2026.03.13[RH大阪]「イヤがりそうなことを率先してやる」。努力と感謝の先にあった大ベテランの50キャップ目

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第8節
2026年3月15日(日)13:00 釜石鵜住居復興スタジアム (岩手県)
日本製鉄釜石シーウェイブス vs レッドハリケーンズ大阪

レッドハリケーンズ大阪(D2)

レッドハリケーンズ大阪の佐藤大朗選手。「努力の方向性を間違わないこと」という先達からの教えを大事にここまできた

レッドハリケーンズ大阪(以下、RH大阪)の社員選手で最年長の佐藤大朗が、今節の先発出場をもってジャパンラグビー トップリーグ・リーグワン通算50キャップを達成する。都立国立高等学校でラグビーを始め、慶應義塾大学を卒業後にNTTドコモレッドハリケーンズ(当時)に加入した、4月で36歳になる大ベテランだ。節目を前に、「周りの人たちへの感謝」をかみ締めている。

RH大阪はトップチャレンジリーグだった時代もあるため、ベテラン選手であるほどキャップ数にカウントされない試合は多いが、佐藤大朗には大きなけがも多かった。自身のプレー集動画を送って加入した2013年からの長いキャリアを振り返ってみれば、けがなく過ごせたシーズンはわずか「3シーズンほどしかない」。

けがが多くとも長く続けているが、「現役生活をできる限り長く続けたいと考えてきたわけではない」。自身が基準としてきたのは、「100%でやれて、成長できるのであれば」ということだ。そして、その100%の力で取り組みながら成長を重ねる上で大事にしてきたことは、「努力の方向性を間違わないこと」。RH大阪の歴代キャップ数ランキングの中で、147キャップでトップに立ち続けているレジェンド・久富雄一から教わったのだという。時間も労力も、無限に費やせるわけではない。適切な努力ができてこそ、意味を成す。

けがが多ければ、病院に通う機会も多くなる。けがの部位に応じて経験値の高いドクターを自ら探し、治療にもベストを尽くしてきた。また、「選手である以上はプレーできる状態でなければ意味がないと思います。プレーできない時間も長かったので、周りの人たちにすごく助けてもらってきました」という思いも強い。そのぶん、プレーできない間は若手選手の指導などでチームに還元する。昨季もシーズン終盤に負傷したが、そのときはクラブハウス内のコーチルームに用意されたデスクに座り、コーチングスタッフの中に入って経験や知識を生かしてチームのために尽力した。そのときにできること・求められることは、常に物事の本質を捉えた聡明な判断に基づいて100%の力で努力を重ね続けている。

今季も開幕戦で負傷し、2カ月離脱した。コンディションはまだ最高とは言えず、井野川基知ハイパフォーマンスコーチの下でさらに状態を高めている最中だ。厳しいトレーニングでも、自身のもつ矜持はブレさせない。適切な努力を重ねながら、節目の試合に向かっている。

万全の状態とは言えずとも、自身が強みとしてきた「人がイヤがりそうなことを率先してやる」という姿勢とタックルやブレイクダウンでの仕事ぶりは、やはり頼りになる。節目の今節もまた、長年重ねてきた努力と成長で養ってきた強みをグラウンド上で体現する。

(前田カオリ)

2026.03.13[釜石SW]「新しい歴史を作りたい」。中心的選手が見据えるチームの未来と変わりつつある現在

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第8節
2026年3月15日(日)13:00 釜石鵜住居復興スタジアム (岩手県)
日本製鉄釜石シーウェイブス vs レッドハリケーンズ大阪

日本製鉄釜石シーウェイブス(D2)

日本製鉄釜石シーウェイブスが好調だ。ヘルダス・ファンデルヴォルト選手も手ごたえを感じているという

日本製鉄釜石シーウェイブスは今季ここまで3勝3敗。数字だけを見れば五分の戦績だが、チームには確かな変化が生まれ始めている。中心的選手でもあるヘルダス・ファンデルヴォルトは、その手ごたえを語った。

「勝つことの影響は本当に大きい。勝ちグセもあれば、負けグセもある。いまはチームの中に、勝つ空気が生まれてきていると思います」

その空気を象徴する勝利となったのが、前節の『東日本大震災復興祈念試合』だった。特別な意味をもつ一戦には多くの観客が詰めかけ、スタジアムは独特の熱気に包まれていた。試合後、彼の胸に込み上げたのは言葉では言い尽くせない感情だったという。

「言葉にできる感情ではない。圧倒的、そうとしか言えません。あれだけ多くの人が来てくれて、その前で特別な試合ができた。そして、勝てた。本当に特別な瞬間でした」

今季それまで無敗の花園近鉄ライナーズを相手につかんだ価値ある勝利だが、今季のチームを押し上げている要因の一つが、若手の台頭だ。ベテランと若手が自然に混ざり合う現在のチームを、ファンデルヴォルトは「健全な状態」と表現する。

「若い選手たちはチャンスをもらってステップアップしている。強いチームとの試合に出ること自体が、結果以上に大きな学びになるんです」

シーズンは今節、6連戦の2戦目に臨む。疲労も蓄積していく時期だが、彼はそれを前向きな挑戦として受け止めている。

「コンフォートゾーン(安心感があり、居心地の良い心理領域)を出ることは大事。こういう経験がチームを強くしていくと思っています」

その落ち着いた姿勢の背景には、彼の原点がある。南アフリカの実家は農場で、牛を育てる環境で育った。だからこそ、いま暮らしている釜石の環境は自分に合っているという。

前節に続き、ホストゲーム2連戦となる今節。クラブ通算50キャップの達成も懸かる試合となるが、ファンデルヴォルトが語ったのは、個人ではなくチームの未来だった。

「自分のことより、チームとして勝ちたい。このチームで新しい歴史を作りたい」

その言葉には、迷いがなかった。

すでにチームは、リーグワンでのクラブ最多タイとなるシーズン3勝目を手にしている。次に挑むのは、これまでまだ達成していない“連勝”だ。

勝利を重ねるたびに、チームの空気は確実に変わりつつある。その変化を証明する次の一戦が、すぐそこまで迫っている。

(髙橋拓磨)

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