2026.02.06[釜石SW]このジャージーへの誓い。背中を押してくれる街と家族のために

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第5節
2026年2月8日(日)12:00 柏の葉公園総合競技場 (千葉県)
NECグリーンロケッツ東葛 vs 日本製鉄釜石シーウェイブス

日本製鉄釜石シーウェイブス(D2)

今節でクラブ50キャップ。日本製鉄釜石シーウェイブスの河野良太キャプテン

傷だらけの顔が、すべてを物語っていた。

前節、豊田自動織機シャトルズ愛知を相手にラストプレーで勝利を決めた一戦は、日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)にとって大きな価値を持つ試合だった。その中心にいたのが、河野良太である。

「こういう接戦を勝ち切れた試合は、これまでほとんどなかったと思います」

内容に課題は残しながらも、勝利をもぎ取った。昨季繰り返した“惜しい試合”。その扉を打ち破り、チームは確かな自信を手にした。

河野は今季、キャプテンを務めている。開幕戦は極度の緊張と重圧を自覚する中で迎え、思うようなプレーができなかった。言うなれば“キャプテンの呪縛”。低く、突き刺さるようなタックルを代名詞とする彼がハイタックルによって一時退出になるなど、明らかに普段とは違っていた。しかし、続くホスト開幕戦ではマインドセットを整え、役割に集中すると今季初勝利に貢献。前節の勝利もあり、チームのムードは高まっている。

今節はクラブ50キャップという節目に到達する。「50はただの数字。でも、ここまで来た過程には、いろいろな思いがあります」。そう語る彼を突き動かしてきた原動力は、強烈な負けず嫌いだ。

「何の自信か分からないですけど、『自分ならできるだろう』と思ってきました。ゲームも、ほかのスポーツも、熱くなっちゃうんですよね」

身長は169cm。体格に恵まれているとは言えない。それでもフォワードとして戦い続けてきた背景には、勝負ごとになると熱くならずにはいられない性分がある。

そして、その負けず嫌いを支えているのが家族の存在だ。2歳になる息子は、試合の日には「パパ、がんばって!」と声を掛けてくれる。妻は、試合に出られず、不機嫌なまま帰宅し、愚痴をこぼしてしまうときでも、黙って受け止め、言葉を返してくれる。妻自身も国士舘大学でハンドボールに打ち込むなど、スポーツと真剣に向き合ってきたからこそ、悔しさが分かる。「僕よりもチームのことを気にしているんじゃないですかね」。そう笑う表情に、信頼がにじむ。

「ラグビーをやれる間は、釜石のために体を張り続けたい。その思いは変わりません」

その言葉は、覚悟というより宣誓に近い。選手として、そして、父であり夫である一人の人間として。勝敗の先にある未来のために、河野は今日も釜石SWのジャージーをまとい、重圧を飼いならして前に出る。

背中を押すのは、この街と、かけがえのない家族だ。

(髙橋拓磨)

2026.02.06[GR東葛]つかみ取った待望の初先発。ここから始まる“本当の意味での挑戦”

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第5節
2026年2月8日(日)12:00 柏の葉公園総合競技場 (千葉県)
NECグリーンロケッツ東葛 vs 日本製鉄釜石シーウェイブス

NECグリーンロケッツ東葛(D2)

NECグリーンロケッツ東葛の亀山昇太郎選手。「先発なので、スタートからアグレッシブに行くつもりです」

昨季のアーリーエントリーでの出場から数えて、これまで積み上げたリーグワンのキャップ数は「8」。そのすべてが途中出場だった亀山昇太郎が、今節ついに待望の初先発の座をつかみ取った。

「フロントローたるもの、背番号が一ケタじゃないと気持ちが悪いので(笑)」

冗談交じりに語るその言葉には、先発出場に対する並々ならぬ決意が込められている。これまでのように途中出場でチームに勢いをもたらす役割も重要だが、試合開始のグラウンドに立つことは、やはり選手にとっては特別な意味を持つ。

「先発なので、スタートからアグレッシブに行くつもりです。フロントローは目立たないかもしれないけど、声を出し続け、アグレッシブに戦う選手は相手にとって脅威になると思います。そういう選手を目指したい」

鮮やかなトライを決めるというよりは、亀山曰く「縁の下の力持ちとして、しっかりしたプレーを見せたい」。最前線で体を張り続け、そのぶつかり合いで見せる“気迫”を、「ぜひ見てほしい」と言う。亀山のラグビー人生において、彼が強みと称するスクラムはアイデンティティーそのものと言っていいだろう。

「そこは誰にも譲ってはダメだと思っていますし、自分の強みを発揮して『これが亀山だ』というプレーを見せたいと思います」

そのスクラムでは、大学時代とは比較にならない「後ろからの重み」を体感している。パリパリ・パーキンソンやローリー・アーノルドといった強靭なロック陣が背中を押す環境は、強力な武器であると同時に、フロントローを担う亀山にも高い要求も突き付けられる。

「日本語が通じるわけではないので、言語の壁があっても、恥ずかしがらずに言うときは言う。伝わらなくても自分の思いを伝えようとすることはすごく意識しています」

通訳の助けを借りながらも、後方からパワーをもたらすパーキンソンやアーノルドにも自らの意思を伝える。その地道なコミュニケーションの積み重ねが、NECグリーンロケッツ東葛のスクラムを、さらに一段上のレベルへと押し上げる。

初先発という高揚感の中でも、亀山は冷静に自分自身を見つめている。現在、彼が感じている課題はプレーの波だ。

「僕は良いときと悪いときの差が激しい。その波をなくし、クオリティーを高くして自分のスタンダードを上げたい。そのためにも工夫と復習をして、ラグビーの勉強を重ねていくつもりです」

スクラムへの圧倒的な自負を胸に、弱点を克服しようとする真摯な姿勢。昨季のアーリーエントリーでリーグワンのレベルを知った、その経験も間違いなく生きている。

誰にも負けない気迫、強みであるスクラム、そしてフロントローとしての誇り。亀山の本当の意味での挑戦は、今節の日本製鉄釜石シーウェイブス戦から始まる。

(鈴木潤)

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