2026.05.01[三重H]50キャップに“興味なし”。削ぎ落とすことで研ぎ澄ます自分らしさ

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第17節(リーグ戦)カンファレンスB
2026年5月2日(土)14:30 東大阪市花園ラグビー場 (大阪府)
コベルコ神戸スティーラーズ vs 三重ホンダヒート

三重ホンダヒート(D1)

三重ホンダヒートの肥田晃季(ひだこうき)選手。「やれることを増やそうとするのではなく、やらないことを増やす」という考え方

5月2日に行われるコベルコ神戸スティーラーズ戦に向け、リザーブメンバーに選ばれた三重ホンダヒート(以下、三重H)の肥田晃季。この試合でグラウンドに立てば、25歳の若さでリーグワン通算50キャップを達成することになる。

肥田はキャリアの大きな節目に対し、淡々と言葉を紡いだ。

「キャップ数にはまったくこだわりをもっていないんですよね」

筑波大学から三重Hへ加入して3年。大きなけがもなく、ルーキーイヤーから順調に出場を重ね、いまやチームの中で重要な役割を担っている。その日々を振り返りつつ、肥田は意外にも「正直に言えば、成長したという実感はないんです」と語る。その一方で、明らかに“考え方”には変化があったという。

1年目は大学時代よりもはるかに大きなプレッシャーを感じ、体が思うように動かなかった。2年目は先発出場の機会が増えたものの、プレーの波が激しく、一貫性を保つことに苦しんだ。そして3月の横浜キヤノンイーグルス戦が、肥田の思考を大きく揺さぶった。僅差でゲームが進む中、出場機会は訪れず、先発したテビタ・イカニヴェレが最後までプレー。肥田は26対31で敗れた試合をベンチから見守ることになった。

肥田は「あの試合で、“信頼の壁”を感じました」と振り返る。「イカニヴェレ選手を超えてやろうと闇雲に頑張っていましたが、自分にできないことまでやろうとしていたなと感じたんです」。

その気付きが、考え方を変えるきっかけとなった。

「やれることを増やそうとするのではなく、やらないことを増やす。削ぎ落として、自分が持っているスペックを生かすことが大切だと思いました」

ライバルを「超える」のではなく、「違う」選手になる。複雑に物事を考え過ぎず、自分の特性を生かしてチームに貢献する。それが、肥田のたどり着いた答えだった。

「一人で何かをしようとせず、チームを見て何ができるかを考えるようになりました。結局はシンプルなところに行き着くんだなと」

そして、節目の先に見据えるものもまた、シンプルだ。

「毎試合、自分が納得いくプレーができればいいなと思っています。どのポジション、どの場面で出ても、常に100%を出せるように積み上げていきたいです」

削ぎ落とされた“自分らしさ”とともに、肥田は節目を通過点として越えていく。

(籠信明)

2026.04.30[神戸S]屈強な体の裏にある素直な思い。33歳になっても「ずっとチャレンジャー」

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第17節(リーグ戦)カンファレンスB
2026年5月2日(土)14:30 東大阪市花園ラグビー場 (大阪府)
コベルコ神戸スティーラーズ vs 三重ホンダヒート

コベルコ神戸スティーラーズ(D1)

コベルコ神戸スティーラーズの小瀧尚弘選手。「器用なタイプでもないし、派手なことができるタイプでもないので、目の前のことを精一杯やるだけなんです」

194cm/111kg。「屈強」という言葉を絵に描いたような男から、想像もできない言葉が聞こえてきた。

「今まで、あまり自信をもてずに来ています」

コベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)の小瀧尚弘。「(帝京大学から東芝ブレイブルーパス[当時]に加入した)1年目はほぼ試合に出ましたし、怖いものがありませんでした。(トップリーグ)新人賞ももらいましたし、そこが僕のラグビープレーヤーとしてのピークですね」。6月で34歳を迎えるロックは、苦笑まじりに振り返る。

小瀧がラグビーを始めたきっかけは、中学時代に所属したサッカー部の先生から渡された一本のビデオテープ。伏見工業高等学校(当時)対東福岡高等学校の試合映像だった。

「東福岡の正海智大さんっていうウイングが、裏にボーンと蹴って、走って、トライして。『これ、カッコいい!』って思いました」

憧れをもって進んだ鹿児島実業高等学校。「足が速かった」小瀧の希望はもちろん、ウイングだったが、「気づいたらプロップの間に頭が挟まって、ロックやってました」と笑う。当時はいまと同じ身長ながら体重は70㎏以下。コンタクトが「怖くて仕方がなかった」。それでも厳しい練習をこなし、ラグビーに熱中する立派なフォワードに成長した。

高校時代には、日本代表で98キャップを数える大野均さんらに会う機会もあった。「こんな人になりたい」「ジャパンになりたい」と羨望の念を抱き、のちに日本代表にも選ばれた小瀧は一つの夢を叶えた。だが、「喜びと同時に落胆した気持ちもありました」。現実が立ちはだかった。

「ピーク」と語った大卒1年目を経て、2年目以降は「逆にうまくいかなくなった」という小瀧。2021年に加入した神戸Sでは、5シーズンで35試合出場にとどまり、「正直、悔しい」と率直だ。順風満帆ではない。ただ、決してネガティブなわけではない。

「神戸Sには感謝しています。周りの選手はすごいし、コーチたちも飽きずにずっと面倒を見てくださいます。ラグビー選手としてレベルアップしていると思っています。あぐらをかくことなく、この歳になっても、ずっとチャレンジャーの気持ちでいられています」

「自信をもてずに来ている」と話した小瀧だが、それは、自分という存在を素直に受け入れ、苦しくとも目の前のことと誠実に向き合う者だけが口にできる言葉だ。

「器用なタイプでもないし、派手なことができるタイプでもないので、目の前のことを精一杯やるだけなんです。できないならできないなりに泥臭くやろうと思っています」

最後に聞いた。プレーヤーとしてのピーク。今季、それを更新することは――。小瀧は「試合の出場数ではもう無理ですけど」と笑顔を見せながら、こう話してくれた。

「1年目ぐらいのインパクトを出せるように頑張りたいですね」

(小野慶太)

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