2026.04.17[東京SG]原点の地、キャリアの終章。歩んできたすべてを、この一戦に

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第15節(リーグ戦)カンファレンスB
2026年4月18日(土)14:05 えがお健康スタジアム (熊本県)
東京サントリーサンゴリアス vs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

東京サントリーサンゴリアス(D1)

高校時代を過ごした熊本の地で開催される今節の試合に向け「ここまでやってきた自分のラグビー人生、すべてを懸けてプレーしたい」と語る東京サントリーサンゴリアスの流大選手

「特別なゲームだというのは、自分でも意識しています」

東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)の9番・流大にとって、4月18日(土)の第15節、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)戦は、いくつもの意味で大一番と言える。

現在、7勝7敗でプレーオフトーナメント出場圏の4位につける東京SGではあるが、残り4節の対戦相手は上位チームかプレーオフトーナメントを争うチームという難敵だらけ。中でも今節戦うS東京ベイは、第3節で対戦した際に『チーム史上最多失点』となる79点を奪われて大敗した相手だ。あの敗戦後、「この負けをターニングポイントにしなければならない」を合言葉にシーズンを戦ってきただけに、自分たちの成長を示す上でも負けられない戦いとなる。常々、「チームを勝たせることが自分の役目」と語る流にとって、自身の存在価値を示す一戦と言っても過言ではない。

そして、流にとって特別な一戦である理由がもう一つ。舞台が“人生のターニングポイント”ともいえる高校時代を過ごした熊本であること。今季限りでの引退を表明している流にとって、地元で勇姿を見せる最後の機会となる。

「いまの自分にとって、熊本での高校3年間がすべての基礎になっています。福岡からの通いで勉強する時間もないぶん、電車での通学時間をどう有効活用するかなど、自分が成長するために必要なことは何か、逆算して考えるようになれた。いまでもその『逆算する考え方』は自分を助けてくれています」

このほかにも、熊本県立荒尾高等学校(統合されて現在は岱志高等学校)時代の恩師、徳井清明監督から学んだことでいまに生きていることはいくつもあるという。

「徳井先生からは『小さいことを大事にしろ』と何度も言われ、人が見えない部分や気づかないところに目を向けられる人間になる重要性を教えていただきました。そこはいまでも意識している点です。また、ラグビー経験者が少ない環境だったおかげで、チームメートを生かすために何が必要かを必死に考えた3年間でした。その部分も間違いなくいまに生きています」

その恩師も、当時の仲間や友人たちも、熊本・えがお健康スタジアムに足を運んでくれる予定だ。

「ここまでやってきた自分のラグビー人生、すべてを懸けてプレーしたい。お世話になった方や地元の友人、恩師……たくさんの方に来てもらえるので、感謝の気持ちをもって全力でプレーするだけ。スピアーズには前回、大敗して不甲斐ない試合をしてしまったので、熊本でリベンジしたいです」

(オグマナオト)

2026.04.17[S東京ベイ]同じ名字、違う物語。その名に、自らの価値を刻む

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第15節(リーグ戦)カンファレンスB
2026年4月18日(土)14:05 えがお健康スタジアム (熊本県)
東京サントリーサンゴリアス vs クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1)

クボタスピアーズ船橋・東京ベイのアキラ・イエレミア選手(写真中央)が生まれたのは東京都府中市。なぜなら──

アキラ・イエレミア。多くの人は彼のことを、往年の名プレーヤー、アラマ・イエレミアの息子として語る。ある意味、これは2世選手の宿命でもある。しかし今季、その見方は、静かに更新されつつある。

父・アラマが来日し、プレーしたサントリーラグビー部(当時)が日本選手権で優勝を果たした2001年、アキラは東京都府中市で生を受けた。練習場やジムの周りを走り回っていた記憶は、5歳まで過ごした「日本の思い出」として彼の中に残っている。

母国・ニュージーランドに帰国後は地元のクラブでラグビーを続け、高校ではバレーボールとラグビーの2刀流で活動。バレーボールではU19ニュージーランド代表に選出されるまでの活躍をみせた。

年齢が上がるにつれて、彼はこの二つの競技の間で選択を迫られるようになる。ニュージーランドでは、バレーボールを続けられる環境が限られていた。答えは自然に絞られた。

だが、それは2世選手にとって安易な選択ではなかった。その歩みは、常に父の存在と隣り合わせにある。彼は言う、「だから、覚悟は必要でした」──。

プロキャリアの起点となるウェリントンに入団したのは22年。そこでは、それまで当たり前だったレギュラー出場は、もはや当たり前ではなくなった。自信が悲観に塗りつぶされたそのとき、彼を支えたのは父の言葉だった。

「父に電話をすると、『プロとはそういうものだ』と再確認させてくれました。父の助けがあったからこそ、いまもこうして続けられているのだと思います」

24年、ウェリントンはNPC(ニュージーランド州代表選手権)で優勝を果たし、アキラもその一翼を担った。再び日本の土を踏んだのは、その直後。同年12月にクボタスピアーズ船橋・東京ベイに入団。翌1月、東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)との一戦で初キャップを刻んだが、テンポの速いラグビーに直面し、昨シーズンはその対応に費やした。

遠回りも含めて、すべてが力になっていた。昨年は期限付き移籍で古巣ウェリントンに戻ると、日本で培ったスピードが大いに生きた。そこで自信を深め、今季は心身ともに整った状態で開幕を迎えることができた。バレーボールで培った跳躍力も、ラインアウトでの大きな武器となっている。

「昨シーズンは自分にとって学びのシーズンでしたが、今季は自分が立ち上がって、チームをもっと助けようとする時期だと感じています」

4月18日、アキラ・イエレミアは東京SGと対峙する。父が在籍していたチームではあるが、そこに特別な感情はない。果たすべき使命を、ただ果たすだけだ。

「前回のトヨタヴェルブリッツ戦では、フィジカルの戦いで負けてしまった。だから今週は、自分たちの間違いを正すときだと思っています。フォワードパックとして、しっかりと立ち向かいたい」

父は日本でも優勝を経験している。もちろん、自分もそうなりたい。そしていつか、『アラマの息子』という冠を外さなければならない。

「私には私が歩むべき旅路(ジャーニー)があります。父とは同じ名字ですが、その名に恥じない活躍をして、誇りに思えるようにしたいです」

2世選手だからこそ歩める旅路というものも、きっとある。こちらが「いつか『アラマの息子』ではなく、アラマさんが『アキラのお父さん』と呼ばれる日が来るかも」と言うと、「そうなればいいですね」と彼は口元をほころばせた。

(藤本かずまさ)

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Teams

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  • 浦安D-Rocks
  • クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
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  • 埼玉ワイルドナイツ
  • 静岡ブルーレヴズ
  • 東京サンゴリアス
  • 東芝ブレイブルーパス東京
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