2026.01.23[SA広島]最年長フォワードの瞳は少年のようにきらめいて。『ゴン』のようにくり返す地道な鍛錬

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第4節
2026年1月25日(日)12:00 ホンダヒート・グリーンスタジアム (栃木県)
ヤクルトレビンズ戸田 vs マツダスカイアクティブズ広島

マツダスカイアクティブズ広島(D3)

マツダスカイアクティブズ広島の小栁友徳選手。「いまは自分なりにいろいろな工夫をして努力するのが本当に楽しい」

今年1月に34歳になったプロップは、漫画『HUNTER×HUNTER』の大ファンで、話し出すと止まらない。

「なかなか連載が再開してくれないけど、面白いので何回でも読み直せる。メルエムとコムギの最後のシーンで何回も泣いていますし、“ドッジボール”のシーンも何回読んでも面白いし、天空闘技場も本当に面白いじゃないですか」

小栁友徳はいまの自分が置かれた状況と主人公のゴン=フリークスのキャラクターを重ね合わせながら語る。

「最初はキルアがずっと好きだったんですけど、年を重ねるごとにゴンが好きになってきた。どうしてかと言うと、ゴンは基礎や基本を本当に大事にするから。自分もいま、すごく地道な努力が大事だと感じているんですよ。『プロップって経験でなんとかなるから、あと5年はできるね』って言われたりするんですけど、まったくそんなことはない。いまの学生ラグビーは僕が学生のときとは段違いのレベルだし、海外からもいろいろな選手が来ている。僕の経験値なんて上回るくらいの波がどんどん下から来るので、こっちも地道に成長していかないと。体が衰えるスピードも早いので、今季はスプリントの練習も自主的にするようにしているんですけど、そうやって地道に鍛錬していくことが大事だなと思っています」

基本をしっかりと見つめてコツコツと努力を重ねる作業が小栁は楽しくて仕方ない。

ダミアン・カラウナ ヘッドコーチの下、チームも試合で出た課題を次の試合でクリアすることをくり返し行っている。だから小栁は「リーグ戦の15試合が終わって入替戦に行くとき、どんなチームになっているかがいまから楽しみ」と言い、自身も工夫を重ねて成長を追い求める日々を楽しんでいる。

「周りにも『あと10年やります』って言っているんですけど、いまは自分なりにいろいろな工夫をして努力するのが本当に楽しい。工夫し尽くして通用しなくなったら辞めるかもしれないけど、通用するところが一つでもあるんだったら身を粉にしてやりたい」

マツダスカイアクティブズ広島のフォワード最年長選手は、目をキラキラと輝かせて語っている。

(寺田弘幸)

2026.01.23[L戸田]“タフマンズ”からはい上がった男の逆襲劇。背中を押してくれた妻の言葉

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第4節
2026年1月25日(日)12:00 ホンダヒート・グリーンスタジアム (栃木県)
ヤクルトレビンズ戸田 vs マツダスカイアクティブズ広島

ヤクルトレビンズ戸田(D3)

ヤクルトレビンズ戸田の半田巧選手。「続けてきて本当によかった」

ヤクルトレビンズ戸田では、練習時に仮想の相手役を務める控えメンバーを「タフマンズ」と呼ぶ。チームを支える縁の下の力持ちたちだ。そのタフマンズで長年、MVP級の仕事を続けてきた在籍5年目の半田巧が、今季は開幕から3試合連続でスタメンに名を連ね、攻守にわたって活躍している。

「チームのためにタフマンズを演じながらも、試合に出られない悔しさはずっと抱えていました。でもいまは、純粋にラグビーが楽しいです」

昨季の第3節・中国電力レッドレグリオンズ戦、ついにリーグワンの舞台で初めてメンバー入りを果たした。あの試合前、ロッカールームで感極まって号泣した半田にとって、いまの状況は夢のようだ。「続けてきて本当によかった」と、しみじみと思う。これまでずっと課題と指摘されてきたアタックの精度を、誰よりも丹念に磨き続けた成果だった。

実は昨季、心が折れかけた時期があった。いや、折れた瞬間もあった。タフマンズから抜け出せず、イヤな出来事が重なり、「もう辞めてやる」と自暴自棄に陥った。

そんなとき、間髪入れず背中を押してくれたのは妻だった。母校・大阪産業大学ラグビー部のマネージャーだった彼女は、迷うことなくこう言った。

「リーグワンで戦えているんだから、やったほうがいいよ」

その言葉にハッとした。ラグビー自体を嫌いになったわけではない。ふつふつと闘志がよみがえった。「このまま終わってたまるか」。毎試合、スタンドから見守ってくれる妻のために、全力でやり切ろう──半田は再び、心を強く決めた。

迎えた今季のプレシーズン。半田は試合に出続け、存在感を放ち続けた。開幕直前に開催されたリーグワンライジングでは、河野嵩史ヘッドコーチから「お前がMVPだ」と直接告げられるほどの活躍を見せた。

それでも、慢心は一切ない。

「自分の力でタフマンズからはい上がれた。でも、このチームにはもっとできる選手がたくさんいる。だから、自分はもっと頑張らないといけない」

まだメンバー入りの当落線上。大きなミスをすれば即座に外される──危機感は常に強い。それでも、半田の目は揺るがない。

「レビンズとして、昨季の戦績を超えたい。そして全試合に出たい。できればスタメンで。絶対に出ます」

覚悟を決めた男は強い。タフマンズからはい上がった男の逆襲は、まだ始まったばかりだ。

(鈴木康浩)

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