2026.05.08[花園L]世界基準に磨かれた31歳。進化と真価を証明する古巣との最終節

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第14節
2026年5月10日(日)12:00 東大阪市花園ラグビー場 (大阪府)
花園近鉄ライナーズ vs 豊田自動織機シャトルズ愛知

花園近鉄ライナーズ(D2)

オーストラリア代表の9番・10番で長くコンビを組んだふたりのレジェンドのもと「自分でもレベルアップした」と語る花園近鉄ライナーズの藤原恵太選手

前節、ディビジョン2の首位から陥落した花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)が豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)を東大阪市花園ラグビー場で迎え撃つ。勝ち点5を手にすれば、優勝とD1/D2入替戦への切符をつかみ取れる一方で、敗れた場合、3位につける清水建設江東ブルーシャークスの結果次第ではD1/D2入替戦進出への望みが絶たれるという崖っぷちの状況だ。

スクラムハーフとしてチームをコントロールする藤原恵太は「最終節で優勝が決まる戦いになることはもともと想像していました」と古巣との“頂上対決”を当初から想定していたと話す。

天国と地獄の間に立つ格好の花園Lだが、藤原の口ぶりには過度な入れ込みも、緊張感もなかった。

自然体を支えるのはプレーヤーとして成長する充実感である。31歳を迎えた昨年、S愛知を離れ、花園Lへと加入した。クウェイド・クーパー アタックコーチとウィル・ゲニア スキルコーチから多大なる影響を受け、藤原は充実の日々を過ごしてきた。

4月9日の練習後、車のタイヤの中にボールを置き、ラックを想定したボール扱いをテーマに、ゲニア スキルコーチは藤原をマンツーマン指導。その傍らに立つクーパー アタックコーチからも助言を受ける藤原は豪華過ぎる居残り練習に汗を流していた。

クウェイド・クーパー アタックコーチ(左)とウィル・ゲニア スキルコーチ(右)からラックの状況を想定したコーチングを受ける藤原選手

「二人のラグビーIQはすごいです。同じポジションだったウィリー(ゲニア スキルコーチ)に関しても今まで僕は9番が専門の人に教えてもらうことがなかったんですが、理論的に説明してもらえます」と藤原は目を輝かせる。

藤原が得た収穫。それは細かな技術論に加え、かつての対戦経験から「才能が豊富で天才的な人」と認識していたゲニア スキルコーチのプレースタイルが、その実は日々の練習が作り上げたものだと理解できたことだ。

開幕から各ポジションで選手が競い合ってきた花園Lの中で、「正直、彼のところは固定してきました。マニー・リボックと一緒にゲームを作ってくれています」と太田春樹監督も不動のスクラムハーフであることを認める。世界的スターでもあるリボックも「経験もあって速いし、ワールドクラスに匹敵する9番だと思います」と藤原に絶対の信頼を寄せている。

世界的ハーフ団だった両コーチから多くを学び、いまだ成長過程にある31歳は「自分でもレベルアップしたと思っていますし、それを試合で見せるつもりです」と言い切った。

開幕戦以来、5カ月ぶりとなるS愛知との再戦で藤原恵太がその“真価と進化”を見せつける。

(下薗昌記)

2026.05.08[S愛知]ハードな道だからこそ選んだ。異国で積み重ねる、成長の日々

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第14節
2026年5月10日(日)12:00 東大阪市花園ラグビー場 (大阪府)
花園近鉄ライナーズ vs 豊田自動織機シャトルズ愛知

豊田自動織機シャトルズ愛知(D2)

豊田自動織機シャトルズ愛知のシアレ・オトゥホウマ選手。昨年、女子日本代表でキャプテンを務めていた南早紀さんと結婚

「(D1/D2)入替戦進出は決めましたが、勝たないといけない試合だと思います」

レギュラーシーズン最終節の花園近鉄ライナーズ戦を前に、シアレ・オトゥホウマはそう話す。昨季にアーリーエントリーで豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)に加入すると、今季はここまで8試合に出場。徳野洋一ヘッドコーチが「今季すごく成長している選手の一人」と評価する売り出し中の23歳だ。

トンガ出身で愛称は“チャーリー”。9歳でラグビーを始め、東海大学付属福岡高等学校への入学を機に日本にやってきた。

「トンガから近いオーストラリアやニュージーランドの高校に行く選択肢もありましたが、父親と話をして『ハードな道を選んだほうがいい』と距離的にも遠い日本に行くことを決めました」

当初は日本についてあまり知らず、飛行機から降り立ったときも、ここが日本のどこなのか分からないほどだったという。まさに身一つでのチャレンジだった。

「日本とトンガの文化の違いになんとか慣れようと頑張ってきました。大学時代に気配りや思いやりを学ぶことができたのは大きかったと思います」

S愛知に加入してからも大学とリーグワンのレベルの差に驚いたというが、渡邊友哉アシスタントコーチや同郷のタウモエピアウ シリベヌシィ アシスタントコーチの力を借りながら、プロップとしてのスキルを磨いてきた。

そして、家庭にも力を与えてくれる存在がいる。元女子ラグビー日本代表のキャプテンとして活躍した南早紀さんと昨年に入籍。「試合では僕の良いところを奥さんは見てくれません(笑)。一緒に試合のビデオを見ながら、悪かったところを指摘してくれて、厳しいけど参考になっています」。

「良い奥さんであり、良いコーチであり、良いトレーナーでもある」早紀さんと夫婦二人三脚で歩みを進めている。「いまのままではまだ足りないと思います。コーチや奥さんのフィードバックをもらって、自分のすべてをレベルアップさせていきたいです」。

(齋藤弦)

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