまで6勝1敗の2位と今季も強さを見せているS東京ベイ。静岡BRは昨季、14対62と最大得点差で敗れた相手であり、その難敵にリベンジして勝ち星を五分に戻すことができれば、上位に食い込むための勢いも付くはずだ。

そんな一戦に一際燃えているのが、左プロップで先発する山下憲太だ。昨季のS東京ベイ戦で試合中に負傷して長期離脱となってしまった悔しさがあることに加え、非常に強力な相手フォワード陣との対峙だ。やりがいという面では申し分ない。

また山下自身は、今季は全試合に出場して高いパフォーマンスを継続しており、藤井雄一郎監督も「スクラムもいいし、タックルもいいし、『なんで日本代表に呼ばれへんのやろ』と思うくらいスキルもある」と高く評価。

山下本人も「今までスクラムの引き出しを増やそうとしてきましたが、今季は相手に合わせるのではなく、自分たちのスクラムに集中できていると思います。それで良いスクラムを組める回数が増えてきたので、楽しい瞬間は多いですね」と確かな手ごたえを感じている。

それを象徴するシーンとなったのが、第6節・トヨタヴェルブリッツ戦の後半17分に挙げたスクラムトライだ。

「公式戦でスクラムトライを取れたのは個人的に初めてだったので、すごくうれしかったですね。あのあとすぐに交替して、ベンチにいた日野(剛志)さんと(伊藤)平一さんにドヤ顔で『やばいっす、気持ちいいっす』って言ったら『いいなぁ』と言われました(笑)」

そんな快感を味わえる時間が増えている中、今節はスクラムで押し勝つことを大きなテーマとして臨む。

12日も全体練習が終わったあとにフロントローのメンバーが集まり、スクラムについて入念な詰めの作業を行っていた。その居残り練習を静岡BRでは“歯磨き”と呼ぶ。「僕もここに来て初めて聞いたのでレヴズ用語だと思います。自然とみんなで『歯磨きやろうぜ』みたいに集まって毎日することだからそう呼ばれているんですかね」。山下も由来は知らないが、その名前はとても気に入っているそうだ。

そうして日々練度を高めてきた積み重ねがあるからこそ、静岡BRの絶対的な武器が培われてきた。

「S東京ベイは体重のある選手が多いので、スクラムも相当重くなるでしょうが、僕らの形をしっかり出せれば絶対押すことできると思うので、僕らのフィールドに引きずり込んでいきたいですね。重量的には向こうのほうが重いですけど、こっちのほうが『思いが重い』ですし、今回はヤマハスタジアムで戦えるので、しっかり押して勝利につなげたいです」

静岡BRの伝統を受け継ぐ頼もしい1番の目には、因縁の相手にリベンジを果たすイメージが明確に見えているようだ。

(前島芳雄)

2026.02.13[S東京ベイ]試される立場さえ楽しむ強さ。江良颯が、もう一度居場所を勝ち取るために

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第8節(交流戦)
2026年2月14日(土)14:30 ヤマハスタジアム (静岡県)
静岡ブルーレヴズ vs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1 カンファレンスB)

先週からようやくチームの練習に合流したというクボタスピアーズ船橋・東京ベイの江良颯選手。(写真は2025年2月1日 vs 相模原DB戦より)

もしかすると、それは初めて覚えた感覚だったのかもしれない。

ポジションを奪われるかもしれないという焦り。自分が戻る場所が、もうそこにはないかもしれないという不安。学生時代、フッカーとして頭一つ抜けた存在であった江良颯にとって、それは未知の感覚だった。

昨シーズンは世界最高峰のフッカー、マルコム・マークスを前にして、自分の現在地を突き付けられた。そして日本代表活動で世界を経験し、自信をつかみかけた矢先。10月25日のオーストラリア代表戦で足首を痛め、今シーズン開幕直前にはハムストリングを肉離れ。ようやく「いける」と思えた瞬間に、またグラウンドから引き離された。

「やっぱりラグビーから離れるのが一番イヤでした。いいイメージでプレーできていたタイミングだったので、そこから離れてしまうことが正直つらかったです。『うわ……』という感じでした。いまのパフォーマンスを、戻ってきたときにもう一度出せるのか。その不安はありました」

代わって出場したのは福田陸人。開幕戦は試合終了直前の3分ほどしか出番がなかったものの、福田は試合を重ねるごとにプレータイムを伸ばし、チームからの信頼を勝ち取っていった。その活躍は、江良に静かな危機感を突き付けていた。

「普通に戻っただけでは試合に出られないと思っていました。陸人さんがいいパフォーマンスを続けていましたし、マルコムもいる。その中に簡単に入れるとは思っていなかったので、もう一度セレクションでアピールし直さないといけない。その思いがあったからこそ、少し焦りもありました」

傷も癒え、先週からフィールド練習に合流。「いいパフォーマンスが出せる状態にはもってこられている」と語る表情には、開幕前に感じていた“いいイメージ”が戻りつつあるという手ごたえがにじんでいた。

今節開催されるヤマハスタジアムでの静岡ブルーレヴズ戦。江良は16番でベンチに入る。復帰は、ただの帰還ではない。福田が信頼を積み重ね、マークスが君臨するその場所へ、もう一度挑み直すことを意味する。その現実を、江良は正面から受け止めている。

「正直、この試合は自分が試されていると思っています。だからこそ、しっかり信頼を勝ち取りにいかないといけない。結果で示さないといけないと思っています」

ただ、気負い過ぎることはない。悲壮感もない。抱負を問われると、彼は「ラグビーできるのが楽しみ」と表情を緩ませた。試される立場を、むしろ楽しめるところに江良の強さがある。

(藤本かずまさ)

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