2026.02.27[LR福岡]揺るがぬ安定と、尽きない向上心。チームを導く12番の存在感

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第8節
2026年3月1日(日)12:00 AGFフィールド (東京都)
クリタウォーターガッシュ昭島 vs ルリーロ福岡

ルリーロ福岡(D3)

ルリーロ福岡の香川凜人選手。「ずっと右肩上がりで成長している実感がある。まだまだいける」

昨季から着実に進化を遂げているルリーロ福岡。その屋台骨を担う存在が、センターの香川凜人だ。抜群の安定感と的確な状況判断で攻撃のカギを握る。選手には好不調の波が必ずあるが、「どのチームと対戦しても高い水準を保ったプレーを常に体現してくれる」と豊田将万ヘッドコーチは大きな信頼を寄せている。

香川にも当然、波はある。だが「レベルアップしたい」という強い思いがスランプを寄せ付けない。いまの自分には何が必要か。じっくりと自分に向き合ったからこそ分かる繊細な感覚を大事にし、実行する。例えば基盤となる体作り。増量してもパフォーマンスに結び付かないと判断すれば、柔軟に方法を変える。

大学時代に伸び悩んだという経験を糧にしており、「頭で考えるのは限界がある。いろいろな方々との出会いで学び、自分の感覚を磨くことが近道だと分かった。うまくいかなければ、正論でもパッとやめて、次にいく。以前は気づかずに信じてやり切り、失敗したこともある」と振り返る。

卒業後に加入した宗像サニックスブルースでは、チームが活動休止となるという現実にも直面した。ニュージーランドとオーストラリアの海外クラブでの経験、左アキレス腱断裂という大けがからの復帰──。さまざまな経験が円熟期に入った香川の基盤である。成長できるかどうかが一つの指標であり、モチベーションだ。「成長できなければラグビーはやめていた。ずっと右肩上がりで成長している実感がある。まだまだいける」と頼もしい。

一方で、試合になると喜怒哀楽を表さない。子供のころ、「大人になりたい」という思いで感情をコントロールすることを自分に課したからだ。でも、いまは変えたいと思う。時にはチームメートと一緒に思い切り喜んだり、悔しがったり。未知の自分を出せれば、「違う世界が見られそう」と歩みを止めない。仲間を生かすパスだけでなく、タックルなどの個人技も好きになった。

クリタウォーターガッシュ昭島とは第3節で対戦し、20対18で勝っている。「相手も仕上がってきていると思う。チームとしてどう戦うか。自分の役割をやり切る」。限界を設けない12番の挑戦は、いまも続いている。

(坂本陽子)

2026.02.27[WG昭島]武骨に、愚直に、チームへ貢献する。50キャップに刻まれたキャプテンの矜持

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第8節
2026年3月1日(日)12:00 AGFフィールド (東京都)
クリタウォーターガッシュ昭島 vs ルリーロ福岡

クリタウォーターガッシュ昭島(D3)

低いタックルとスティールでチームを鼓舞するクリタウォーターガッシュ昭島の中尾泰星キャプテン

「試合に出るために、自分に何ができるのか、自分の強みは何か、チームにどう貢献できるのかだけを考えて積み重ねてきた。その結果が“50”という数字なのかなと思う。これからもチームのために何ができるかを考えてプレーすることは変わらない」

身長170cm、体重90kg。フランカーとしては決して大柄ではない。それでも、中尾泰星は誰よりも低く体を沈め、相手の懐に深く刺さるタックルと、地面に絡みつくようなスティールで、幾度も試合の局面をひっくり返してきた。ルリーロ福岡戦で50キャップを迎える彼のプレーに派手さはないが、ここまで積み重ねてこられたのは、低いタックルとスティールという自身の強みを徹底的に磨き続けてきたからにほかならない。

「1年目は試合に出場できるか不安もあったが、強みである低いタックルやディフェンスの部分では、絶対に負けずにやっていこうと思った。その姿勢がコーチの信頼につながり、試合に出させてもらえるようになった。その中で自分のタックルやスティールを出せるようになり、キャプテンとして任される立場にもなれたと思う」

キャプテンを任されて2年目を迎えた中尾は、プレーだけでなくチーム全体を見る力も高めている。

「違う選手に声を掛けたり、全体の状況を見たりすることで、チーム全体を俯瞰できるようになった」と、自身の視野の広がりを実感する。その姿勢は試合中の判断や若手への声掛けに反映され、キャプテンとしての統率力は1年目よりもさらに高まっている。

もちろん、軸は変わらない。タックルとスティールでの貢献が最優先だ。「この二つはこれからもクオリティーを落とさずにやっていきたい」と揺るがぬ意志を示す。

クリタウォーターガッシュ昭島としては厳しい状況が続くが、中尾は戦う姿勢を崩さない。「勝つために全員の意識を一つにすることが大事。若手に経験を積ませつつ、自分自身も成長する。1試合1試合を無駄にできない」と話す。

泥臭くも確実なディフェンス、卓越した仕事量、揺るがないリーダーシップ。まっすぐな視線の先にあるのは、常にチームの勝利だけだ。

(匂坂俊之)

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