2026.05.28[神戸S]受け取ったバトンは次の世代へ。アーディ・サベアがフィールドで示す思い

NTTジャパンラグビー リーグワン2025ー26
プレーオフトーナメント準決勝
2026年5月30日(土)12:05 秩父宮ラグビー場 (東京都)
コベルコ神戸スティーラーズ vs 東京サントリーサンゴリアス

コベルコ神戸スティーラーズ(D1)

コベルコ神戸スティーラーズのアーディ・サベア選手。「一貫性をもつこともすごく大事ですけど、どれだけ楽しむことができるか」

オールブラックスことニュージーランド代表で106キャップを数え、2023年にはワールドラグビー男子15人制年間最優秀選手賞に輝いた、コベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)のアーディ・サベア。世界のラグビー界を代表する、まさにスーパースターだ。

そんな彼にも苦しんだ時期はあった。およそ9年前、オールブラックス、ハリケーンズ(ニュージーランド)でプレーしていたころ、メンバーに入れない難しさに直面した。「やっぱり自分の頭の中とのバトルになると思います」。葛藤との対峙。それは多くの人を魅了し、圧巻のパフォーマンスでスタジアムを沸かせるバックローでも経験してきたことだ。

「自分の頭の中でグチャグチャに考えてしまうのではなく、そこでどれだけ楽しめるか。そこに立ち返ることができたので、壁を乗り越えられたかなと思います」

神戸Sの若い世代を中心に、サベアから「多くのことを学んでいる」という話をよく耳にする。圧巻のスキル、前を向く心。自らの行動をもって、多くのメッセージを発信するサベアだが、自身の若いころも同様に多くのことを学んだという。元ニュージーランド代表のマア・ノヌーの名前を挙げつつ、こう語ってくれた。

「そうやってリスペクトした選手に関しては、口数よりもどちらかというと行動で示す選手が多かった。そこから学んだというのが最もあると思います。自分のチームがどうすればベストなパフォーマンスを出せるのか。それを分かった上で行動しているところがあったので、そこを参考にさせてもらっていますね」

学んだことを次代につなぐ。32歳は若い世代にメッセージを贈る。

「楽しむ。一貫性をもつ。一貫性は自分の準備から来る。そこを理解して取り組んでもらいたいと思います。そして、一貫性をもつこともすごく大事ですけど、どれだけ楽しむことができるか。ラグビーすること自体を楽しめるように。そこを失ってしまってはいけません」

5月2日の第17節・三重ホンダヒート戦。メンバー外だったサベアは、戦う選手たちに水を届ける給水係を担当。フィールド外から仲間を支えたが、茶目っ気たっぷりにこう振り返った。

「ウォーターボーイはもうやりたくないです。プレーしたかった。仲間と一緒にちゃんと走りたいので、もうウォーターボーイはなしでお願いします(笑)」

共闘への思いを存分に込め、サベアはプレーオフトーナメント準決勝のフィールドに立つ。いつもどおり、激しく勇敢に。それでいて、とても楽しそうに。

(小野慶太)

2026.05.28[東京SG]「真正面から打ち砕く」。日本一のスクラムの証明へ、竹内柊平は垣永真之介のぶんまで

NTTジャパンラグビー リーグワン2025ー26
プレーオフトーナメント準決勝
2026年5月30日(土)12:05 秩父宮ラグビー場 (東京都)
コベルコ神戸スティーラーズ vs 東京サントリーサンゴリアス

東京サントリーサンゴリアス(D1)

東京サントリーサンゴリアスの竹内柊平選手。「普段とは違う重みのジャージー」に袖を通し、3番で先発する

1年前のこの時期は、ディビジョン2との入替戦を戦っていた。東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)の黄色いジャージーに袖をとおすいまは、日本一を懸けたプレーオフトーナメントの只中にいる。

「自分でも想像できないキャリアを歩んでいると思います。でも、僕はまだ準決勝に来ただけ。この移籍を『正しかった』と大手を振って言えるかどうかは自分次第だし、それはすべてが終わったあとになります。まずは準決勝で、言葉ではなくプレーで証明したい」

こう語るのは、「世界一の3番になるためにサンゴリアスにやって来ました」と語る竹内柊平。コベルコ神戸スティーラーズ(以下、神戸S)とのプレーオフトーナメント準決勝では、いくつもの思いを背負って舞台に立つ。

一つは、今季限りでの引退を表明したプロップの先輩・垣永真之介への惜別。竹内が浦安D-Rocksから東京SGへの移籍を決断するに当たって、背中を押してくれた恩人だ。

「僕は垣永さんとの競争に負けて2023年のラグビーワールドカップには出られませんでした。そのライバルだった垣永さんが『一緒にやろう』と誘ってくれて、たくさんのことを教えてくれました。引退を表明したいま、垣永さんは誰よりも試合に出たいはず。僕はその思いも背負ってジャージーを着させてもらっている。普段とは違う重みのジャージーなんです」

準々決勝でスクラムを制した際には、「垣永シャウト」を彷彿とさせるように竹内もまた雄叫びを上げ、チームを奮い立たせる姿があった。

そして、特別な意識を向けるプロップは対戦相手にもいる。神戸Sの1番、髙尾時流。大学の1学年先輩に当たる。

「九州共立大学の先輩と秩父宮でスクラムが組めるなんて本当に特別です。僕も時流さんも高校時代は無名で、そこからこの舞台まで上がってこれたわけですから。これまでにもマッチアップはありますが、まだ勝利できたことがないので、このプレーオフトーナメントで仕留めたいです」

髙尾を軸とした神戸Sのスクラムは「リーグで一番強い。だからこそ負けられない」と力強く語る。

「時流さんはフィジカルが強いし、3番の山下裕史さんはテクニックがすごい。その神戸S相手に勝ち切って、『日本一強いスクラムはサンゴリアスだ』と証明したいです。そのためには、相手がパーだからこっちはチョキ、といった変化ではなく、自分たちの武器を磨き続け、真正面から打ち砕くだけです」

(オグマナオト)

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