2026.04.29[埼玉WK]引退の危機を乗り越えて。再び、公式戦の舞台に立つ男が新たに手にした目標

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第17節(リーグ戦)カンファレンスA
2026年5月1日(金)19:00 秩父宮ラグビー場 (東京都)
浦安D-Rocks vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ

埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1)

万感の思いを胸に復帰。埼玉パナソニックワイルドナイツの藤井大喜選手

いまから1年前のこと。秩父宮ラグビー場で行われた昨季の第12節・東芝ブレイブルーパス東京戦で、埼玉パナソニックワイルドナイツの藤井大喜は大きなけがを負った。

「内側からタックルに行ったときに、相手の腰に頭が強くぶつかってしまい、脊髄を損傷しました」

試合開始4分の出来事だった。

「体が痺れて、痛みもあるけど感覚が少しなくなる感じでした。試合中でしたが、一瞬、時が止まったような、今まで感じたことのない感覚でした」

そこから、1年間に及ぶリハビリの日々が始まった。

当初は、日常生活すら危ぶまれる状況だったという。「ラグビーを続けるどころではなく、最初は辞めたほうがいいかなとも思いました」。家族からも「体を第一に考えてほしい」と、競技から離れることを勧められた。

それでも手術を終えて退院し、チームメートの練習や試合を見に行くうちに、気持ちは少しずつ変化していく。「またグラウンドに立ってラグビーをしたい」という気持ちに、自然と変わった。不思議なもので、何か一つの明確なきっかけがあったわけではない。ただ、ラグビーに引き戻された。

「やっぱり、ラグビーがしたい」

その思いを家族に伝えると、「止めたい気持ちはあったと思いますが、僕の気持ちを尊重して背中を押してくれました」と感謝を口にする。

リハビリの日々の中で、喜ばしい出来事もあった。父となったのだ。「ラグビー選手として娘に記憶してもらえるまでプレーし続けたい」という新たな目標も芽生えた。

だから焦ることなく、一歩一歩。試合映像を撮影したり、後輩にアドバイスを送ったりと、チームの一員として関わり続けながら、復帰を見据えて懸命に歩みを進めた。

そうして迎える今節。『藤井大喜』の名が、約1年1カ月ぶりに秩父宮ラグビー場に響くことになる。復帰戦を目前にしたいま、藤井は「うれしい気持ちでいっぱい」と目尻を下げる一方で「同時に緊張もありますし、プレッシャーも感じています」と率直な胸の内も明かす。「自分にできることをやりたいです。久しぶりの試合を楽しみながら、まずはチームの勝利に貢献したいと思います」。

今季からフォワードコーチも代わり、堀江翔太氏のスクラム指導を受ける。「姿勢も含めて、自分の強みをブレさせることなく、どんな相手に対しても自分が一番強い形で組むことを意識しています」と教えを体に叩き込んだ。

準備は整った。

一人のラグビー選手として。そして父として。チャンピオンが決まる舞台でグラウンドに立ち、優勝トロフィーを掲げるために。

藤井は、ラグビーを楽しむ戦いへと向かう。

(原田友莉子)

2026.04.29[浦安DR]重圧に押しつぶされた夜からの再起。今度こそ、味方に届ける

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第17節(リーグ戦)カンファレンスA
2026年5月1日(金)19:00 秩父宮ラグビー場 (東京都)
浦安D-Rocks vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ

浦安D-Rocks(D1)

浦安D-Rocksの松下潤一郎選手。ラインアウトでのスローイング、今度こそ

これまで得意としていたはずのラインアウトスローがなかなか決まらない。得点のチャンスを逃していくたびに、それがプレッシャーとして重なり、ミスを引き起こしていく。秩父宮ラグビー場で行われた前節・静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)戦、フッカーとして先発した松下潤一郎は、敗戦の責任を感じていた。

「ラインアウトのチャンスが数多くあったけど、それをモノにできずにすごく悔しかったです。これまでスローイングを強みとしていたんですが、今季はなかなかうまくいかなくて、競ってくる相手に対してプレッシャーを受けてミスしてしまうことが多いです。静岡BR戦は敵陣の深い位置で何度もラインアウトがあったと思うんですけど、ミスをするたびに『ヤバい、ヤバい』と思ってしまいました」

それでも、24歳の周りには良き先輩たちがいる。けがで離脱中のキャプテン・藤村琉士や、今季限りでの引退こそ発表されているがチームきっての存在感を誇る金正奎など、同ポジションのライバルたちが、日ごろから前向きな声を掛けてくれる。

「二人ともいろいろと教えてくれます。特にメンタルのところで、『お前から発信していけ』と。僕は受け身になり過ぎていたので、『スクラムを含めてリーダーシップを取れ』と声を掛けてもらいました。あとは、もっと時間を掛けていいのかなと思っています。トライを取り急いでしまって焦っているところもあったので、じっくり投げるとか、工夫も必要だと感じました」

静岡BR戦のレビューも行い、ミスが続いた原因は確認できた。ミスが起こったとしてもそれを引きずらないための整理も自分の中ではついている。「ミスは絶対にあるので、深く考え過ぎずに次に切り替えることを意識できれば。サインは決まっているので、そこに対していいボールを投げるのが自分の役割です」。

再び秩父宮ラグビー場でのゲームとなる首位・埼玉パナソニックワイルドナイツとの一戦は、リザーブからの出場となる。出番が来るとき、それは大事な局面となるに違いない。今度こそ、松下がビシッと決めてみせる。真っ直ぐに、味方の手に楕円球を届け、トライを演出する。

(須賀大輔)

試合詳細

見どころ・試合レポート一覧

ページトップに戻る

Teams

DIVISION 1

  • 浦安D-Rocks
  • クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
  • コベルコ神戸スティーラーズ
  • 埼玉ワイルドナイツ
  • 静岡ブルーレヴズ
  • 東京サンゴリアス
  • 東芝ブレイブルーパス東京
  • トヨタヴェルブリッツ
  • 三重ホンダヒート
  • 三菱重工相模原ダイナボアーズ
  • 横浜キヤノンイーグルス
  • リコーブラックラムズ東京

DIVISION 2

  • グリーンロケッツ東葛
  • 九州電力キューデンヴォルテクス
  • 清水建設江東ブルーシャークス
  • 豊田自動織機シャトルズ愛知
  • 日本製鉄釜石シーウェイブス
  • 花園近鉄ライナーズ
  • 日野レッドドルフィンズ
  • レッドハリケーンズ大阪

DIVISION 3

  • クリタウォーターガッシュ昭島
  • 狭山セコムラガッツ
  • 中国電力レッドレグリオンズ
  • スカイアクティブズ広島
  • ヤクルトレビンズ戸田
  • ルリーロ福岡
ページトップに戻る