NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第15節
2026年5月10日(日)13:00 久留米総合スポーツセンター陸上競技場 (福岡県)
ルリーロ福岡 vs ヤクルトレビンズ戸田
ヤクルトレビンズ戸田(D3)
ヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)の臼田湧人が、初めてキャプテンを任された1年を駆け抜けようとしている。
ラグビー人生でリーダーを経験したことは一度もなかった。共同キャプテンの打診を受けた際は逡巡したものの、「やったことがないからやらないというのは違う」と挑戦を決意した。
分からないことだらけだった。戦績がなかなか伴わないシーズンの中で、全員の前に立って発言する難しさと責任の重さを痛感した。周りの先輩たちの支えがなければ、この立場を務め切ることはできなかったと実感している。戦術面の細かい部分は、同じく共同キャプテンを務める土井將聖や先輩に頼る場面も多く、自身の力不足を自覚せざるを得なかった。
それでも、堂々とやり切ろうと心に決めていた。胸に刻んだ大切な言葉がある。
「Fake it until you make it」
なりたい自分を演じ続けよ、いつか本物になれる──。
共同キャプテン就任が決まったとき、妻が贈り、背中を押してくれた言葉だ。
演じることで行動が変わり、結果が変わり、最終的に自分自身も変わる。勝てない時期が続いたからこそ、全員の前に立つときは凛としていようと誓った。道なき道を進むために必要な姿勢だと身をもって知った。
周りに発言する以上、自分の行動とプレーに責任が伴うことも痛感した。フォワードとして、これまで以上に細部への執着を強めたのも確かだ。明治大学時代の恩師・神鳥裕之監督(当時)から授かった『凡事徹底』を、いま一度、貫こうとする気持ちが強くなった。苦しいときこそ、前に立ち、周りを鼓舞し、泥臭く示す。それが自分にとっての『凡事』であり、キャプテンであろうとなかろうと変わらない。臼田がL戸田のロックとしてピッチに立ち続ける理由だ。
ここまでの成績は3勝11敗。応援してくれるファンやノンメンバーに対して、申し訳なさしかない。だが、まだ1試合が残っている。L戸田の魂を見せる最後のチャンスだ。
「やるしかないんです。自分たちが積み上げてきたものを出し切れるかどうか。試合に出る23人が覚悟をもって戦うだけだと思っています」
7日の全体練習後、チームの円陣の前に立った臼田が力強く共闘を呼び掛けると、L戸田の漢たちの気合いの声が響き渡った。
ルリーロ福岡に絶対に3連敗はできない。最下位で終わるわけにはいかない。L戸田の次世代を担うリーダー、臼田湧人がその覚悟をピッチで示す。
(鈴木康浩)




























