2026.01.09[WG昭島]大けがに、度重なる筋肉系の負傷。それを乗り越えた男が後輩に見せる背中

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第3節
2026年1月11日(日)13:00 久留米総合スポーツセンター陸上競技場 (福岡県)
ルリーロ福岡 vs クリタウォーターガッシュ昭島

クリタウォーターガッシュ昭島(D3)

けがからの復帰の過程で「どうすればチームの力になれるのか」を考え続けてきたというクリタウォーターガッシュ昭島の江本洸志選手(写真中央)

クリタウォーターガッシュ昭島(以下、WG昭島)の誰もが、彼の復帰を待っていた。チームの中で誰よりも声を出し、先輩・後輩の垣根なく言葉を届ける存在。グラウンドの内外で空気を動かし、仲間を前に進めてきた。そんな江本洸志が帰ってきた。

半月板損傷により、昨季はラグビー人生で初めて手術台に上がった。リハビリを経て、表舞台へ戻る準備は整いつつあった。しかし、復帰目前で待っていたのは、さらに過酷な試練だった。右足に3度、左足に2度。繰り返し襲った肉離れ。グラウンドに立てる喜びよりも「また(筋肉が)切れるのではないか」という恐怖が、いまも心のどこかに残っているという。

それでも江本は、立ち止まらなかった。これまで意識してこなかったケアに時間を割き、練習前には30分以上のコンディショニングを欠かさない。自分の体と向き合う時間を重ねながら、「どうすればチームの力になれるのか」を考え続けてきた。

「アタックのところと、指示ができるところ。コミュニケーション能力も高いと思っているので、周りがしんどいときに声を掛けていける。そこが自分の強みだと思っています」

フルバックとして戻ってきた江本が見据えるのは、個人の復活ではない。目標はただ一つ、WG昭島をディビジョン2へ押し上げること。その過程で、自身はゲインメーターランキング1位という明確な指標を掲げる。そしてもう一つ、江本が強く意識しているのが、後輩である細元亮、山本快の両ウイングの存在。若さゆえに背負いがちなプレッシャーを、少しでも軽くしたい。後方から声を掛け、判断を助け、思い切ってプレーできる環境を整えることも自身の大切な役割だと感じている。

「いまはぼくが引っ張ってあげようと思っています。『洸志さん』って呼んでもらえるあいだは、頑張ろうかなって」

かつては新人として、周りを気にせず前に突き進んでいた。それが強みでもあった。気づけば後輩ができ、背中を見せる立場になった。声を出し、周りを気にかけ、チームを前に進める存在に成長した彼が復帰戦でどんな姿を見せてくれるのか。目が離せない。

(匂坂俊之)

2026.01.09[LR福岡]「無名からもう一度」。楕円球への情熱で切り拓く競技人生と、その生き様に込める覚悟

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第3節
2026年1月11日(日)13:00 久留米総合スポーツセンター陸上競技場 (福岡県)
ルリーロ福岡 vs クリタウォーターガッシュ昭島

ルリーロ福岡(D3)

ここまで進んできた、これからどこまで進むのか、ルリーロ福岡の藤倉大介選手

ルリーロ福岡(以下、LR福岡)の『地域密着』を語るとき、グラウンドや働き方だけでなく、洗濯場の風景までもが象徴になる。リーグワン参入前、公式戦で使ったジャージーやビブスはスタッフが手洗いしていた。洗濯機では汚れが落ちず、風呂場が茶色になるほどの作業を2シーズン。勝負の舞台へ上がるほど、裏方の負担も増える。そんな現実を、クラブは抱えていた。

転機は、うきは市に工場を構えるクリーニング会社との出会いだった。協賛のきっかけは「いま、手洗いなんですよね」という何気ない会話。紹介を受けて訪ねると、相手は即座に「ぜひサポートします」と応じ、試合で使うアイテムを一括で洗う体制が整った。後藤悠太ゼネラルマネージャーは「正直、すごくラクになりました」と率直に言う。支援は“物”だけで終わらない。選手の雇用も視野に入れ、今年からその職場で働き始めたのが藤倉大介である。

180cm、123kg。スクラムの局面で相手と正面衝突できる体の大きさや強さが、まず目を引く。國學院大學栃木高校で力を磨き、U19日本代表候補にも名を連ねた。大東文化大学へ進学し、ラグビーを続けたが、卒業時にプロの扉はすぐには開かなかった。だからこそ、藤倉は遠回りを選ぶ。大学卒業式の翌日、スーツケースとリュック、所持金数万円で宮崎へ。家も知り合いもない土地で、スポーツ教室の指導をしながら社会人クラブで鍛え続けた。「安定より冒険」。その1年で、敵を作るより味方を増やす大切さを学び、礼儀や気配りを叩き直され、人間としても角が取れていった。

LR福岡での現在地を、藤倉は「無名から、もう一度」と表現する。今季、開幕戦から途中出場ながらリーグワンの舞台に立ち、デビュー戦で白星を手にした。その瞬間の喜びは、「ラグビー人生で3本の指に入る」という。昨季のLR福岡は、内容では互角に渡り合いながらも、勝利に届かない試合が続いたチームだった。だからこそ、出場時間はわずか10分ほどでも、ノーサイドの笛が鳴った瞬間、思わず跳びはねるほど感情があふれた。藤倉は、その1勝が持つ重みを、誰よりも強くかみ締めている。

後藤GMは、藤倉を「明るくてポジティブ。愛されるキャラクター」と評しつつ、選手としては「スクラムが最大の強み。フィールド(プレー)はあと一歩、二歩」と伸びシロも明確にする。藤倉自身も目標を隠さない。通過点だった初キャップの次は、3番を背負って先発すること。そして、短い出場時間でも存在を示す。「見てほしいのはスクラム」。派手に押し、派手にぶつかり、派手に勝ち切る。その覚悟が、LR福岡の今季をさらに前へ押し出していく。

(柚野真也)

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