NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第17節(リーグ戦)カンファレンスA
2026年5月1日(金)19:00 秩父宮ラグビー場 (東京都)
浦安D-Rocks vs 埼玉パナソニックワイルドナイツ
埼玉パナソニックワイルドナイツ(D1)
万感の思いを胸に復帰。埼玉パナソニックワイルドナイツの藤井大喜選手いまから1年前のこと。秩父宮ラグビー場で行われた昨季の第12節・東芝ブレイブルーパス東京戦で、埼玉パナソニックワイルドナイツの藤井大喜は大きなけがを負った。
「内側からタックルに行ったときに、相手の腰に頭が強くぶつかってしまい、脊髄を損傷しました」
試合開始4分の出来事だった。
「体が痺れて、痛みもあるけど感覚が少しなくなる感じでした。試合中でしたが、一瞬、時が止まったような、今まで感じたことのない感覚でした」
そこから、1年間に及ぶリハビリの日々が始まった。
当初は、日常生活すら危ぶまれる状況だったという。「ラグビーを続けるどころではなく、最初は辞めたほうがいいかなとも思いました」。家族からも「体を第一に考えてほしい」と、競技から離れることを勧められた。
それでも手術を終えて退院し、チームメートの練習や試合を見に行くうちに、気持ちは少しずつ変化していく。「またグラウンドに立ってラグビーをしたい」という気持ちに、自然と変わった。不思議なもので、何か一つの明確なきっかけがあったわけではない。ただ、ラグビーに引き戻された。
「やっぱり、ラグビーがしたい」
その思いを家族に伝えると、「止めたい気持ちはあったと思いますが、僕の気持ちを尊重して背中を押してくれました」と感謝を口にする。
リハビリの日々の中で、喜ばしい出来事もあった。父となったのだ。「ラグビー選手として娘に記憶してもらえるまでプレーし続けたい」という新たな目標も芽生えた。
だから焦ることなく、一歩一歩。試合映像を撮影したり、後輩にアドバイスを送ったりと、チームの一員として関わり続けながら、復帰を見据えて懸命に歩みを進めた。
そうして迎える今節。『藤井大喜』の名が、約1年1カ月ぶりに秩父宮ラグビー場に響くことになる。復帰戦を目前にしたいま、藤井は「うれしい気持ちでいっぱい」と目尻を下げる一方で「同時に緊張もありますし、プレッシャーも感じています」と率直な胸の内も明かす。「自分にできることをやりたいです。久しぶりの試合を楽しみながら、まずはチームの勝利に貢献したいと思います」。
今季からフォワードコーチも代わり、堀江翔太氏のスクラム指導を受ける。「姿勢も含めて、自分の強みをブレさせることなく、どんな相手に対しても自分が一番強い形で組むことを意識しています」と教えを体に叩き込んだ。
準備は整った。
一人のラグビー選手として。そして父として。チャンピオンが決まる舞台でグラウンドに立ち、優勝トロフィーを掲げるために。
藤井は、ラグビーを楽しむ戦いへと向かう。
(原田友莉子)




























