2026.04.16[静岡BR]「大きい選手に負けたくない」。負けん気の強さを備える小兵が首位撃破へ挑む

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第15節(リーグ戦)カンファレンスA
2026年4月18日(土)14:30 エコパスタジアム (静岡県)
静岡ブルーレヴズ vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ

静岡ブルーレヴズ(D1)

静岡ブルーレヴズの山口楓斗選手。本来のポジションはフルバックだが今節は初めてウイングに起用された

「大学のころから体格の差を強く感じるようになりました。プロの世界に来たら、より差は感じるんですけど、僕は大きい選手に負けたくないし、小さくて捕まえにくいというのは強みにできると思ってやっています」

167cm・73kgと現代のフルバックとしては小兵と言える山口楓斗。彼の魅力は、なんといっても狭いスペースをスルリスルリと抜け出していく突破力とスピードにある。それは彼の言葉どおり体格差を逆に生かしたプレーであり、見ていて本当に気持ちの良い、静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)の名物となっている。

またディフェンスでも運動量豊富で、タックルは常に相手のひざ下を捕らえて離さず、大型選手にもはじき飛ばされることなくピンチの場面を食い止めてみせる。攻守両面で果敢さや勇気が強く感じられることも、山口の大きな魅力だ。ピッチ外では愛嬌たっぷりの優しい笑顔を見せて女性ファンにも人気があるが、「小さいころから負けん気は強かった」と話す部分がピッチ上では存分に発揮されている。

2022年に同志社大学を卒業して静岡BRに加入した山口は、キャップをつかんでから、負傷時以外はコンスタントに出場を重ねてきた。5シーズン目の今季もコーチ陣の信頼をつかみ前節まで11試合に出場し、リーグワン通算キャップ数は41まで積み上げてきた。

その山口が、今節の埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)戦では今季初めてウイングとして先発する。起用の理由について藤井雄一郎監督は「ディフェンスもハイボールも強いし、ワークレートも高くて決定力もある」と説明する。埼玉WKはキックを多く使うチームであり、彼のキック処理のうまさを生かしたいという意図もあるようだ。

それも山口がプロの世界で生き残っていくために自ら積み上げてきた技術であり、相手のプレッシャーに怯まない負けん気が生かされる部分でもある。相手キックをキャッチしたところからのカウンターで、彼が快走するシーンも見られるかもしれない。

リーグワンで毎シーズン上位に入り、今季も首位を走る強豪・埼玉WKを倒すには、フィジカルでもメンタルでも負けないことが重要になる。そのためにも山口の鮮やかな抜け出しや低く鋭いタックルが、チーム全体に勇気を与えてくれることを期待したい。

(前島芳雄)

2026.04.16[埼玉WK]後輩に惜しみなく注ぐ愛情。チームマンとして手本を示す“サイクロン”

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第15節(リーグ戦)カンファレンスA
2026年4月18日(土)14:30 エコパスタジアム (静岡県)
静岡ブルーレヴズ vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ

埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1)

練習では手ぬぐいを頭に巻いていることが多いという埼玉パナソニックワイルドナイツのマリカ・コロインベテ選手

額に手ぬぐいを巻き、グラウンドを駆け回る。

埼玉パナソニックワイルドナイツの練習グラウンドでよく見かけるその姿は、マリカ・コロインベテである。

フィジー出身の快足ウインガーは、2021年に来日し5年が経った。この地にも、この文化にもすっかりと馴染んだ。子供たちは地元の小学校や保育園に通い、流暢な日本語を話す。

「私と妻は、子供たちが何をしゃべっているのかまったく分からないんです」と笑った。

「子供たちが、私の日本語の先生です」

前節では5試合ぶりの復帰を果たし、1トライを記録したコロインベテ。

「コンディションも良く、体の状態がしっかり戻った段階で試合に出られたことは良かったと思います。出場できなかった間も、チームメートの準備を手助けすることができました。チームに関わり続けられたこと、支える役割を担えたことに感謝しています」

すっかりとチームマンになった。

そんな彼が、特に目を掛けている存在がいる。ルーキーのモーリス・マークス。南アフリカ出身のウイングだ。

「彼を見ていると若いころの自分を思い出す」というコロインベテは、練習前後にはマークスを車で送迎したり、グラウンドではアドバイスを送ったりと献身的に支える。公私にわたって支えるその姿に「マークスにとっては兄のようですね」と問い掛ければ「いや、お父さんかな」とおどけてみせた。

「現代のラグビーにおいてウイングとは、ただ外で待っていればいいわけではありません。ウイングとしてどう試合に関わるべきか、という点を教えています。彼はとても聞き上手ですし、コーチも私に彼のサポートをさせてくれています。彼はいま、とても順調に成長しており、素晴らしい選手になると思っています」と目を細めた。

週末の試合後には、マークスを自宅に招くこともあるという。フィジーの伝統的な飲み物『カバ』を酌み交わし、食卓を囲む。ラグビーだけでなく、文化や価値観も共有する時間だ。

「これから彼が試合経験を重ねて、どう成長していくのか。本当に楽しみにしています」

熊谷のグラウンドで見られる、手ぬぐい姿のサイクロン。手本を示すように、今日もフィールドを駆け抜ける。

(原田友莉子)

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