2026.02.06[江東BS]継続、コミュニケーション、家族、責任。グラウンドに“立ち続けられる理由”

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第5節
2026年2月7日(土)14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
清水建設江東ブルーシャークス vs 花園近鉄ライナーズ

清水建設江東ブルーシャークス(D2)

今シーズン全試合にフル出場、清水建設江東ブルーシャークスの尾﨑達洋選手

開幕4連勝と好調を維持する清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)において、ここまで唯一、全試合フル出場を続ける男がいる。尾﨑達洋だ。昨季も入替戦を含めて13試合に出場。185cmの恵まれた体躯を生かし、バックスの要として常にチームの最後尾に立ってきた。

平日はフルタイムで勤務し、夜に練習、週末は試合。社業とラグビーを高いレベルで両立するチームにあって、尾﨑の稼働率は群を抜く。それでも本人からはどこか飄々とした“余裕”が漂う。その笑顔は、どこから来るのだろうか。

象徴的なのがウエイトトレーニングだ。オフシーズンもクラブハウスに通い、黙々と体作りに向き合ってきた。「ウエイトは弱いんで、やらなきゃいけないんです」と笑いながらも、シーズン中であっても“ゼロにしない”ことを自分に課している。

「疲労でボリュームは下がります。でも、何もしなくなると力が落ちる感覚がある。筋力が落ちないように、というのはずっと意識しています」

尾﨑の価値は、プレー面だけにとどまらない。トップイーストリーグ在籍時代からチームを支えてきた一人として、外国籍選手とも率直に意見を交わしてきた。「昔は、個人の判断を優先する選手がいることもありました。(自分の意見を)ちゃんと言わないと、チームとして機能しなくなる」。主張の強い外国籍選手に対しても遠慮せず自分の考えを伝え、その上で同じ方向を向く。最後尾から全体を見渡し、ズレを修正する姿勢は、彼が今節務めるフルバックというポジションとも重なる。現在の日本人選手と外国籍選手が互いをリスペクトし合う江東BSの空気は、こうした積み重ねの上にある。

もっとも、フル出場を続ける道のりは平坦ではない。「もうボロボロですよ」と笑って語るように、痛みや不調を抱えながら試合に臨むことも少なくない。それでも立ち続けられる理由を尋ねると、尾﨑は感謝の言葉を口にした。

高校時代に出会った妻は、当時からラグビーを続ける尾﨑を支え続けてきた存在だ。まだ幼い二人の娘を抱えながら家を守ってくれている妻に対し、「やらせてもらっている」という気持ちを忘れない。娘たちが大人になっても、ラグビーをする姿を覚えていてくれたら──そんな会話を交わすこともあるという。

今季で8年目。選手として、そして会社員として担う責任は年々増している。それでも、余裕に見えるのは余裕があるからではない。準備を怠らず、言うべきことを言い、そして支えてくれる人がいるからこそ生まれる表情だ。

最後尾でチームを守り、声とプレーで流れを整える。尾﨑達洋が“立ち続けられる理由”は、今日も変わらない積み重ねの中にある。

(奥田明日美)

2026.02.06[花園L]更新し続けるキャリアハイ。充実の日々を過ごす「裏切らない選手」

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第5節
2026年2月7日(土)14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
清水建設江東ブルーシャークス vs 花園近鉄ライナーズ

花園近鉄ライナーズ(D2)

全勝同士の対決となる今節も勝利に貢献するか、花園近鉄ライナーズの林隆広選手

リーグワン参戦後、チーム初となる開幕4連勝を飾っている花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)。そんな好調のチームと歩調を合わせるように、第4節にして自身のキャリアハイを更新した男がいる。4試合すべてに先発し、花園Lでは7トライを決めている木村朋也に次ぐ、3トライをゲットしている林隆広である。

2022年に東海大学から花園Lに入団。過去4シーズン、林は1シーズンの出場試合数で3試合が最多。昨季はディビジョン2の2試合に出場したのみで、2025年1月11日のレッドハリケーンズ大阪戦の出場が最後だった。

「キャリアハイと言われればそうですね」と照れ臭げに笑った林だが、過去2シーズンは対戦相手ではなく、けがとの戦いを余儀なくされてきた。

「今季はけがしないように、その前の段階から準備しています」と語る言葉は紛れもない本音ではあるが、スピードスターの木村とは異なるプレースタイルのウイングとして存在感を見せている。

とりわけ秀逸なのは今季、本領を発揮しているアキラ・イオアネとの好連係である。

オールブラックス(ニュージーランド代表)でも見せていた圧巻のキャリーと突破を見せているイオアネを巧みにフォロー。「アキラが隣にいるのでいいコミュニケーションを取ることで、僕にいいパスもくれます」と好調の要因を振り返る。

守備でも泥臭く体を張りながら、トライゲッターとしても機能する林だが、太田春樹監督の褒め言葉はこうである。

「プレーの浮き沈みがないので、すべてにおいて平均点を出せる安定感。彼は裏切らない選手ですから」

指揮官にとって、信頼のおける貴重な選手の一人が林だ。今節の清水建設江東ブルーシャークス戦以降も、ピッチに立つたびに林はキャリアハイを更新し続けることになる。

ただ、その口ぶりにうわついたところは一切、ない。林はキッパリ言う。「僕の持ち味はスピードではなくて、走り続けるところとディフェンスも愚直にやるところです」。

2月3日の練習後、この日が誕生日だった林と田中健太にチームメートは「Happy Birthday to You」を歌って祝福した。26歳を迎えたばかりの「裏切らない選手」は花園Lで充実の日々を過ごしている。

(下薗昌記)

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