2026.02.19[S東京ベイ]“何を与えられて、それをどう生きるか”。「感謝」を胸に節目の100キャップ目

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第9節(交流戦)
2026年2月21日(土)13:00 スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場) (東京都)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs 三菱重工相模原ダイナボアーズ

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1 カンファレンスB)

クボタスピアーズ船橋・東京ベイのピーター・ラピース・ラブスカフニ選手(写真は2025年5月25日、NTTジャパンラグビー リーグワン2024-25 プレーオフトーナメント準決勝、対埼玉パナソニックワイルドナイツ戦から)

2016年にクボタスピアーズ船橋・東京ベイに加わり、気付けば日本でのキャリアは10年目に入った。当初はこうした未来図を思い描いていたわけではなかったが、「本当に感謝しかありません」とピーター・ラピース・ラブスカフニは語る。

「すべてを振り返ってまず思い浮かんだのは、こうした機会を与えてくださった神への感謝です。そして、私をここに呼んでくれたスピアーズというクラブへの感謝です。これまで出会ってきた選手やその家族、コーチたちを含めて、ただただ感謝しています」

おそらく、“ラピース”にとって人生とは“自分が切り拓く物語”というよりも、“委ねて歩く旅”なのだろう。だから、自身について語るときも、主語が自分にはならない。機会は「つかみ取ったもの」ではなく「与えられたもの」。「感謝」とは良い状況の中で芽生えてくる感情ではなく、そうした人生への向き合い方から生まれるものだ。

今季はけがの影響で、フィールドに復帰するまでにそれなりの時間を要した。開幕戦から順調に勝利を積み上げていくチームの姿を見て感じたのは、「仲間たちが活躍していること、チームが勝っていること」への喜びと、「やはりあのフィールドに出てみんなと一緒にプレーしたい」という静かな渇きだった。

だがそれは、焦りや苦しみといった類のものではない。1月25日、東芝ブレイブルーパス東京とのトレーニングマッチで、ラピースは久しぶりに実戦の場に立った。そこで感じたのもまた、深い感謝の思いだった。

「サイドラインで多くの時間を過ごしていると、フィールドに立てること自体に感謝するようになります。練習でさえも、外で見ているのではなく、実際にアクションの中にいられることがありがたいです。またフィールドに戻れたことに感謝していますし、本当に楽しめました」

チーム内には年上よりも、年下の選手のほうが圧倒的に多くなった。メルヴェ・オリヴィエやアキラ・イエレミアといったニュージェネレーションズの活躍には、大きな刺激を受けている。そうした環境も、いまはすべてが愛しい。

「『愛』があるからこそ、私は誰のことも失望させたくありません。フィールドの23人だけでなく、ロッカールームにいる全員、スタッフを含めて、そこには深い絆があります」

この復帰戦は、記念すべき100キャップ目の試合でもある(写真は同上)

そして、機会は与えられた。2月21日、スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場)での三菱重工相模原ダイナボアーズ戦。ラピースにとっては今季初となる公式戦で、7番のジャージーに袖をとおす。

「出られない時間を経験してきたからこそ、フィールドに立てたときの重みをあらためて感じました。良いリマインダーになっています。特別なことはありません。ただフィールドに出て、その瞬間を楽しみ、試合を楽しみながら、私にできる限りの形でチームに貢献したいです」

“何を成し遂げて、何を得るのか”ではなく、“何を与えられて、それをどう生きるか”。次の一戦で、ラピースはスピアーズでの通算100キャップを迎える。これもまた、与えられた機会である。

(藤本かずまさ)

2026.02.19[相模原DB]深まる戦術理解度と遂行力。焦らず刻む、バックローとしての一歩目

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第9節(交流戦)
2026年2月21日(土)13:00 スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場) (東京都)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs 三菱重工相模原ダイナボアーズ

三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1 カンファレンスA)

三菱重工相模原ダイナボアーズの松本光貴選手。「最近はスタートで使ってもらうことも増えてきて、役割の遂行力を評価してもらえているのかなと思います」

三菱重工相模原ダイナボアーズが三重ホンダヒートに逆転勝ちした前節は、積み上げてきた“当たり前”がプレッシャー下でも機能するかを確かめる場だった。

先発した松本光貴は「自分たちのアタックを遂行すればスコアできると信じていたので、焦らず冷静に、自分の次の仕事に集中していました」と振り返る。点差を離された前後でも、その姿勢は変わらなかったという。

焦点はセットピースだった。「スクラムではクオリティーの高いボールをバックスに出すこと。ラインアウトではサインを遂行し、自分たちのボールを確保することを意識しました。ただ、ラインアウトはうまくいかない場面もあり、いくつかミスが出たのは反省点です」。

その課題は、そのまま今節へのテーマとなる。相手はクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)。昨季、松本にとってのファーストキャップを飾った相手でもある。「失うものはない気持ちで、大きい選手にタックルし続けた記憶があります」。

再戦に向けた視線は具体的だ。

「まずはフィジカルの部分で必ず止めて相手の強みを消すこと。もう一つは“速さ”です。相手より早くセットし、相手より速く動くことを意識すれば、戦える部分はあると思っています」

前節までのフォワード第2列とは異なり、今節はバックローでの起用が見込まれる。「大学時代もバックローをやっていましたし、サイズだけでなくスピードも自分の強みだと思っています」。大学からリーグワンへと舞台を移し、「戦術理解が深まったのは大きい。ラインアウトの考え方もいろいろ学び、大学時代よりはるかに複雑で、覚えることも多い」と適応の手ごたえを語る。

将来性を期待される若手から、計算できる戦力へ。いまは「最近はスタートで使ってもらうことも増えてきて、役割の遂行力を評価してもらえているのかなと思います」。

自信の根拠はピッチ内外で築いてきた関係性にある。「試合を重ねるごとに自信がつき、周囲との信頼も固まってきています」。日々の高強度な経験も学びに変える。「本当にタフなところ、フィジカルの部分は、見て、感じて、実際にやり合う中で学べています」。

第6節のリコーブラックラムズ東京戦後には、明治大学の同期である山本嶺二郎から「デカくなったな」と声を掛けられたという。本人は多くを語らないが、積み上げてきた時間が体にもプレーにも表れ始めていることを、周囲の視線が証明している。

勝ち続ける条件を問われても、答えはブレない。「自分たちのスタイルを見失わずに、毎週まとまって同じ絵を見ながらアタックもディフェンスもすること」。焦らず、次の自分の仕事に集中する。その静かな言葉を合図に、松本光貴はバックローとしての“一歩目”で、S東京ベイに挑む。

(宮本隆介)

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