2026.04.03[静岡BR]この一戦は“ビジターゲームにあらず”。長崎出身選手たちが抱く郷土のラグビー界への思い

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第14節(リーグ戦)カンファレンスA
2026年4月4日(土)13:40 ベネックス総合運動公園 かきどまり陸上競技場 (長崎県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs 静岡ブルーレヴズ

静岡ブルーレヴズ(D1)

静岡ブルーレヴズの山下憲太選手(左プロップ、写真中央)。「僕や航大が活躍して勝って、長崎のラグビーを少しでも盛り上げられたらいいなと思います」

今節は静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)にとって初めての長崎県でのゲームとなるが、この一戦をホストゲームと同じか、あるいはそれ以上の思いで迎える選手たちがいる。

静岡BRには長崎県出身の選手が6人(平川隼也、山下憲太、岡﨑航大、岡﨑颯馬、筒口允之、本山佳龍)も在籍しており、チーム内の最大勢力となっている。今節はその中から山下と岡﨑航大がメンバー入りしており、「彼らがいつもより何%か良いプレーをすると思います」と藤井雄一郎監督が言えば、岡﨑航大は「何%というか、2、3倍パフォーマンスを上げたいぐらい気持ちは入っていますし、チームのためにもしっかり結果を出したいと思っています」と返す。

その岡﨑航大と山下は、高校時代に今回の試合会場であるベネックス総合運動公園かきどまり陸上競技場で何度も試合をしており、インターハイ県予選の決勝戦でどちらもキャプテンとして雌雄を決した場でもある。そのときは岡﨑航大が土壇場で決勝トライを奪って長崎北陽台高等学校が劇的な勝利を収めたが、その前の新人戦では山下の海星高等学校が勝っている。

静岡ブルーレヴズの岡﨑航大選手。「現役中に1回あるかないかだと思うし、本当に特別な日というか一生忘れないと思います」

彼らにとって“かきどまり”は思い出深い聖地でもあり、そこにプロとして凱旋して試合ができることは「現役中に1回あるかないかだと思うし、本当に特別な日というか一生忘れないと思います」(岡﨑航大)と大きな喜びを感じている。

また静岡県のチーム内に長崎県出身者が6人もいることは、彼らの支えにもなっている。

「伊東力さん(静岡BRのOB)や(平川)隼也さんのように小さいころから知っている選手が先輩として在籍していて、(筒口)允之も中学生のときから知っています。そういう選手が頑張っていると自分もやらなきゃと思いますし、お互いに刺激し合える関係になっていると思います」(岡﨑航大)

平川がリーダーとなって“長崎会”と称して6人で食事に行くこともあるという。ローカルな話題で盛り上がれることは、若手の筒口や本山にとっては本当に心強いことだろう。

長崎の人たちに見せたいことを聞くと、山下は次のように答えた。

「僕が小さいときに長崎でトップリーグの試合があって、すごく大きい選手たちが人生を懸けてラグビーをやっている姿を初めて間近で見て、本当にかっこいいなと思いました。だから、いまの子供たちにそういう姿を見せられたらいいなと思っています。僕らのころは長崎のラグビーが盛んで、だからこそレヴズにも長崎出身の選手がたくさん来ています。ただ、いまは少子化でラグビーをやっている子も減ってきて、母校の海星高校もいまは(大会に)単独で出られない人数になってしまい、合同チームでやっています。そう思うと寂しい気持ちもあるので、僕らで長崎を盛り上げようと6人で話しています。僕や航大が活躍して勝って、長崎のラグビーを少しでも盛り上げられたらいいなと思います」

その思いは「かきどまりでは良いプレーをした記憶しかないです」と言う岡﨑航大ももちろん同じ。スタンドの声援も、ビジターチームを力強く後押ししてくれることだろう。

(前島芳雄)

2026.04.03[相模原DB]変化してきたキャプテンシー。過密日程のいまだからこそ、自分たちに向ける矢印

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第14節(リーグ戦)カンファレンスA
2026年4月4日(土)13:40 ベネックス総合運動公園 かきどまり陸上競技場 (長崎県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs 静岡ブルーレヴズ

三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1)

