2026.04.23[埼玉WK]「優勝の瞬間にグラウンドに立っていたい」。叶えた夢のその先へ

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第16節(リーグ戦)カンファレンスA
2026年4月25日(土)14:30 熊谷スポーツ文化公園ラグビー場 (埼玉県)
埼玉パナソニックワイルドナイツ vs 三菱重工相模原ダイナボアーズ

埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1)

埼玉パナソニックワイルドナイツの齊藤誉哉(さいとうたかや)選手。「やっぱり先発で、もっと若い番号で出たいです」

「小さいころから、ワイルドナイツのジャージーを着てプレーすることが夢でした」

群馬県伊勢崎市で生まれ育った齊藤誉哉にとって、埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)でプレーすることは、すなわち自身の夢を叶えたことと同義だ。

かつては群馬県太田市に本拠地を構えていた埼玉WK。齊藤の実家から「3、40分ほど」の距離にあったため、練習試合にもよく訪れていたという。桐生第一高等学校へと進学したのも、OBの霜村誠一氏が監督ゆえ。それほど野武士軍団に焦がれた。

憧れのチームでプレーする、という夢を叶えたのは2023年のこと。「周りはすごい選手ばかりで、試合に出るのは簡単ではないと分かっていましたが、それでもここでプレーしたいと思って」入団を決意。昨季、念願の初キャップを獲得した。迎えた今季は、ここまで11試合に出場。途中出場が中心ながらも、グラウンドに立ち続けることで着実に役割を広げてきた。

その中で、さらなる成長の機会が訪れる。シーズンが深まり、プレーオフトーナメントに向けチームの完成度を高めるべく、アドバイザーのトニー・ブラウンが来日。約1週間、指導に加わった。齊藤にとっては、かねてより憧れていた存在の一人である。

「まさか直接教わる日が来るとは思っていませんでした。でもいまは、それが当たり前のようにある環境でプレーできていることが幸せですし、毎日が楽しいです」

さらにバックスコーチのベリック・バーンズからは、スタンドオフとしての視野やゲームの組み立て方について細かな指導を受けている。

「たとえばラインアウトがうまくいかなかったときにどういう選択をするか。会話しながらフィードバックをもらっています。『この選手はこういう特徴があるから、こういうスペースを与えよう』といった、周囲を生かす判断も教えてもらいました」

これまで重視してきたゲームメークに加え、“仲間の特徴を生かす”視点が加わったことが、プレーの幅を広げている。

とはいえ、現状に満足はない。11試合中10試合がリザーブからの出場。「もう少しプレータイムが欲しい」と率直に語る。「(バックスなら)9番以外はどこでもできる」というポリバレント性はチームにとって大きな武器だが、本人の思いは「やっぱり先発で、もっと若い番号で出たいです。80分出て、チームに貢献したい」。

齊藤に、現在の夢を聞いた。

「このチームで優勝したい。そして、その優勝メンバーに入りたい。そのためにはしっかり毎週成長しないと。憧れだったチームで、優勝の瞬間にグラウンドに立っていることがいまの夢です」

叶えた夢の、その先を叶える。

(原田友莉子)

2026.04.23[相模原DB]無名からの成り上がり。初キャップで試される泥臭いハードワーク

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第16節(リーグ戦)カンファレンスA
2026年4月25日(土)14:30 熊谷スポーツ文化公園ラグビー場 (埼玉県)
埼玉パナソニックワイルドナイツ vs 三菱重工相模原ダイナボアーズ

三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1)

今年アーリーエントリーで三菱重工相模原ダイナボアーズに加入した栗田文介選手。今節リザーブでメンバー入り、初出場なるか

三菱重工相模原ダイナボアーズは25日、埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)と対戦する。その一戦で、栗田文介が初めてメンバーリストに名を連ねた。

メンバー入りを告げられた瞬間、栗田の胸にあったのは高揚よりも驚きだった。「正直、まさか入るとは思っていなかったので、びっくりしました」。だが、その感情はすぐに責任感へと変わった。

「任された以上は、やらなければいけないという気持ちになりました」。その日の夜、家族に報告すると返ってきたのは「おめでとう。頑張ってこい」というシンプルな言葉だった。

栗田は、全国的に名の知れた強豪校の出身ではない。愛知県内トップクラスの進学校である千種高等学校から一般入試で早稲田大学へ進学し、入学当初はDチームからのスタートだった。評価されない時間が長く続く中でも、腐ることなく目の前の練習に向き合い続けた。

「フォワード、特にバックファイブは泥臭く動き続けるのが早稲田の伝統」

役割を全うすることを積み重ねた結果、Aチームへとはい上がり、U20日本代表にも選ばれるなどの経験を重ねてきた。その歩みが、いまの栗田の人間性を形作っている。今回のメンバー構成には、栗田にとって心強い存在がいる。同期の川原大と平翔太だ。栗田がグラウンドに立てば、同期の中では最後のデビューとなる。

「最初はぎこちない部分もありましたが、同じ寮で生活するうちに自然と仲良くなりました」

日々をともに過ごす中で生まれた信頼関係が、「3人で一緒に頑張りたい」という言葉に表れている。プロの世界に入り、栗田が最も感じているのは一人ひとりの意識の高さだ。

「大学とは全然違うなと思います」

外国籍選手やベテランの準備や振る舞いから学ぶものは多く、常に吸収しようという姿勢で日々の練習に臨んでいる。フランカーとしての基準を示してくれる存在も近くにいる。

「坂本侑翼さんのタックルは本当にすごい。あれは人間じゃないと思うレベル」。その強度を間近で体感しながら、自身の基準を引き上げている。今節の相手、埼玉WKはリーグの基準とも言える存在だ。

「僕は小柄な部類なので、『低く早く』を一番大事にしています」

大学時代にともにプレーした佐藤健次との対戦の可能性もある。

「尊敬している選手なので、もし出て対戦できたらうれしい」

無名の存在として始まり、積み重ね続けてきた時間。その先に迎える初キャップの舞台で、栗田文介の泥臭いハードワークが試される。

(宮本隆介)

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