2026.01.16[LR福岡] 「このまま終わりたくない」。年齢ではなく、姿勢で示すオールドルーキー

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第4節
2026年1月18日(日)13:00 維新みらいふスタジアム (山口県)
中国電力レッドレグリオンズ vs ルリーロ福岡

ルリーロ福岡(D3)

開幕から全試合に出場を続けているルリーロ福岡の荒牧佑輔選手

第3節のクリタウォーターガッシュ昭島戦。ルリーロ福岡(以下、LR福岡)が接戦を制し、今季2勝目を挙げた試合で、一人静かな存在感を放っていたのが荒牧佑輔だった。37歳。今季、長年在籍した九州電力キューデンヴォルテクス(以下、九州KV)を離れ、新天地に飛び込んできた“オールドルーキー”である。

この試合で、荒牧は今季初先発を果たした。しかも、その決定は試合当日。先発予定だった選手の負傷により、急きょ巡ってきたチャンスだった。それでも、慌てる様子はない。日ごろから「いつでも出られる準備」を積み重ねてきたからこそ、平常心でグラウンドに立てた。ベテランらしい落ち着きが、若いチームに安定感をもたらしていた。

LR福岡は、平均年齢の若いチームだ。昨季は3勝にとどまったが、今季は開幕から3試合で2勝。確かな変化が数字にも表れている。荒牧は、その要因を「やるべきことが明確になり、チームの文化が根付き始めていること」に見ている。若さゆえの勢いに、経験が少しずつ重なり合い、チーム力へと昇華されつつある。その過程を、37歳の新加入選手が内側から実感している。

転機は突然訪れた。九州KVから引退を告げられたとき、一度は「もう終わりかな」と思ったという。周囲では同年代や後輩が次々とスパイクを脱いでいく。それでも、心の奥に残ったのは「このまま終わりたくない」という感情だった。最後のシーズンを不甲斐ない形で終えたことが、その思いをより強くした。自ら動き、リーグワンでプレーできる道を探し、たどり着いたのがLR福岡だった。

新天地での挑戦は、決してラクではない。ほとんど知り合いのいないチーム。20代前半が中心のチームに、37歳で飛び込む不安もあった。それでも、後輩たちは自然に受け入れた。年齢ではなく、姿勢で示す。その積み重ねが、信頼関係を築いていった。

環境も大きく変わった。九州KVでは昼過ぎからの練習が中心だったが、LR福岡ではフルタイム勤務を終え、夜7時から土のグラウンドで汗を流す。往復2時間半をかけて練習場に通う。かつて当たり前だった恵まれた環境が、実は特別だったと気づかされる日々だ。だからこそ、荒牧はいま、「一つひとつに感謝する」ことを忘れない。

目標は明確だ。チームとしてはディビジョン2昇格。そのために、まず目の前の一戦に勝つ。個人としては、試合に出続け、出た以上は必ず勝利に貢献する。それだけを見据えている。

同世代が第一線で戦い続ける姿も、荒牧を突き動かす原動力だ。年齢はただの数字。試合に出てしまえば関係ない――。その言葉に、37歳の覚悟がにじむ。

静かに、しかし確かに。荒牧佑輔の挑戦は、LR福岡に“勝てる集団”の輪郭を与えつつある。

(柚野真也)

2026.01.16[中国RR]常に前傾姿勢のストロングキャリーリーダーが、初勝利の壁も突き破る

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第4節
2026年1月18日(日)13:00 維新みらいふスタジアム (山口県)
中国電力レッドレグリオンズ vs ルリーロ福岡

中国電力レッドレグリオンズ(D3)

「今後を左右する試合になると思います」と語る、中国電力レッドレグリオンズの岩永健太郎選手

常に前傾姿勢。ボールを持ったら前に出て、パワフルに突き進む。中国電力レッドレグリオンズの岩永健太郎は「自称ストロングキャリーリーダーなので」と笑う。

「相手をぶっ飛ばすつもりでいつも当たりに行っています。そのためには自分の強い姿勢をいち早く作って相手に当たりに行くことを意識していて、上半身を前に出して前屈みで相手を懐に入れないように構えています」

どんな相手が前にいても、ボールを抱えると「恐怖心はまったくない」。171cm・102kgの分厚い体で、相手の真正面ではなく、弱いところを狙って思いっきり突っ込む。

「逆に相手が強ければ強いほどワクワクしますし、楽しみのほうが強いです。そこが僕の持ち味ですし、自分の武器だからこそ怖さはないです」

力強いキャリーで相手のディフェンスラインを突き破る様はまさにエネルギッシュ。グラウンドの外でも趣味のスターバックス巡りで広島から福岡まで遠征して1日30軒も回るぐらい並外れた活力をもつ。どんなときも、どんなことにも前傾姿勢。それは、体と体のぶつけ合いに惹かれてラグビーを始めた3歳のころから変わらない。

「小さいころから好奇心旺盛で、手のかかる子供で動き回っていましたね。僕はポジティブなほうで、あまり悲観的になることがないですし、楽観的に物事を考えているので、何かあっても『なんとかなる』と思うマインドですね」

リーグワンでも前掛かりで突き進んできて、気づけば次がリーグワン50キャップ目。30歳のフッカーは「意識してなかったですけど、これだけ出場させてもらっているので、やっぱり結果で応えたいです」と気合いを入れる。

チームは開幕3連敗と苦しい状況の中、今節は3位のルリーロ福岡を迎えて今季初勝利をつかみにいく。

「今後を左右する試合になると思います。チャレンジャーとして、ひたむきにやるしかないですし、1点差でもいいから勝ちにいくマインドを全員がもって戦いたいです」

その先陣を切るのは岩永。ストロングキャリーリーダーが苦境さえも突き破る。

(湊昂大)

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