2026.03.13[トヨタV]上を目指すいまこそ、挑戦者として。異国の地で学び続けるベテランが迎える古巣戦

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第11節(交流戦)
2026年3月15日(日)14:05 パロマ瑞穂ラグビー場 (愛知県)
トヨタヴェルブリッツ vs 浦安D-Rocks

トヨタヴェルブリッツ(D1 カンファレンスB)

これまで所属していた浦安D-Rocksは「絶対に下に見てはいけないチーム」だと警戒するトヨタヴェルブリッツのローレンス・エラスマス選手(写真中央)

今季初の3連勝を目指すトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)。好調に転じたきっかけとして選手たちが口にするのは第8節の埼玉パナソニックワイルドナイツ戦。首位を走っていた相手に接戦を演じたところから歯車がかみ合い出した。

ただ、ディフェンスを担当する佐々木隆道アシスタントコーチは「自分たちがやるべきことは何も変えずに一貫性をもってやり続けてきた」と、戦術面など特に大きな変化は加えていないと語る。トヨタVらしさとして大切にしているフィジカルや泥臭さをベースに、チームを常に一歩でも半歩でも成長させることにコーチ陣は注力をした。「何も変わっていない」、つまり浮上のきっかけを一言で言えばチームとしての“自信”であり、心のもちようだったのだ。

今節、選手の中にも「強い心をもって挑むべき」と説く人物がいる。昨季まで浦安D-Rocks(以下、浦安DR)でプレーをしていたローレンス・エラスマスだ。

「浦安DRは絶対に下に見てはいけないチーム。競争心が非常に高く、仲間のためにフィジカルを前面に出してプレーをする。リスペクトに値するチームです」と古巣への警戒心を怠らない。そして「私たちにとってこの試合はチャレンジです」と、あくまで挑戦者として戦うべきだという。

彼にとってもこの9年間はチャレンジの連続だった。来日を決断したときも、チーム再編という形でNTTドコモレッドハリケーンズ(当時)から浦安DRに移ったときも、そして今季トヨタV入団を決めたことも。「日本での生活すべてが自分にとって学びの機会でした。厳しい状況の中でこそ人間は成長すると思っているし、チームとしても成長すると思っています」と、今年33歳になるベテランは日本という異国の地で一歩ずつトライ&エラーを積み重ねながら学び、いまも成長している。

自分たちの目標をかなえるためにはもう一つも負けられない。上を目指せる状況になったいまこそ、挑戦者として向かっていく。

(斎藤孝一)

2026.03.13[浦安DR]意外過ぎるカミングアウト。それでもラグビーを選び、続ける理由

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第11節(交流戦)
2026年3月15日(日)14:05 パロマ瑞穂ラグビー場 (愛知県)
トヨタヴェルブリッツ vs 浦安D-Rocks

浦安D-Rocks(D1 カンファレンスA)

球技は苦手だしラグビーも‥‥けれどもラグビーを選んだ浦安D-Rocksの小西泰聖選手

80分間のゲーム中、誰よりもボールに触れるポジションであるスクラムハーフでありながら、小西泰聖は苦笑いを浮かべて言う。「僕、球技が苦手なんですよ」。そして、まさかの“カミングアウト”は続いた。「『特技=ラグビー』だと思ったことはないですし、丸いボールが苦手です。ほかの競技もさっぱりで、野球で言えば上投げはできないですし、打つ動作もそうですね……。最近ゴルフを始めたんですけど、もう伸びシロがいっぱいですよ(笑)」。

では、小西はなぜラグビーの道を選び、ここまで続けてきているのか。それは“ラグビーが好き”だからである。

「向き、不向きではなく、好きかどうかでラグビーを選びました。自然とラグビーが好きだったんですよね。どうしてかと考えると、周りにいるラグビーをやっている人間がすごく好きで、各カテゴリーで出会う同期や先輩・後輩を含めて、ずっと一緒にいたいと思う人たちと出会えたからです」

中学生までは陸上競技と並行してプレーしていたが、高校からラグビーに専念した理由もそう。「個人競技と団体競技を同時にやる時間はプラスでしたけど、陸上でもリレーが好きだったようにチームスポーツのほうが好きでしたね」。そのタイミングでスクラムハーフとも出会う。当初は、陸上で培った脚力を存分に生かせるウイングやフルバック、中学年代まで務めていたスタンドオフでのプレーを希望していたが、進学先は高校ラグビーの名門・桐蔭学園高等学校。藤原秀之監督からの「ハーフをやれ」の言葉とともにいまのキャリアがスタートした。

そんな小西が、ラグビーをやっていて一番好きな瞬間は、やはり“チームを感じられる”ときにある。

「試合に出られないメンバーもいる中で、チームを代表するプレッシャーも責任もありますけど、その中で勝ってグラウンドにいる23人で喜ぶことも、ノンメンバーと一緒に『1週間お疲れさま』と労うことも、スタンドにいるファンや家族と喜び合うこともそうですね。あの瞬間が好きです」

約2カ月、チームが勝利から見放されている中、小西は今季2度目の先発の機会をつかんだ。「マジで勝ちたいので責任重大だなと思っています。当然、プレータイムが長ければいいプレーもあるし、ミスは起こるだろうけど、そこで一喜一憂せずにとにかく目の前のプレーに全力でやることを行動で示していければと思います」。

少し気まぐれな楕円球を大好きな仲間たちと全力で追いかけ、全員で勝利をつかむ。その瞬間に、小西がラグビーを続ける理由が詰まっている。

(須賀大輔)

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