2026.05.08[S東京ベイ]「優勝は、僕にとってすべて」。百戦錬磨のフルバックが追い求める頂

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第18節(リーグ戦)カンファレンスB
2026年5月10日(日)14:30 スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場) (東京都)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs コベルコ神戸スティーラーズ

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(D1)

相手は首位に立つコベルコ神戸スティーラーズだが、3位につけているクボタスピアーズ船橋・東京ベイとの勝ち点差はわずかに2ポイント。ショーン・スティーブンソン選手は「チームにとって大きな挑戦となる試合です」と語る

「僕のキャリアは、これまで2位が多かったんです」

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)のジャージーに袖をとおして優勝することに、どのような意味があるのか。そう問いかけると、彼は少し間を置き、こう続けた。

「だから、優勝することは僕にとって“すべて”を意味します」

ショーン・スティーブンソン。ニュージーランドのチーフスで100キャップを達成した百戦錬磨のフルバック。ハイボールを吸い込むように収め、するするとスペースを抜けていく様は、まるで魔法使いのようでもある。

彼に寄せられる期待の大きさは、今季の起用に明確に表れている。ここまで17試合中、16試合に先発出場。チームの中心としてグラウンドに立ち続けている本人は、その状況を「最高なこと」と語る。

「自分の体を理解し、健康を維持することは、自分の役割を果たす上で大切なことだと考えています。そのために毎週、同じリズムで1週間をスタートさせることを意識しています。いい準備をするためにリカバリーや食事に加えて、最近はジャーナリングも習慣になっています。毎朝、感謝していることやその日の目標を書き出すことで、集中力を保てています」

だが、昨年のこの時期、彼の姿は日本にはなかった。昨季はシーズン途中で帰国。リーグワンプレーオフトーナメント決勝から約3週間後の6月21日には、スーパーラグビーのファイナルの舞台に立っていた。結果はS東京ベイ、チーフスともに準優勝。“あと一歩”の感覚だけが、胸に残った。

「二つの決勝で敗れ、本当に悔しさが残りました。リーグワンのプレーオフトーナメント決勝はニュージーランドから見ていましたが、プレーそのものではなく、準備やエネルギーの部分に課題があったと感じています。昨季の経験を生かして、今季のプレーオフトーナメントに臨みたいです」

今季はプレシーズンから合流し、チーム文化にも触れる時間をもてた。下部リーグからはい上がり、ついには優勝を手にしたヒストリーも理解できている。そして、そのDNAの鎖の中に、いまの自分がいることも。

「私たちが最高のラグビーをすれば、どこにも負けないと思っています。チームのDNAを理解し、リカバリーや準備など細かいことをしっかり積み重ね、全員が攻める気持ちをもって試合に臨めば、最後まで勝ち進めると確信しています」

最終節の相手は首位のコベルコ神戸スティーラーズ。えどりく30連勝も懸かる重要な一戦であるが、あくまで冷静に“次の80分”としてその一戦を見つめている。

「1位から3位まで3チームが激しく争っているので、チームにとって大きな挑戦となる試合です。いまは週末の試合に集中しています。ほかのチームの結果はどうあれ、自分たちのやるべきことをしっかりやれば、運命は自分たちの手で切り拓けるはずです」

切り拓いていくその先に、たどり着くべき頂点がある。そこで結実する「すべて」とは。おそらくそれは、泉谷しげるが『春夏秋冬』で声高に歌ったような、ここまで積み重ねてきたものすべてに意味が生まれる瞬間──そんな景色なのかもしれない。

「その喜びは、フロント、選手、コーチ、ファンのみなさん、チームに関わるすべての人にとって、大きなものになるはずです。自分たちのためだけでなく、そうした人たち、そして家族のためにプレーしています」

その「すべて」を背負い、ショーン・スティーブンソンはシュートする。

(藤本かずまさ)

2026.05.08[神戸S]待ち続けた先発へ。円熟を迎えた“赤のランナー”が、その価値を示す

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第18節(リーグ戦)カンファレンスB
2026年5月10日(日)14:30 スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場) (東京都)
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ vs コベルコ神戸スティーラーズ

コベルコ神戸スティーラーズ(D1)

コベルコ神戸スティーラーズのマイケル・リトル選手。「S東京ベイさんが付いて来られなくなるぐらいのベストを尽くしたいと思います」

今節の12番に名前を記されたマイケル・リトル。ここまでリザーブで12試合に出場してきた円熟のセンターが、最終節にして今季初先発を飾る。

「ゲームのメンバー23人に入れることに感謝をしていましたし、15人のメンバーに入ってスタートで出られるチャンスが巡ってきました。感謝したいですし、素直にうれしく思います」

前節、負傷のため途中交代したタリ・イオアサは今節メンバー外。躍進を続けてきたコベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)の先発を張ってきた21歳の新鋭センターを、12歳年長のリトルは大きなリスペクトをもって見つめる。

「サイズは大きく、スキルセットも高く、学ぶ意欲も本当に高い選手。成長の幅もやっぱり大きい。その穴を埋めることは本当に大きな役割。しっかり遂行したいと思います」

イオアサとはオフ・フィールドでも仲良しだ。「タリといると『自分も21歳』という感じがします。自分の分からない若い世代の言葉を使ったりするので、たまに『違う言語をしゃべっているのかな』と思うことはありますけど(笑)」。大好きなNBAの話で盛り上がることもあり、先日は、自身の“推し”であるフィラデルフィア・セブンティシクサーズが、イオアサの推すボストン・セルティックスを破ったという。それを33歳は力いっぱいの“ドヤ顔”で教えてくれた。

「まだまだ自分も若いと感じていますよ(笑)。センターで言えば、自分やタリ、アントン(・レイナートブラウン)、ティム(ラファエレ ティモシー)もいますし、マック(ハリス マック)、サウ(タリロトゥ・ファカトゥロロ)ら若い選手も含めていろいろな選手がいて、それぞれに違う強み、スキルをもっています。毎週、お互いから学び、お互いを突き上げることができています」

リトルは世代の垣根を越え、チームメートと切磋琢磨してきた。今季初先発となる試合の相手は、開幕節で敗れたクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)。プレーオフトーナメントを控える中、リーグ戦の1位を決める頂上決戦だ。

「S東京ベイさんと前回試合をしたのが本当に第1節だったのかというぐらい、時間が早く過ぎたなと思います。その第1節から自分たちも成長できていますし、それをどれだけ見せられるか。どれだけベストの状態をキープし、プレーし続けられるか。S東京ベイさんが付いて来られなくなるぐらいのベストを尽くしたいと思います」

神戸Sが誇る屈強なランナー。“赤”のマイキーが、オレンジの壁を突き破る。

(小野慶太)

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Teams

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  • クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
  • コベルコ神戸スティーラーズ
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