2026.02.27[九州KV]きっかけは「一番怖い先輩の『入れ』」。原動力は仲間との時間

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第7節
2026年2月28日(土)14:30 パロマ瑞穂ラグビー場 (愛知県)
豊田自動織機シャトルズ愛知 vs 九州電力キューデンヴォルテクス

九州電力キューデンヴォルテクス(D2)

九州電力キューデンヴォルテクスの上里貴一(うえざときいち)選手。「みんなと打ち込めて、みんなと一緒にやれるのが楽しい」

ラグビーを始めたのは高校1年生のとき。ただ、ラグビーとの出会いはその少し前だった。

「中学校の最後の大会が終わって引退したあとに運動部を引退した人たちでラグビーをやろうという集まりがあったんです」

サッカー部だった上里貴一はそこで初めてラグビーに触れた。しかし、それがいまも続くラグビー人生の出発点ではない。

「サッカーをやりたかったし、サッカーしか考えていなかった」

高校に進学した上里の頭の中にはラグビー部という選択はまったくなかった。しかし、思わぬ形でラグビー部へと入部することになる。

「仲のいい、中学のときの先輩がラグビー部に入っていたんですが、そのラグビー部の一番怖い先輩に『お前、入れ』みたいな圧を掛けられて入ったのが始めたきっかけです(笑)」

普通であれば、そう簡単にサッカーへの未練を立ち切れないだろうが沖縄県人らしい「なんくるないさ」の精神なのか、上里に抵抗感はなかったという。

「みんなでやるのが楽しいと思うタイプでした。サッカーも人数が多くてみんなでできるっていう感じだったのでラグビーも楽しみながら始めることができました」

その後、仲のいい先輩と同じ大学に進み、ラグビーを続けるが卒業後は「草サッカーでもやろうかな」と引退を考えていた。しかし、九州電力キューデンヴォルテクスに声を掛けられていまもラグビーを続けている。ちなみに「さすがに離れて自立しようと思って(笑)」と、このタイミングで仲のいい先輩とは違う道を歩んでいる。

サッカーではボランチを務めていたが、「いまやっているポジションと似ている」と話すようにラグビーでもゲームをコントロールする10番を主に務めている。サッカーで培ったものはラグビーでも生きているという。

「サッカーでもラグビーでも大事なのは状況を見ること。サッカーでもボールが外に出たらスローインから再開になりますけど、そのときにしっかり周りを見ることを中学校のときは意識していました。最近も練習のときに『周りを見て』とコーチがよく言っているのでその大事さを感じています」

「みんなと打ち込めて、みんなと一緒にやれるのが楽しい。やってきたことを試合で出せて、試合に勝ってみんなで喜べるのは一番気持ちの良い瞬間」。ボールの形は変わっても上里は仲間との時間を原動力にボールを追い掛けている。

(杉山文宣)

2026.02.27[S愛知]「豪さんみたいになれるように」。チームのため、決意新たに汗を流す

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第7節
2026年2月28日(土)14:30 パロマ瑞穂ラグビー場 (愛知県)
豊田自動織機シャトルズ愛知 vs 九州電力キューデンヴォルテクス

豊田自動織機シャトルズ愛知(D2)

第4節、1月17日の試合でトライを挙げた豊田自動織機シャトルズ愛知の小笠原寛人選手。右はケレビ ジョシュア選手

2戦連続で勝ち点5を獲得し、波に乗って前半戦最後の戦いに臨む豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)。小笠原寛人は、2試合連続で先発メンバーに名を連ねた。背番号は11。第4節まで、共同キャプテンの中野豪が背負っていた番号である。

今季からその任に就いた中野だったが、第4節の試合中に首のけがを負った。グラウンド内外で多大な貢献をしてきたウイングの離脱に、ショックは計り知れないものだった。

小笠原は言う。「あのような形で離脱してしまって本人もやるせない気持ちだと思います。『豪さんみたいになれるように』とやってきましたし、僕は代わりに出ているようなものなので、豪さんのぶんまで働けるように頑張りたいです」。

本人はそう謙遜するが、前節はハイボールの争奪戦やディフェンスの面でしっかりと役割を果たした。練習でも中野にアドバイスを求め、「ちょっとでも近づこう」と努力を重ねている。

「僕は一点に集中しすぎるクセがあるので、もっと全体を見られるようにならないといけません。豪さんはディフェンスのラインスピードやアタックの立ち位置はこのチームで一番なので、いろいろ教えてもらっています」

本能だけでなく、頭を使ってラグビーをする意識がより高まってきた。「4年目になるので、そろそろしっかりせなアカンなと(笑)。チームのためにということもありますけど、自分のためにも意識しないといけないと思います」。

ウイングというポジションは、スピードあるランや華麗なステップなどに注目が集まりがちだが、味方のために汗を流せる資質も問われる。フルバックを含めたS愛知のバックスリーにはチャンス・ペニやケレビ ジョシュアなど、派手なプレーでスタジアムを沸かせることができる選手がいるが、小笠原や中野のように目立たなくてもチームを支えることのできる選手もそろっている。

「自分の仕事ができたら、味方がしっかりつないでくれる意識でいます。『俺もいるぞ』ということを今節は見せたいですね(笑)」

時にスポーツ選手は、誰かを思う力が大きな原動力になることがある。決意を新たにした若武者が、パロマ瑞穂ラグビー場で躍動する。

(齋藤弦)

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