2025.12.19[SA広島]年長者の部類になっても沸き起こる熱い気持ち。「僕はシンプルに負けず嫌い」

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第2節
2025年12月21日(日)12:00 維新みらいふスタジアム (山口県)
マツダスカイアクティブズ広島 vs クリタウォーターガッシュ昭島

マツダスカイアクティブズ広島(D3)

開幕戦、インターセプトからトライで試合の流れを変えたマツダスカイアクティブズ広島の亀井康平選手

外国籍選手たちの高いパフォーマンスは今季もマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)の大きな強みで、若い選手たちが放つ活力も見る者を惹きつける魅力がある中で、中堅選手たちもチームを推進する大きな力になっている。

開幕戦の狭山セコムラガッツ戦は、決して悪い立ち上がりではなかったものの、0対12とリードされる嫌な展開になったが、二人の中堅選手の自覚や経験が流れを変えていく。

30分にラインアウトモールからトライを決めたフッカーの武田知大は、頷きながらあのプレーを振り返った。

「あそこは自分の得意な場所なので自分が行かないといけないのに、開幕戦の緊張感もあって1本目のモールでは行けなかった。スペースは見えていたのに行けなかったので、2本目は自分で絶対に行こうと思っていました」

武田知大選手もラインアウトモールからトライを決めた

武田のトライの5分後、今度はウイングの亀井康平がインターセプトからトライを決めて逆転に成功する。このプレーは思い切りの良さだけではないクレバーさも光った。

「(相手の)スタンドオフがパスを飛ばしそうだなという直感もあったし、あそこに僕が行っても周りがカバーできるシチュエーションでもあったので、ちょっと流れを引き寄せたくて思い切ってチャレンジした感じでした」

相手のプレーを読み、現状を把握して試合展開も見極めた上でチャレンジした亀井のビッグプレーは、試合の流れを一気にSA広島に引き寄せた。SA広島は3分後にもトライを重ね前半を21対12で終え、見事な逆転勝ちを収めている。

武田は来年に30歳の節目を迎えるが、成長にどん欲だ。プレシーズンにピンポイントで指導を受けたフッカーのコーチから多くのことを学び、「練習して自分がいい球を投げられるようにするだけじゃなく、ちゃんとジャンパーとコミュニケーションを取ってお互いのことを理解し合うプロセスをいまは一番大事にしています」と充実感を浮かべた。

亀井はいま28歳。バックスの中でもだんだん年長者となり、チームを落ち着かせる立場になったことも自覚しているが、体内に沸き起こってくる熱い気持ちはいまも変わらない。

「シンプルに、僕は負けず嫌いなんですよ。試合に出られないと本当に悔しいと思うタイプで、ウイングの競争は激しくなってきているので、負けないように自分の武器を磨きたい」

上々のスタートを切ったSA広島は、山口県の維新みらいふスタジアムで今季初めてのホストゲームに臨む。

(寺田弘幸)

2025.12.19[WG昭島]目指すのは“最も警戒される”9番。かつての相棒の前で、己の力を示す戦いへ

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第2節
2025年12月21日(日)12:00 維新みらいふスタジアム (山口県)
マツダスカイアクティブズ広島 vs クリタウォーターガッシュ昭島

クリタウォーターガッシュ昭島(D3)

今季の目標はディビジョン3で最も警戒されるスクラムハーフになること、と語るクリタウォーターガッシュ昭島の新和田錬選手

「いつも帰ってきたなという感覚があって、僕自身はホームという感覚があります」

広島県にある尾道高校でラグビーに打ち込んだ新和田錬にとって、マツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)とのビジターゲームは、自身の原点と現在地、そして成長を重ね合わせる舞台でもある。

スクラムハーフの新和田は尾道高校から同志社大学へ進学。大学時代にはスタンドオフの嘉納一千とタッグを組み、ゲームをコントロールした経験を持つ。だからこそ、現在SA広島の中心選手となった嘉納の特長やプレースタイルは、誰よりも理解している。

「後輩だからあまり褒めたくはないですけど(笑)スタンドオフとしての判断力や、スペースにボールを運ぶ能力がすごく高い選手です。フォワードの圧力を受けず、そこに強く行くところと、彼を自由にさせないことが試合のカギになると思っています」と警戒心を隠さない。

後輩には負けられない。その感情は確かにある。しかし同時に、3年目を迎えた新和田にとって、自らの成長を昨季のディビジョン3王者にぶつける格好の機会でもある。昨季は第8節で負傷し、戦列を離脱した悔しさは、彼自身のオフシーズンの取り組みを大きく変えた。体重を増やし、15試合をハードに戦い抜くためのフィジカル強化に取り組むとともに、毎日のストレッチや試合に向けた準備・ケアも徹底している。フィジカル面の土台を整えたいま、新和田が次に磨こうとしているのは、プレーそのものの質だ。

「アタックでは、自分の強みである積極的な仕掛けと、その後のスピードを生かすことを意識しています。それを出すためにチーム全体をどうコントロールするかがポイントだと思っていて、速いテンポでリズムを作っていけばSA広島のディフェンスも崩れて、チャンスが出てくると思います」

彼の今季の目標は明確だ。全試合出場を果たし、D3で最も警戒されるスクラムハーフになること。そのためには、かつての相棒、そして昨季のチャンピオンチームの前で、まず圧倒的な力を示すしかない。

(匂坂俊之)

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