2026.05.01[狭山RG]昨季の入替戦の悔しさがチームを強くした。ベテランが感じる、その確かな歩み

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第14節
2026年5月2日(土)13:00 海老名運動公園 陸上競技場 (神奈川県)
狭山セコムラガッツ vs ルリーロ福岡

狭山セコムラガッツ(D3)

狭山セコムラガッツの上野拳太郎選手

「フォワードのフロントロー3人のコミュニケーションが強化されたことが、昨季との大きな違いです。その中で外国籍選手の多いセカンドロー、バックローとも共通用語を考えて、連係ができているのも大きいです」

狭山セコムラガッツの強力なスクラムをけん引する上野拳太郎は、リーグワン参入1年目だった昨季と今季の違いをこう語った。2季連続でのD2/D3入替戦出場を決めているが、参入1年目だった昨季とチームの雰囲気はまったく異なるとも語る。

「昨季の入替戦で敗れた悔しさが、チームを強くしていると思います。昨季は参入1年目でシーズン(をとおして)の戦い方が分からないこともあり、勢いで乗り切った部分もありました。でも、いろいろな経験をしたことで、選手層も厚くなりました。また、シーズンの戦い方についても選手たちの考え方も変わっています。それがここまでのいい結果につながっているんだと思います」

5月10日に32歳となる上野は、2017年にセコムラガッツ(当時)へ加入。当時はラグビー部を再び強化することが決定した時期だ。加入当初は、自身もチームも結果を出せない時期があり、もどかしさを感じることは多かったという。それでも徐々にチーム力がアップし、昨季ついにリーグワンの舞台へ。今季もディビジョン3で強固なディフェンス力と、アグレッシブなアタック力を武器に強さを見せつけ、すでにレギュラーシーズンの2位以上を確定させている。

「いろいろな経験を積み重ねて、リーグワンという舞台で戦えるようになりました。そう思うと、本当に感慨深いものはあります」

プライベートでは2児の父親であり、子供たちと過ごす時間も大切にしているというが、いまは少し悩みもあるという。

「下の男の子も、徐々に話せるようになってきたんですが言葉づかいが少しキツくて(笑)。『あっちいって』とか言われると、ちょっと傷つきます。なので、もっとポジティブな言葉を教えていこうかと思っています」

親子関係でもチームメートと同様に、円滑なコミュニケーションを目指すという上野。第14節は地元の神奈川県での試合となるだけに、両親や家族も応援に駆け付ける。

「(プロップなので)ポジション的に目立つプレーはできませんが、しっかりとチームを盛り上げて、勝利する場面を見せたいと思います」

加入して10年目。左プロップとしてチームを支える

D2/D3入替戦へ弾みを付ける意味でも、残り2試合をどんな内容で勝つか。結果だけでなく内容も問われる試合だからこそ、上野は、今まで以上に気持ちを引き締めて試合に臨む。

(松野友克)

2026.05.01[LR福岡]お金では買えない価値を見出して。ベテランは情熱あふれる仲間たちとここで夢を追う

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第14節
2026年5月2日(土)13:00 海老名運動公園 陸上競技場 (神奈川県)
狭山セコムラガッツ vs ルリーロ福岡

ルリーロ福岡(D3)

ルリーロ福岡の重一生選手。「お金では買えない価値を見出している人ばかり。すごいことだと思います」

前節のマツダスカイアクティブズ広島戦の前半37分、ルリーロ福岡(以下、LR福岡)の重一生はオフロードパスで、アマナキ・リサラのトライをアシストした。失点を重ねた前半に一矢報い、「しんどい場面で周りがしっかりとサポートに走ってくれた」とバックス陣の成長を実感した。

大阪府で4人兄弟の三男として誕生。2歳のとき、兄が通うラグビースクールに気づけば入っていたという。中学校ではラグビーを続けながら、バスケットボールや陸上の部活動にも参加した。3年生に進級する直前、親から「ラグビーをするのか、勉強をするのか。はっきりしなさい」と言われ、「ラグビーをします」と返答。本腰を入れる覚悟を決めた瞬間だった。

強豪の常翔学園高等学校ではスクラムハーフやフルバックとして才能を発揮。3年時には“花園”で17年ぶり5回目の全国制覇に貢献し、高校日本代表に選出された。「高校時代はいろいろな陣形をみんなで試行錯誤しながら、自由にやらせてもらいました。そのおかげでラグビーの幅が広がりました」とのびのびと基礎を築いた。

帝京大学4年時にセンターに転向し、大学選手権8連覇を達成した。いまではセンターが楽しくて仕方がない。理由は「極端な負けず嫌いだから」だと言う。身長171cm。リーグワンの中で同じポジションの選手と比べて、小柄であっても、それを上回るスキルがある。「対面の外国籍選手や強い選手を倒したときの快感が大好き」と目を輝かせる。

神戸製鋼コベルコスティーラーズ(当時、以下、神戸S)、三重ホンダヒート(以下、三重H)を経て、2024年にLR福岡に加入。神戸Sでラグビーのあるべき姿や楽しさを知り、三重Hで後輩を引っ張る役割を務めた。そして、決して恵まれた環境とはいえないLR福岡で、ラグビーが好きという情熱で集まった仲間たちと夢を追う。「お金では買えない価値を見出している人ばかり。すごいことだと思います」と話す。

狭山セコムラガッツ戦を含めてレギュラーシーズンは残り2試合。「2勝して終われるかどうかがカギ。それができれば、選手の自信になるし、来季へとつながると思います。目標は(来季以降)このチームをディビジョン2に昇格させて喜ぶこと」。経験を積んだ真摯なプレーヤーが屋台骨を支えている。

(坂本陽子)

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