2026.04.02[日野RD]社会人ラガーマンとしてのプライド。社業とラグビーの両立こそ日野RDスタイル

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第10節
2026年4月4日(土)14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
清水建設江東ブルーシャークス vs 日野レッドドルフィンズ

日野レッドドルフィンズ(D2)

3月28日、スティールを成功させた大内選手を労う日野レッドドルフィンズの徳田悠人選手(右から2人目)

プロップで先発する徳田悠人は「前節の豊田自動織機シャトルズ戦ではディフェンスやブレイクダウンの場面などで手ごたえがあり、良い部分や学べた部分も見えてきた。清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)戦ではその内容を80分間継続し、フォワードからチームに勢いを与えたい。同じ相手に2連敗するわけにはいきませんから」と言葉に力を込めた。「それこそ前回の江東BS戦で右肩を痛めてしまって。そこから時間は掛かりましたが、いまはベストな状態に戻ってスクラムでも押す力が戻ってきた。スクラムやモールは日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)としての強みであり、自分の強みでもあるので、しっかりと力を出し切ります」と活躍を誓った。

江東BSは“サラガーマン”というキャッチフレーズを掲げているように社業とラグビーとの両立を推しているが、日野RDもその点では負けてはいない。徳田も午前中にグラウンドで激しい練習を終えたあと、すぐに会社へ向かい午後からはしっかりと社業に精を出す社員選手だ。総務部の保安グループに所属し、社内の安全管理施策をまとめたり、現場の安全管理に従事する社員をシステム面からサポートしたりする業務に従事している。

「社会人としても、自分の仕事が多くの現場の方々の役に立っているという実感がありますし、そういう場を作っていただいている会社に感謝です。日野RDは社員選手も多いですが、その一人として、社業とラグビーをしっかり両立させていることを証明したいという思いで取り組んでいます。連戦のときなど体的にも大変な部分はありますが、良い結果を出すことでみんなの士気も上がっていくと思うので、継続してこのスタイルで頑張っていきたい」と徳田は笑顔を見せる。

日野RDと江東BSの試合は、徳田のように“ラグビーと仕事をどちらも高いレベルで両立させている”選手たちが積み上げた練習の成果を披露する舞台だ。相手へのリスペクトをもちながらも、社会人ラガーマンとしてのプライドをもって全力でぶつかり合う。このカードのような戦いが見られることも、リーグワンの大きな魅力であることは間違いない。

「江東BSさんはライバルとしてここ数年何度もぶつかり、いつも良い試合をしている相手ですし、どのチームメートも『絶対に負けたくない』と言っています。土曜の試合では、自分の強みでもあるスクラムで圧倒し、勝利に貢献したいです」

社会人として、そして仲間のために全力で戦うラガーマンとして。社業とラグビーを両立させるという目標を体現する選手として、徳田悠人はこれからも前へと進み続ける。

(関谷智紀)

2026.04.02[江東BS]二つの壁を乗り越えるために。“本当の勝負”の中で大事になる勇気

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第10節
2026年4月4日(土)14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
清水建設江東ブルーシャークス vs 日野レッドドルフィンズ

清水建設江東ブルーシャークス(D2)

清水建設江東ブルーシャークスの藤岡竜也選手。今節は13番で先発メンバーに

第9節・NECグリーンロケッツ東葛(以下、GR東葛)とのビジターゲームで訪れた柏の葉公園総合競技場。そこは、約1年前にアーリーエントリーで初出場を飾った場所だった。当時は23対50で歯が立たなかったGR東葛に今回は24対19で勝利。それでも、試合後にピッチを見渡す藤岡竜也の顔は晴れなかった。

「チームが年々強くなっていくのはうれしいのですが、それにともなって試合に出られなくなってきた自分がもどかしいですね。悔しいです」

率直で、飾らない言葉だった。昨季、アーリーエントリーで加入した藤岡は、そのまま入替戦を含めた多くの試合に絡み、存在感を示してきた。「今季も、その流れのまま中心メンバーへ―」。そんな思いがあったはずだ。しかし現実は、思い描いていたほど甘くはなかった。

いまは二つの壁がある。まずはマリティノ・ネマニとテレンス・へプテマという同じポジション(センター)のライバルの存在だ。ともに経験豊富で、フィジカルにも優れた実力者。ポジションを争う相手として、これ以上ない存在である。

なかでも忘れられないのが、昨季のデビュー戦で当時GR東葛に所属していたマリティノと対峙した瞬間のこと。「ティノが目の前にいて、僕と(髙井)優志さんのフィジカルを見て『イケるな』と思ったかのように、味方に合図を出してパスをもらって、思いっきり突っ込まれて(トライを)取られたんですよ」いまでは笑って話せるが、そのときに刻まれた“差”はあまりに鮮烈だったのだろう。

脅威だった相手は頼もしいチームメートになったが、成長の手本がすぐそばにいる一方で、その二人を越えなければ出場機会は広がらない。

「二人を目指して努力すれば成長できると分かっていますが、なかなか越えられないので葛藤しています」

もう一つの壁は、仕事とラグビーの両立だ。平日はフルタイムで働き、限られた時間の中で練習、休息、戦術理解を積み重ねる。その厳しさは、ほかの社員選手たちと同じく藤岡も直面している現実である。それでも、そこに言い訳を持ち込みたくない。

「会社員もやっているという言い訳はしたくない」

短い言葉だが、そこにはプライドがある。思うように出場できない悔しさも、仕事との両立の難しさも、すべて受け止めた上で、それでも前へ進もうとしている。

その壁を越えるために必要なものは何か。そう問うと、意外な答えが返ってきた。「“勇気”です。スキル云々じゃなくて、『目の前に来た相手に対してやってやるぞ』という気持ち。最近は出せるようになってきたんですけど、メンバーとして上にいくにはそれしかないです」

日野レッドドルフィンズ戦は、まさにその“勇気”をぶつける舞台になる。1月の前回対戦では、フィジカル面を出し切ることができなかった。

「相手を飛ばしたり、強いタックルをしたり、そういった部分を前回より高いレベルでできればと思っています。成長したいです」

アーリーエントリー、ルーキーと駆け抜けてきた藤岡は、4月から社会人2年目を迎える。営業部に本格配属され、責任が増していく。その変化もまた、新たな挑戦になるはずだ。

高校生までは「辞めたかった」、勧められるままに「何の意思もなく、ただ続けてきただけ」と振り返るラグビー。それでも、続けてきたからいまへとつながり、その中でもがき、悩み、成長してきた。だからこそ、ここで立ち止まるわけにはいかない。

いま、初めて自分の意思で強くなろうとしている。越えたい、越えなければならない壁がある。そのすべてを、自分の力にするために。藤岡竜也は、いま“本当の勝負”の中にいるのだ。

(奥田明日美)

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