2026.03.27[SA広島]「二人で引っ張っていきたい」。10番のバトンを託され、10連勝に挑む

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第10節
2026年3月28日(土)13:00 Balcom BMW Stadium (広島県)
マツダスカイアクティブズ広島 vs ルリーロ福岡

マツダスカイアクティブズ広島(D3)

今シーズン初めて10番で先発するマツダスカイアクティブズ広島の井上陽公選手。「ラグビーは80分間を23人で戦っていくので、チーム全員が生きるようにしたい」

前節に負傷で入替となった嘉納一千は今節を欠場することになった。ただ、10番を安心して任せられる同期がいるから心配はない。ルリーロ福岡戦に向けた準備を進めるチームをピッチサイドで見つめていた嘉納は、自信をもって語った。

「これまでは(井上)陽公もけがをしていて、『俺がやらないと』という気持ちが強かったですが、前節は陽公がリザーブにいてくれたので安心してつなげることができました。このチームを強くするために二人で引っ張っていきたいし、試合に出たらいつも自分自身のパフォーマンスにフォーカスして、このチームが勝つためにどういうプレーをするかということだけを考えていますけど、それは陽公も同じだと思うし、今週は彼がやってくれると思います」

前節に嘉納に代わって出場した井上は、試合終盤に狭山セコムラガッツに追い上げられたことを反省していた。

「チームの中で自分のやることは明確になっていましたけど、圧力を受けてしまった。最後に接戦になったのもスタンドオフのゲームコントロールが招いた結果だと思うので、あらためてスタンドオフとしてやるべきことを試合に出ている間は必ずやらないといけないと痛感しました」

今節は今季初スタメン。井上は素直に「緊張しますね」と言う。

「公式戦はやっぱり空気感が違いますし、スタンドオフとしてチームを勝たせなければいけない。今節は10連勝が懸かっています。ずっと勝ち続けないといけないチームになっていると思いますし、開幕からチーム全員で上げてきた価値を落としてしまわないように、そういうプレッシャーも感じています」

大きなものを背負ってピッチに立つが、井上はチームを導いていくビジョンをしっかりと描いていた。

「いまは外国籍のプレーヤーが目立っていると思いますが、ラグビーは80分間を23人で戦っていくので、チーム全員が生きるようにしたいです。ペネトレーター(突破役)だけに任せるのではなくて、自分自身もしっかりと個性を出して、選手それぞれの個性も出せるようなプレーをしていきたいです」

井上が10番を務める3月28日のマツダスカイアクティブズ広島は、これまで嘉納が10番を務めてきたものとはまた違った特色が見られそうだ。

(寺田弘幸)

2026.03.26[LR福岡]接点を制する者。積み重ねた答えを、グラウンドで見せる

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第10節
2026年3月28日(土)13:00 Balcom BMW Stadium (広島県)
マツダスカイアクティブズ広島 vs ルリーロ福岡

ルリーロ福岡(D3)

No.8で出場するルリーロ福岡の小原稜生選手「接点でどれだけ戦えるか。そこにこだわりたい」

接点で勝負を決める男である──。ルリーロ福岡(LR福岡)の小原稜生は、ブレイクダウンの攻防で存在感を放つスペシャリストだ。32歳とベテランの域に入りながらも、そのプレーには衰えの気配はない。むしろ経験を重ねたことで、状況を俯瞰する冷静さと体をぶつけ続ける闘争心が同居する。「体のぶつけ合いでは誰よりも前に出る」。その言葉が、いまの自分を象徴している。

京都府出身。幼いころからラグビー好きの祖父に連れられ、正月は東大阪市花園ラグビー場で全国高校大会を観戦するのが恒例だった。4歳でラグビースクールに入ったが、中学にラグビー部がなく、柔道に打ち込んだ。この経験はいまも生きており、相手の重心を崩し、力の方向を見極める感覚は、タックルやブレイクダウンの場面で力の掛かり具合や、相手の重心をコントロールする技につなげている。

京都成章高等学校で再び楕円球を追い、立命館大学では主将を務めた。「一番体を張る」。自らに課した基準は、その後も変わらない。豊田自動織機シャトルズ愛知では、体格差という壁に直面した。だからこそ工夫した。ポジショニング、入りの速さ、コンタクトの角度。サイズで劣るぶん、判断と技術で上回る。その積み重ねが、現在のプレースタイルを形作っている。

2023年、LR福岡に加入。新しく、頑張っているチームに惹かれたことに加えて、福岡には大学時代の友人が多く、県民性や食事の魅力も後押しした。現在は福岡県のブランド牛『博多和牛』の牛舎で働きながらプレーを続ける日々だ。ラグビーについて「かめばかむほど味が出る。奥が深くて難しく、ずっと勉強をしなければならない。そこが面白い」と語る。その言葉どおり、経験は研ぎ澄まされ、チームに還元されている。豊田将万ヘッドコーチも「経験の質が違う」と信頼を寄せる。

今節は首位マツダスカイアクティブズ広島との一戦。「接点でどれだけ戦えるか。そこにこだわりたい」。小原の視線は明確だ。ブレイクダウンで一歩前に出る。その積み重ねこそが、勝負の流れを引き寄せる。全員の意識を束ね、最前線で体を張る覚悟がある。経験と闘志をまとった男が、再びグラウンドで火花を散らす。

(坂本陽子)

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