三菱重工相模原ダイナボアーズの吉田杏キャプテン(ボールキャリア)。自身のパフォーマンスについても「時間あたりの質を上げること」を追求している

三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)は今節、長崎県のベネックス総合運動公園かきどまり陸上競技場で静岡ブルーレヴズと対戦する。降雪による試合中止の影響でバイウィークが消滅し、チームは想定外の8連戦中。その前段を含めれば、9週間にわたり、緊張感の続く日程を戦ってきた。

その8試合目を迎える今節、問われるのは“いかに自分たちをコントロールし、正しい判断を積み重ねられるか”だ。

前節後の会見で、グレン・ディレーニー ヘッドコーチは準備段階をこう振り返った。「このブロックで8週目に入っていたこともあり、体力やエナジーを保つことを優先した」。練習量を抑え、試合に向けた取り組みの時間も減らした中で、その判断がパフォーマンスに影響した可能性について「反省すべき点」と認めている。過密日程の中で“何を守り、何を削るか”。その選択の難しさが浮き彫りになった。

キャプテンの吉田杏も、例外的な日程を正面から受け止める一方で、それを言い訳にすることはなかった。「コントロールできない部分」と割り切り、「コンディションは選手一人ひとりが責任を持つもの」と矢印を自分たちに向ける。この姿勢こそが、今季吉田が示してきたキャプテンシーだ。

そのキャプテンシーは、シーズンをとおして少しずつ形を変えてきた。吉田は「まずは自分自身のプレーをしっかりすること」を軸に据えつつ、責任の所在を明確にするためにバイスキャプテンを置かず、複数のリーダー陣に役割を分担しながらチームをまとめてきたという。

「自分が先頭に立ち、プレーで見せていくことをベースにしている」と語る一方で、言動や立ち居振る舞いでもチームを束ねる責任を強く意識してきた。結果が伴わない時期は、その責任感とプレッシャーが重くのしかかる瞬間もあったが、負傷により、第7節でノンメンバーになった際に外からチームを見つめ直したことで、「もっと自分らしくいればいい」と感じられるようになったという。この経験がいまのリーダー像につながっている。

ピッチ上でも、その存在感は明確だ。今季の吉田は出場時間を1試合あたり70分前後としながら、その中での仕事量と質を高めている。タックル、ブレイクダウン、ボールキャリー。フランカーとして最も消耗の激しい役割を担いながら、限られた時間でインパクトを残すスタイルへとシフトした。「時間あたりの質を上げること」は、吉田自身が掲げてきた今季のテーマでもある。

今週はショートウィークで移動も絡み、練習できる日は限られる。吉田が重視するのは“ハードさ”ではなく“頭の部分”だ。役割の確認、判断の共有、迷いを減らす準備。連戦で疲労が蓄積するいまだからこそ、80分を安定して戦うための下地が問われる。

長崎県は、母体企業である三菱重工グループが歩んできた歴史と深く結び付いた地であり、クラブにとって特別な意味を持つ場所でもある。

吉田は「もう一度自分たちの生きざまを見せられるように、良い形で勝ちたい」と前を向く。

(宮本隆介)

試合詳細

見どころ・試合レポート一覧

ページトップに戻る

Teams

DIVISION 1

  • 浦安D-Rocks
  • クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
  • コベルコ神戸スティーラーズ
  • 埼玉ワイルドナイツ
  • 静岡ブルーレヴズ
  • 東京サンゴリアス
  • 東芝ブレイブルーパス東京
  • トヨタヴェルブリッツ
  • 三重ホンダヒート
  • 三菱重工相模原ダイナボアーズ
  • 横浜キヤノンイーグルス
  • リコーブラックラムズ東京

DIVISION 2

  • グリーンロケッツ東葛
  • 九州電力キューデンヴォルテクス
  • 清水建設江東ブルーシャークス
  • 豊田自動織機シャトルズ愛知
  • 日本製鉄釜石シーウェイブス
  • 花園近鉄ライナーズ
  • 日野レッドドルフィンズ
  • レッドハリケーンズ大阪

DIVISION 3

  • クリタウォーターガッシュ昭島
  • 狭山セコムラガッツ
  • 中国電力レッドレグリオンズ
  • スカイアクティブズ広島
  • ヤクルトレビンズ戸田
  • ルリーロ福岡
ページトップに戻る