2026.01.22[GR東葛]ポジションの境界線を越え会得した、多角的な戦術眼と“超ユーティリティー性”

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第4節
2026年1月24日(土)12:00 東平尾公園博多の森陸上競技場 (福岡県)
九州電力キューデンヴォルテクス vs NECグリーンロケッツ東葛

NECグリーンロケッツ東葛(D2)

9番から15番まですべてのポジションをこなすというNECグリーンロケッツ東葛の福山竜斗選手

ラグビーでは各ポジションに特異な役割があり、選手たちは日々の練磨を通じてそのスペシャリティーに磨きを掛けている。しかしNECグリーンロケッツ東葛には、その常識を覆す男がいる。福山竜斗だ。スクラムハーフからフルバックまで、バックスの全ポジションをこなす“超ユーティリティープレーヤー”である。

近畿大学時代、福山はセンターでプレーをしていた。だがU20日本代表でのスタンドオフへの挑戦から、彼は新たな一歩を踏み出すことになる。さらに2022年に入団した三菱重工相模原ダイナボアーズでは、福山のユーティリティー性を見抜いたヘッドコーチからフルバックのポジションを与えられ、自らのプレーの幅を広げていった。

「ポジションを増やせば増やすほど、ラグビーの勉強も、練習の時間も増える。でも、それを苦だと思ったことは一度もありません」

し烈な競争を勝ち抜くため、福山は3つのポジションを前向きにチャレンジしていった。それだけではない。スクラムハーフの準備ができているかと言われれば「やります」と即答し、試合中に誰かが負傷すればポジションをウイングへ移す。そしていつしか福山は、チームにとってあらゆるポジションをこなす不可欠な選手となっていった。

しかし複数のポジションを極めるのは容易ではない。なぜならポジションが変われば求められる条件も変わるからだ。センターの重厚なフィジカル、スクラムハーフのスキルと判断、ゲームコントロール、ウイングの速さ。フィジカルを保とうとすれば俊敏さが失われる。スピードに特化すればフィジカルコンタクトではじき飛ばされる。

「走れて、強くて、自分にとってベストな体とは何か。いまも試行錯誤の連続です」

難しさをそう話す福山だが、同時に複数ポジションへの挑戦は確実に福山の進化を促した。

「海外の試合やリーグワンの試合を見るときに、以前は10番や12番のプレーに目がいっていたんですけど、9番に入るようになって、『この選手はすごく細かいところで動いているな』とか、『こういうコースで走れば、パスをもらえるんだな』と、ラグビーを見ることがとても楽しくなりました」

多角的にラグビーを見る戦術眼が養われたことで「想像もできなかったほど成長できています」と福山は自信を覗かせた。

今週末、福山は今季初先発でグラウンドに立つ。だが、背中の『15』は彼にとっては単なる番号に過ぎない。フルバックとしての出場も、試合が始まれば、状況に応じてセンター、スタンドオフ、スクラムハーフへと自在に姿を変える。混沌とする試合の中で、誰よりも早く状況を察知し、そこでの最適なプレーを選択するのだ。そのプレーこそが、福山のスペシャリティーでもある。ポジションという境界線を越えて走り抜く。福山の“超ユーティリティー性”が、連敗中のチームを救う。

(鈴木潤)

2026.01.22[九州KV]原動力は“仲間”。絆とともに進む新天地でのラグビー人生

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第4節
2026年1月24日(土)12:00 東平尾公園博多の森陸上競技場 (福岡県)
九州電力キューデンヴォルテクス vs NECグリーンロケッツ東葛

九州電力キューデンヴォルテクス(D2)

「仲間」の存在がラグビーへの原動力。九州電力キューデンヴォルテクスの田中真一選手

ラグビーはチームスポーツであり、仲間の存在なくして成り立たない。今季、新たにチームに加わった田中真一は「仲間」の存在がラグビーへの原動力だと話す。

「僕は各チームで一緒にプレーする仲間に恵まれました。キツい練習もあるんですが仲間たちと一緒に頑張れた。それが一番の原動力だと思います」

そんな田中だが、年明けには仲間の存在をかみしめる出来事が続いた。1月10日にはミクニワールドスタジアム北九州で行われたトヨタヴェルブリッツ対リコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)の試合を観戦。昨季まで所属したBR東京の勝利を見届けると試合後は場内一周するチームメートたちが田中の姿を発見。大きな喜びの輪ができる様子がBR東京の公式SNSに投稿された。

その翌日には母校である明治大学が大学選手権で7年ぶりに優勝。自身が学生だった当時を懐かしみ、1学年先輩でチームメートでもある齊藤剛希と思い出話をしたという。

「紫紺のジャージーを着ている選手たちを見ると、こっちも頑張ろうという気持ちになります。BR東京も勝って、母校も勝った。あの週はハッピーでした(笑)」

自身のアパレルブランドも持つ田中だが、そのブランドの名前は『BRAH▼』。英語の「brother」のスラングである「bro」のハワイ語であり、兄弟を指す。

「ラグビーは仲間同士の意識が強いと思っています。高校、大学も含めて仲間を大事にする良い人たちばかりなのでこの名前にしました」

ここにも仲間を大切にする田中の思いが込められている。新天地となった九州電力キューデンヴォルテクスについても思いは変わらない。

「年齢関係なく上から下まで仲良くしていて、すぐに仲良くなれました。BR東京では、けがでなかなかチームに貢献できなかったので、けがをせずに常にグラウンドに立ってこのチームに貢献したい」

ディビジョン1でのかつての仲間たちとの再会を夢見て。田中はいま、新たな仲間たちとともに楕円球を追っている。

(杉山文宣)

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