2026.03.06[釜石SW]「自分たちは何者なのか」。指揮官が重ねるチームと街の姿。問い続ける限り、歩みは止まらない

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第7節
2026年3月7日(土)13:00 釜石鵜住居復興スタジアム (岩手県)
日本製鉄釜石シーウェイブス vs 花園近鉄ライナーズ

日本製鉄釜石シーウェイブス(D2)

今節の試合を「東日本大震災復興祈念試合」として釜石で迎える、日本製鉄釜石シーウェイブスのトウタイ・ケフ ヘッドコーチ

「自分たちは何者なのか」

日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)のトウタイ・ケフ ヘッドコーチが、就任直後からチームに繰り返し、投げ掛けてきた問いだ。

勝敗でも、順位でもない。スキルやフィジカルの優劣でもない。自分たちは、どんなチームなのか。この街を象徴する存在として、どんな姿を見せるべきなのか。その問いに向き合い続けた時間が、今季の歩みの土台であり、指揮官がテーマに掲げる“ゴールドスタンダード”の基盤となっている。

東日本大震災から15年。この街は、幾度も苦境に立たされながら、そのたびに立ち上がってきた。

タフであること。再び立ち上がる力を示すこと。そして、決してあきらめないこと。それは釜石という街のアイデンティティーであり、ラグビーの街が守り続けてきた矜持でもある。

その姿勢は、いまのチームにも確かに息づいている。ケフ ヘッドコーチは繰り返し、選手たちの“エフォート(努力)”を称える。

「敗れた3試合のうち、2試合は勝てた試合だった。結果は大事ですし、悔しさはありますが、彼らが注いでいる努力は、本当に誇りに思っています」

劣勢の時間帯でも足を止めないこと。体を張り続けること。簡単ではない局面で、もう一度立ち上がること。その積み重ねこそが前進の原動力となっている。若い選手が多いこのチームは、成功体験も決して多くはない。それでも、毎週のトレーニングで高い基準を求め合い、グラウンドで体現しようとする姿勢は、これまでトップレベルの選手とプレー、あるいは指導してきた指揮官からも称賛の眼差しが送られている。

今節の『東日本大震災復興祈念試合』を前に、指揮官はチームと街の姿を重ねる。ラグビーをとおして、この地域を代表する。1秒ごとを戦い抜く姿で、“釜石”の強さを体現する。対戦相手がどこであろうと、状況がどうであろうと、示すべきものは変わらない。

自分たちは何者なのか──。その問いへの答えを完成された形で示すのにはまだ時間が掛かるだろう。それでも、若く、真摯な努力を続けるチームは確かにその輪郭をつかみ始めている。

タフに。強く。あきらめずに。この街のように戦う。

チームが示そうとしている姿勢は、震災から立ち上がり続けてきた釜石という街の姿そのものだ。そしてそれは、これからもチームが背負い、体現し続けなければならない“使命”でもある。

問い続ける限り、歩みは止まらない。

釜石のチームとして。釜石で暮らす一人として。釜石SWはその答えを、グラウンドで証明し続ける。

(髙橋拓磨)

2026.03.06[花園L]家族と離れても。スピードスターを突き動かす昇格への渇望

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第7節
2026年3月7日(土)13:00 釜石鵜住居復興スタジアム (岩手県)
日本製鉄釜石シーウェイブス vs 花園近鉄ライナーズ

花園近鉄ライナーズ(D2)

あえて単身赴任のかたちでチームの寮に引っ越し。花園近鉄ライナーズの木村朋也バイスキャプテン

花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)に頼もしい男が帰ってくる。第4節のレッドハリケーンズ大阪戦で負傷後、2試合欠場が続いていた木村朋也が日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)で先発する。

現在、ディビジョン2では豊田自動織機シャトルズ愛知のチャンス・ペニと並んで最多の7トライをゲットしている木村は、今季は出場した4試合すべてでトライを奪ってきた。

花園Lが誇るスピードスターの好調さを支えるのは秘めた決意である。

昨年12月の開幕前、木村は若手時代を過ごした花園Lの寮に再び身を置いていた。

「何かが大きく変わるわけじゃないんですが、時間をうまく使えますし、チームに対して自分がいいプレーをするために寮に入らせてもらいました」

昨年の12月25日には第3子が誕生し、本来であれば家族とより長い時間を過ごしたいはずだが、「良きパパでありたい」という思い以上に花園LをD1に昇格させるという渇望のほうが強かった。

「『通うのも大変やし、寮に入ったらラクになるのと違う?』と妻も言ってくれました」と明かした木村は「ほぼ単身赴任の状態でやらせてもらっています」と照れ笑い。

そんな妻のサポートや理解は、ラグビーに取り組む姿勢にも好影響を与えている。

3月5日の練習後、居残りで取り組んだのは坂口丈史ヘッドS&Cコーチとのスピードトレーニングだ。

かたわらには釜石SW戦でともにウイングとしてピッチに立つ中川湧眞の姿もあったが、さらなる速さを求める中川とは異なり、すでに「フェラーリ」の異名を持つ木村が意識するのは「燃費の改善」である。

「スピードを上げるというよりは、綺麗な走り方を習得することで試合中の80分を効率的かつフルに走れるようにという意図があります」と木村は話す。

木村をバイスキャプテンの一人に選んだ太田春樹監督は「私自身も彼を信頼しているのでリーダーの一人にも選定しています」と語っていた。木村のピッチ内外での振る舞いを見れば、その人選も納得だ。

花園Lが誇るスピードスターは家族への思いとチーム愛を背負いながら、ピッチを駆ける。

(下薗昌記)

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