NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第8節
2026年3月14日(土)14:30 東平尾公園博多の森陸上競技場 (福岡県)
九州電力キューデンヴォルテクス vs 花園近鉄ライナーズ
花園近鉄ライナーズ(D2)
フッカーとして花園近鉄ライナーズのスクラムをリードする金子惠一選手日頃は社員選手として経理を担当し、数字と格闘するラガーマンは、自身に関する数には無頓着だった。
九州電力キューデンヴォルテクス戦でリーグワン通算50キャップ目の節目を先発で飾ることになる花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)の金子惠一のことである。
「自分でも(次が)50キャップって知らなくて、メンバー発表のときに『俺、50キャップなんや』って思ったぐらいです」
3月9日のチーム内メンバー発表の場で自身の節目を知ったと明かす金子だが、積み上げてきた数字には感慨もある。
東福岡高等学校から中央大学に進学。高校日本代表やU-20日本代表も経験してきたが花園Lに入団した当時、待っていたのは先輩たちからの強烈な“洗礼”だった。
「ネコ(金子の愛称)とスクラムやったら組みにくいわ」
かつて『スクラムの近鉄』と呼ばれ、伝統的にスクラムへのこだわりを持つ花園Lだけに、金子への要求も高かった。
「3、4年目ぐらいからようやく試合に出してもらえるようになって、ここまで長かったです」と金子は言うが、支えにしてきたのが、2022-23シーズン限りで現役を引退した樫本敦さんの言葉である。
同じフッカーだった樫本さんからのアドバイスは決して多くなかった。それでも、「フッカーはテクニックよりもまっすぐに」という助言を金子も突き詰めてきたという。
プレーだけでなく、メンタル面でも影響を受けたという樫本さんがチームを去る際、「あとは任せたぞ」と声を掛けられた。順調に試合出場機会を重ねてきたが、今季は第2節から第4節まではメンバー外に。若手の福井翔も台頭し、ポジション争いは熾烈だが「リザーブから投入してセットピースで結果を出したことで、いまはスタメンという状況です」と太田春樹監督。金子の巻き返しを認めている。
大きな節目となる50キャップについて「うれしいです」と笑顔を見せる金子だが、それ以上にいまのモチベーションになっているのは「ネコはスクラムがいい」という周囲からの高評価だ。
“50”という数字は一見すると無機質だが、金子惠一が花園Lでかみ締めてきた悔しさや喜びが凝縮している。
(下薗昌記)



























