2026.04.30[九州KV]憧れと出会いが切り開いたキャリア。導かれるように重ねた選択

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第13節
2026年5月2日(土)12:00 江東区夢の島競技場 (東京都)
清水建設江東ブルーシャークス vs 九州電力キューデンヴォルテクス

九州電力キューデンヴォルテクス(D2)

九州電力キューデンヴォルテクスの髙屋直生選手。「憧れから現実に変わったみたいな感覚でうれしいというかすごいなと日々、感じています」

画面越しに見たその姿は少年の心にあまりにも鮮烈に刻まれた。

ラグビーワールドカップ2003オーストラリア大会の決勝戦。イングランド代表のジョニー・ウィルキンソンのドロップゴールを見た髙屋直生は「ラグビーってかっこいい」と魅了された。そこからいまも続く髙屋のラグビー人生が始まったが、さまざまな“人”に「導いてもらったような」歩みを重ねてきた。

中学校3年生のとき、当初は修猷館高等学校への進学を志していた髙屋だったが、のちに全国高校大会で花園のグラウンドに立つことになる福岡高等学校の試合を見る機会があった。

「タックルの激しさとバックスの展開力はこっち(福岡高校)のほうが自分には合っているんじゃないか」

髙屋はそんな思いから福岡高校への進学を果たすことになった。福岡高校では早々にのちの進路を決断する出会いがあった。

当時、筑波大学の学生だった中靏憲章や松下彰吾、松下真七郎といった卒業生たちが母校の練習に訪れていた。のちに九州電力キューデンヴォルテクス(以下、九州KV)でチームメートとなるが(松下真七郎は昨季限りで現役引退)、髙屋はここで筑波大学の存在を知る。

「この人たちがいる場所でラグビーをしてみたい」

この時点で進路を決めた髙屋は3年後、筑波大学への進学を果たすことになる。

「そこまで活躍していたわけではなかったので、(ラグビーを)辞める選択肢もありました」という大学での4年間だったが、大学生活の終盤、試合に出る機会を得ると「もうちょっとラグビーをやりたい」という思いが強くなった。そして、「中靏さんや真七郎さん、彰吾さんがいらっしゃるところでプレーできればいいな」という思いをかなえ、九州KVに加入。福岡高校、筑波大学の先輩たちとついにチームメートとなった(松下真七郎とは大学でもチームメート)。

髙屋にとって九州KVもまた、特別な存在だ。

「ラグビー好きの父の影響もあって、ラグビーを始める前から試合を見たことがありますし、選手にサインをもらったこともあります。ラグビーを始めてからもここ(練習場)に来て、クリニックで指導をしてもらったこともあります」

九州KVの選手として過ごす日々、そのすべての瞬間がまばゆい思い出になっている。

「そんなチームでいま、自分がプレーできていることが感慨深い。高校、大学とここ(九州KV)に進むきっかけを与えてくれた先輩たちといまでも一緒にラグビーができている。憧れから現実に変わったみたいな感覚でうれしいというかすごいなと日々、感じています」

憧れによって導かれてきたラグビー人生、その思いはいまもなお、髙屋の日々を輝かせている。

(杉山文宣)

2026.04.30[江東BS]目立たなくていい、届けばいい。鉄人が示す120%の献身

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第13節
2026年5月2日(土)12:00 江東区夢の島競技場 (東京都)
清水建設江東ブルーシャークス vs 九州電力キューデンヴォルテクス

清水建設江東ブルーシャークス(D2)

連続出場を継続中、清水建設江東ブルーシャークスの李優河選手

前節で首位・花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)との対戦を制し、D1/D2入替戦進出への望みをつないだ清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)。残り2試合、自力での進出こそかなわないが、『勝って天命を待つ』という綱渡りの状況でもチームの士気は衰えていない。むしろ、上位のチームをなぎ倒した自信が、いまの彼らを突き動かしている。

昨シーズンから今季に掛けて、すべての試合でスターティングメンバーとして名を連ねる二人の“鉄人”がいる。背番号1の野村三四郎、そして背番号3の李優河。ハードな接触が繰り返されるフロントローにおいて、これは驚異的だ。今季からバイスキャプテンを務め、象徴的な『屋台骨』として発信する野村に対し、李は多くを語らない。だが、寡黙な職人が秘める内なる情熱は、誰よりも熱くグラウンドに投影されている。

「D1/D2入替戦進出を目標にしている以上、昨季(7位)以上のことをやらなければならない」。その決意は、具体的な肉体改造として表れた。昨季110㎏前後だった体重を、115㎏まで増量。フロントローとしての厚みを増しながらも、江東BSのアナリストのデータによれば、彼の持ち味であるワークレート(仕事量)は一切落ちていないという。スクラムで支えながら、次のプレーへと動き続ける献身性は、今季のチームが掲げるフィジカルの強化を体現している。

その李が、今季「より一層、身が入る」と語る理由がもう一つある。キャプテン安達航洋の存在だ。二人は社業においても同じ部署に所属する営業マンである。社会に欠かせないインフラ系の基礎を支える営業部署で、李は誰よりも近くで安達の苦労を見てきた。「あいつが大変なのを知っているから、自分はプレーで頑張るしかない」。後輩キャプテンが背負う重圧を、同じ職場の先輩として、そしてスクラムを支えるプロップとして分かち合う。言葉ではなく、体を張ってその背中を支えること。それが李の選んだ貢献のスタイルだ。

僅差の試合が多く、チーム全体が思うように力を出し切れない状況を経験する中で、李は一つの考えに至った。

「自分では100%やっているつもりでも、傍から見れば80%にしか見えないこともある。だから120%やる。そうして初めて、周りに100%の熱量が伝わる」。ストイックに自分を追い込むその姿勢は、自分が目立つことには興味がない性格、そして「ラグビーはエゴイストがやるスポーツではない」という信念に根ざしている。ただ、チームが勝ったときの喜び、特に花園Lのような上位チームを相手に下馬評をひっくり返した瞬間の高揚感が、彼を突き動かす。

次戦もまた、負けられない戦いが待っている。派手なトライシーンの影で、誰よりも早く起き上がり、誰よりも低く当たり、キャプテンを、そしてチームを支え続ける背番号3。李優河が示す「120%の献身」が、江東BSをさらなる高みへと押し上げるはずだ。自分を消してチームを生かす鉄人の、真骨頂がここにある。

(奥田明日美)

試合詳細

見どころ・試合レポート一覧

ページトップに戻る

Teams

DIVISION 1

  • 浦安D-Rocks
  • クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
  • コベルコ神戸スティーラーズ
  • 埼玉ワイルドナイツ
  • 静岡ブルーレヴズ
  • 東京サンゴリアス
  • 東芝ブレイブルーパス東京
  • トヨタヴェルブリッツ
  • 三重ホンダヒート
  • 三菱重工相模原ダイナボアーズ
  • 横浜キヤノンイーグルス
  • リコーブラックラムズ東京

DIVISION 2

  • グリーンロケッツ東葛
  • 九州電力キューデンヴォルテクス
  • 清水建設江東ブルーシャークス
  • 豊田自動織機シャトルズ愛知
  • 日本製鉄釜石シーウェイブス
  • 花園近鉄ライナーズ
  • 日野レッドドルフィンズ
  • レッドハリケーンズ大阪

DIVISION 3

  • クリタウォーターガッシュ昭島
  • 狭山セコムラガッツ
  • 中国電力レッドレグリオンズ
  • スカイアクティブズ広島
  • ヤクルトレビンズ戸田
  • ルリーロ福岡
ページトップに戻る