2026.01.30[SA広島]高く羽ばたく自然体のルーキー。気負わず挑む初先発の舞台

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第5節
2026年1月31日(土)13:00 久留米総合スポーツセンター陸上競技場 (福岡県)
ルリーロ福岡 vs マツダスカイアクティブズ広島

マツダスカイアクティブズ広島(D3)

「あまり気負わないタイプ」で、試合前も緊張しないというマツダスカイアクティブズ広島の松澤駿平選手

「まずは自分の役割を徹底すること。でも、縮こまらずにのびのびとやりたいことができたらなと思います」

シーズン序盤で巡ってきたリーグワン初先発のチャンスでも、大卒ルーキーの松澤駿平は悠々とした口調で決意を表した。

2025年にマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)に加入した23歳は、今季の開幕戦でリーグワンデビューを飾った。これまで3試合に途中出場。帝京大学時代まで本職はセンターだったが、SA広島加入後は初めてウイングでプレーしている。

もちろん、キャリアで培ってきたセンターとしてのプライドも胸にあるが、「ウイングで試合に出ているならウイングで活躍したいし、自分の新しいプレースタイルも見つけられているので、違うポジションができるのはうれしいこと」。成長を実感しながら切り開いてきた新境地だ。

リーグワンの新たな舞台でも、ポジションが変わっても、本人は「あまり気負わないタイプですし、『失敗を恐れず、やりたいことをやろう』という感覚でプレーしています」と自然体である。

試合前も緊張することなく、自分の時間を過ごしてゆっくりとリズムを作る。「ストレッチのときも、ウォームアップのときも、体を動かしながら基本はリラックスしています」。そこから、グラウンドに立つと、「ディフェンスでうまく体を当てられたら、相手の強さを把握することができてスイッチが入ります」とファーストコンタクトで力がみなぎる。

今節はリーグワンで初めてスタメンに名を連ねた。「うれしいです」と笑みをこぼした松澤は、「今までリザーブのときはプレー時間が10分前後で、もうほとんど勝負がついているような状態で出ていたけど、今回はスタートから試合に出るのでモチベーションも違いますし、楽しみです」と静かに闘志を燃やす。

初スタメンで着るジャージーは14番。「どんどんチャンスメークして、ゲインラインを切って、トライを取って、チームを勢い付けていきたいです」。自分の強みを生かして勝負を決める翼になる。

その先に見据えるのは、「試合に出続けてスタメンに定着して、ディビジョン2昇格に貢献したい」という目標。自然体のルーキーが高く飛び立つ。

(湊昂大)

2026.01.29[LR福岡]挑み続ける男が次なる衝突点へ。己のフィジカルで示す存在価値

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第5節
2026年1月31日(土)13:00 久留米総合スポーツセンター陸上競技場 (福岡県)
ルリーロ福岡 vs マツダスカイアクティブズ広島

ルリーロ福岡(D3)

ルリーロ福岡の江里口真弘選手。介護の仕事をしながらラグビーに取り組んでいる

真正面からぶつかれば、相手の体勢が崩れる。肩がはじかれ、地面がきしむ。186cm、105kgという数字以上の圧を放つ男が、ルリーロ福岡(以下、LR福岡)の真ん中に立っている。江里口真弘。開幕から先発を任され続ける理由は、明快だ。フィジカルで戦局を変えられる存在だからである。

今季、九州電力キューデンヴォルテクスから加入。ディビジョン2からD3への移籍は、一般的にはマイナスに映る。しかし、江里口の視線は下を向いていない。開幕から4試合すべてに先発し、激突を重ねる中で、確信を深めている。「D3の戦い方や特徴はひと通り分かった」。今節で全5チームとの対戦を終え、2巡目からは、より明確に“自分の色”を出していけるという手ごたえがある。

その自信の根底にあるのが、揺るがぬフィジカルだ。モールでは低い姿勢から推進力を生む。接点では一歩も引かず、運動量も落ちない。ロックに求められる強度と献身を、80分間、愚直に貫ける体がある。

大学卒業後、江里口は地元・福岡に戻り、九州電力の社員選手として2シーズンを過ごした。働きながらプレーする環境に、大きな不満があったわけではない。それでも、「もっとラグビーに没頭したい」「プロとして勝負したい」という思いが、次第に強くなっていった。ラグビー人生は長くない。その現実を前に、安定した立場を自ら手放す決断を下した。

周囲からは「辞めなくてもよかったのでは」という声もあった。しかし、その選択に迷いはない。自分の体で、自分の価値を証明したい。その欲求こそが、江里口を突き動かしている。

現実は甘くなく、現在は介護の仕事とラグビーを両立する日々だ。フル出勤から夜の練習へ。睡眠時間を削り、体を酷使する生活は簡単ではない。それでも、このシーズンに懸ける覚悟は揺るがない。「まだ満足いくプレーではない」。そう言い切れるのは、成長の余地を自覚しているからだ。

チームを勝たせる選手でありたい。同時に、その先のステージを目指す存在でありたい。LR福岡が勝ち、評価を高めていく先に、自身の未来もある。重心を低く構え、次の衝突点へ。江里口の挑戦は、まだ始まったばかりだ。

(柚野真也)

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