2026.05.28[浦安DR]我慢したからこそ学んだこと。最後の80分も「いつもどおり」の全力全開で

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
D1/D2入替戦[D1 11位 vs D2 2位]第2戦
2026年5月30日(土)14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
浦安D-Rocks vs 清水建設江東ブルーシャークス

浦安D-Rocks(D1)

浦安D-Rocksの武内慎選手

溜め込んだエネルギーを解き放つようにグラウンドを駆け回る選手がいる。武内慎だ。第3節で先発し今季初出場を果たすと、そこからコンスタントに試合に絡み続け、シーズン最後まで全力で駆け抜けようとしている。

リーグワン2シーズン目となった昨季は、悔しい時間ばかりを過ごしていた。ルーキーイヤーの2023-24シーズンはD1/D2入替戦の舞台にも立ち、ディビジョン1昇格に貢献。充実したキャリアを歩みはじめたと思われた。ところが、その翌シーズンは試練が待ち受けていた。出場はわずか3試合のみ。外からグラウンドを眺める時間が続いた。

「試合に出ることをうまくいくとするなら、なかなかうまくいかないと思いながら、ずっともがいていました」

それでも、足を止めなかった。気持ちも切らさなかった。そして、周りの声に耳を傾け続けた。「困難に向かっていく気持ちと怒りのようなものをパワーに変えていました。やっぱり、悔しさが原動力でした」。その姿勢が最後の最後に実る。D1残留を決めたD1/D2入替戦の第2戦で約5カ月ぶりのメンバー入りをつかみ、逆転残留に力を貸した。

「今季は試合に出たからこその学びがありますけど、昨季は出られなかったからこその学びがすごくありました。昨季で学んだ『どんな状況でも気持ちを切らさないこと』を今季はずっと意識してできましたし、自分の持ち味をチームに必要としてもらって試合に出続けられたことはすごくいい経験になりました」

今季はメンバーにすっかり定着。充実のシーズンとなった

昨季に味わった我慢と踏ん張りが、今季のハイパフォーマンスに強く太くつながった。ロックやフランカーのポジションを主戦場とし、多いときには1試合で約8kmも走る自慢の運動量を武器に、チームのためならジャージーが汚れることを厭わず闘い続けてきた。その姿勢は自身3度目となる入替戦の舞台でも変わらない。「自分はスペシャルな選手ではないので」と笑う25歳は、ビッグゲームでのマインドを心得ている。

「入替戦の雰囲気は独特です。自分たちも昇格したからこそ分かりますけど、2部のチームのほうが食ってやろうという勢いがあるものです。だからこそ、特別なことはせず、いつもどおりにやる。練習でやってきたことしか出せないと思っているので、いつもどおりの準備をして、いつもどおりのマインドで今季積み上げてきたものを出す。それが一番リラックスして試合に臨めると思っています」

自分のすべてをぶつける覚悟はできている。今季を締めくくるラスト80分、武内は全力全開で走り抜く。

(須賀大輔)

2026.05.28[江東BS]若きキャプテンが過ごした濃密な1年。リーダーとして示す今季の集大成

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
D1/D2入替戦[D1 11位 vs D2 2位]第2戦
2026年5月30日(土)14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
浦安D-Rocks vs 清水建設江東ブルーシャークス

清水建設江東ブルーシャークス(D2)

清水建設江東ブルーシャークスの安達航洋キャプテン。「こいつがいないとダメだなって思われるようなプレーヤーになりたい」

「1シーズンでしたけど、ラグビー人生を全部詰め込んだぐらいの密度の濃さというか、それぐらい個人的にはいろいろあったシーズンでした」

清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)に入団して2年目。今季からキャプテンを務める安達航洋は、この半年をそう振り返った。

今までとは、見える景色が変わった。

「自分のプレーだけに集中すればいい状況ではなくなりました。チームのことをより考えるようになりましたし、自分がいいプレーをしてもチームが勝たなかったら落ち込みますし、どう改善しないといけないのかを考えることが増えました」

最も悔しかったのは、第5節・花園近鉄ライナーズ戦。4連勝で迎えた一戦だが、勝利が見えかけた後半40分に逆転トライを許した。その敗戦を引きずったまま、第6節の豊田自動織機シャトルズ愛知戦に入り、大敗を喫した。

「チームのみんなにも切り替えないといけないって口では言っていましたけど、自分が一番切り替えられていなかったのかもしれないです」

変化を感じたのは、シーズン終盤だ。第11節・レッドハリケーンズ大阪戦に敗れ、D1/D2入替戦進出が厳しくなったとき、安達は「落ち込んでいる場合じゃない」と思えたという。

「チーム全体としても、もうやるしかないという雰囲気になっていたので、自然と自分も切り替えられたのかなと」

若きキャプテンは少しずつ、必要な術を身につけてきた。一方で、プレーヤーとしての悔しさもある。今季はリザーブに回る試合もあった。

「キャプテンは常にピッチに立って、鼓舞したりプレーを選択したりしないといけない、と思ってシーズンに入りました。でも、自分の実力不足で何試合かリザーブにもなってしまいました。それは本当に悔しい気持ちが大きいです」

それでも、リザーブならリザーブの役割を全うするだけだという。

江東BSに加入してから、安達はロックだけでなくフランカーにも挑戦してきた。横の動きやスクラム後の動き出しなど、慣れ親しんだロックとは違う動作を、シーズンをとおして学び続けてきた。

「もっと先頭に立って、今季だったらシオネ(・タリトゥイ)のように、ディフェンスで常にスタンダードを高くして、前に出てタックルしていく姿勢を自分も見せたいです」

目指すのは、替えの利かない選手だ。

「こいつがいないとダメだなって思われるようなプレーヤーになりたいです。タックル、ラインアウト、ワークレート、キャプテンとしての発言や姿勢。そういったところでもチームのトップになって、替えの利かない選手になりたいです」

そして迎えるD1/D2入替戦 第2戦。第1戦のスコアが15-37となった中で、江東BSがディビジョン1へ昇格するためには、勝ち点5の獲得、もしくは23点差をつけて勝利を手にする必要がある。

厳しい状況だが、成長したキャプテンの言葉はシンプルだった。

「もう自分たちがやってきたことをやって、通用するかどうかだけなので。相手に合わせるのではなく、自分たちの120%を出すことに、みんながフォーカスできていると思います」

キャプテンとして悩み、プレーヤーとして悔しさを味わい、それでも前を向いてきたシーズン。そのすべてを持って、最後の80分へ向かう。

「もうやるだけです」

若きキャプテンが積み重ねてきた濃密な1年の答えは、この最終戦のピッチにある。

(奥田明日美)

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