2026.05.20[狭山RG]父として迎える初めての試合。己を信じ、家族と仲間のために

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
D2/D3入替戦[D2 7位 vs D3 2位]第1戦
2026年5月22日(金)19:00 いわぎんスタジアム (岩手県)
日本製鉄釜石シーウェイブス vs 狭山セコムラガッツ

狭山セコムラガッツ(D3)

第1子が生まれたばかり、狭山セコムラガッツのフィシプナ・トゥイアキ選手。「奥さんと子供のためにも、ラグビーをもっと頑張らなければという気持ちも強くなりました」

リーグワン参入から2シーズン連続で入替戦進出を果たした狭山セコムラガッツ(以下、狭山RG)。ディビジョン3優勝にはあと一歩及ばなかったが、712得点と246失点はD3でトップの数字を記録し、攻守にわたり昨季よりもレベルアップしたチーム力を見せつけた。

そんなチーム状況もあり、バックスの要であるフィシプナ・トゥイアキは、「昨季とは違うプレッシャーの中で迎える入替戦。今まで自分たちがやってきたことを信じて、全員が同じマインドで初戦に挑みたい」と口にする。

日本航空高等学校石川に入学したタイミングから今年で来日16年目、天理大学卒業後の2018年にセコムラガッツ(当時)に加入し、7人制日本代表にも選出され、桜のジャージーにも袖をとおした経験をもつ。2022年には自身のさらなるレベルアップを誓い、三菱重工相模原ダイナボアーズへ移籍。そして狭山RGがリーグワン参入を果たした昨季に古巣へと戻ってきた。そんなトゥイアキにとって、今回の入替戦は、特別な意味をもつ。それは、5月中旬に第1子が誕生し、父親として初めて迎える試合となるからだ。

「元気に生まれてきたことが一番うれしかった。初めて抱っこしたときは本当にかわいくて。これからは家族3人での新しい生活がスタートするので、父親としてもしっかりやっていきたい。そして奥さんと子供のためにも、ラグビーをもっと頑張らなければという気持ちも強くなりました。一つの節目となる今回の入替戦は、いろいろな感情があふれる試合になると思います」

入替戦1試合目は、ナイター開催。メンバーの大半が初めての経験になるだけに、チームは1日だけだが、ナイターの練習をスケジュールに組んだ。しかしトゥイアキは、子供が生まれたタイミングでもあり、その日の練習には参加できなかったという。「大学時代やトップイーストのときは、夜に練習していたこともあるので、特に心配はしていません」と笑顔を見せた。

相手は、伝統の泥臭いハードワークを武器とする日本製鉄釜石シーウェイブス。「最初の10分、20分で自分たちの戦いにもち込めれば、絶対に勝てる」と語り、「今季の成績が残せたのも、ドミネーター(狭山RGのノンメンバーの愛称)が、メンバーに強いプレッシャーを掛け続けたからこそ。だから、ドミネーターへの恩返しのためにも勝たなければいけない」と気持ちを引き締めた。

生まれてきた子供のため、そして日ごろから支えてくれるチームメートとスタッフのため。プナ(トゥイアキの愛称)は己を信じて、重要な一戦に挑む。

(松野友克)

2026.05.20[釜石SW]「あきらめないことが根幹」。未来と誇りのため、絶対に譲れぬものを勝ち取りにいく

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
D2/D3入替戦[D2 7位 vs D3 2位]第1戦
2026年5月22日(金)19:00 いわぎんスタジアム (岩手県)
日本製鉄釜石シーウェイブス vs 狭山セコムラガッツ

日本製鉄釜石シーウェイブス(D2)

日本製鉄釜石シーウェイブスのトンガ モセセ選手。「釜石のプライドをもって戦うしかない」

8連敗。悔しさの残る形でレギュラーシーズンを終えたいまも、トンガ モセセの視線は、すでにその先へ向いている。

「昨季より、ディフェンスは良くなっていたと思います」

今季を振り返ったとき、まず口にしたのは確かな手ごたえだった。シーズン前半は上位相手にも真っ向から渡り合い、自信をつかみかけた時期もあった。タックルで前に出る。体をぶつけ続ける。日本製鉄釜石シーウェイブス(以下、釜石SW)らしい泥臭さと粘り強さは、確かにチームの武器になっていた。一方で、後半戦に入ると、少しずつ歯車が狂い始める。

足りなかったのは遂行力。あと一歩でトライを取り切れる場面で起きるハンドリングエラー。焦りから選んでしまう難しいパス。フェーズを重ねれば崩せるはずなのに、どこかで“急いでしまう”感覚があったという。

「連敗が続いて、どこかに焦りはあったと思います」。勝ちたい気持ちが強いからこそ、プレーが前のめりになる。その悪循環が、後半戦の苦しさにもつながっていた。

だからこそ、D2/D3入替戦へ向かういま、チームが見つめ直しているのは原点だ。「取り急がないこと。しっかりフェーズを重ねること」。派手さではなく、積み重ね。練習でできないことは、試合でもできない。「練習のミスは、絶対に試合にも出る」という34歳のベテランは、この状況を誰よりも理解している。当然ディビジョン2残留というプレッシャーはある。それでも、まっすぐな視線で言う。「釜石のプライドをもって戦うしかない」。これからの2試合は守るのではなく、絶対に譲れないものを勝ち取りにいく戦いだ。

レギュラーシーズン終了後のオフ。チームではバーベキューや食事会が開かれた。今季限りで退団する選手たちと過ごす、限られた時間でもあった。

「最後、いい形で送り出したい」

トンガで育ち、高校生のころから日本で戦い続けてきた。その中にあった多くの出会い、多くの別れ。その積み重ねの中で、彼が変わらず大切にしてきたものがある。

「あきらめないこと。これが自分の根幹です」

苦しい状況でも下を向かない。流れが悪くても、80分間戦い続ける。シンプルな言葉だが、その姿勢こそが、長く日本で戦い抜いてきたキャリアそのものだった。

残された戦いは、あと2試合。釜石SWの未来のために。ともに戦ってきた仲間のために。そして、この街の誇りを守るために。

トンガ モセセは最後まで、前を向き続ける。

(髙橋拓磨)

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