2026.05.28[S愛知]恩返しは、勝利で。尊敬する“ジャマ”への思いを逆転勝利の原動力に

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
D1/D2入替戦[D1 12位 vs D2 1位]第2戦
2026年5月30日(土)13:00 厚木市荻野運動公園競技場 (神奈川県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs 豊田自動織機シャトルズ愛知

豊田自動織機シャトルズ愛知(D2)

豊田自動織機シャトルズ愛知の中村大志選手。引退するジェームズ・ガスケル クラブキャプテンのために「結果で彼に恩返ししたいです」

22点差を追いかけ、厚木市荻野運動公園競技場に乗り込む豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)。今季を締めくくる集大成として、これまで積み上げてきたものをすべて発揮する試合にしたい。

誰一人として下を向いていない。点差に対してプレッシャーが掛かっているわけでもない。「いい意味で開き直って、このチームの100%を一人のファンのような目線で見たいと思っています」と徳野洋一ヘッドコーチ。自分たちのすべてを発揮できなかった第1戦を踏まえ、悔いの残らないように最後の1週間を過ごしている。

「絶望するような点差ではないですし、気負い過ぎずしっかり準備したいです」と語るのは中村大志。今季はわずか1試合に欠場したのみで、日本人ロックとしてS愛知の屋台骨を支え続けた。この試合でトップリーグとリーグワン通算50キャップを迎える予定だが、特別な思いは「まったくないです」とキッパリ。ただ、それとはまた別の思いをもっている。

「ジャマ(ジェームズ・ガスケルの愛称)がこれまでの素晴らしいキャリアに終止符を打つということで、このクラブでの4年間、試合でもそれ以外でも、彼の貢献は数字では表せません。僕個人としては、結果で彼に恩返ししたいです」

5月22日に今季限りでの現役引退を発表したジェームズ・ガスケル。中村はガスケルと4番・5番のコンビで、4シーズンで18試合を戦った。シーズン前の合宿でルームメートだったこともあり、その絆は固い。残念ながら今季は一度(第14節)しか同じ試合のグラウンドに同時に立つことはできなかったが、今週は彼とプレーできる最後の1週間でもある。

ガスケルについて「でき過ぎた人間ですね。言葉に力があって、プレーでも示してこのチームを引っ張ってくれました。ありがたい存在でした」と中村は尊敬の念を抱く。もちろん中村のみならず、チーム全員が“ジャマのために”という思いで試合に臨もうとしている。

すべてを出し切った先にある歓喜を目指して。中村はガスケルを思う力を、逆転昇格の原動力にする。

(齋藤弦)

2026.05.28[相模原DB]エナジーを絶やさず、笑顔を絶やさず。チームを照らし続けた男が今季最後の80分へ

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
D1/D2入替戦[D1 12位 vs D2 1位]第2戦
2026年5月30日(土)13:00 厚木市荻野運動公園競技場 (神奈川県)
三菱重工相模原ダイナボアーズ vs 豊田自動織機シャトルズ愛知

三菱重工相模原ダイナボアーズ(D1)

三菱重工相模原ダイナボアーズのエピネリ・ウルイヴァイティ選手。「1分から80分まで、すべての瞬間が楽しい」

D1/D2入替戦で先勝し、レギュラーシーズンを含めて7試合ぶりの勝利を挙げた三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)。週明けの火曜は、全選手が一団となってパスを回すジョグで全体練習を締めくくった。

「もちろん、良い雰囲気です。チーム全体が非常に前向きになっています」と、エピネリ・ウルイヴァイティは語る。

結果が出ない期間でもポジティブな空気はあったが、勝利によってそれがより確かなものとなった。「今シーズン最後の試合に向けて、全員が良い準備をしています」という言葉からは、チームの結束の高まりがうかがえる。

その結束を陰で支えてきたのがウルイヴァイティだ。連敗中も、試合後に選手たちのグループLINEへ積極的にメッセージを送り続けていた。「来週からまた頑張ろう」というシンプルな一言が、落ち込みがちなチームにエネルギーを与えていた。

本人は「チームにエネルギーを与えたくて、自分からやっています」と話す。特に自身が試合に出られない週ほど、その思いは強くなるという。その行動は特別な使命感ではなく、自然に湧き上がる仲間への思いやりに根差している。

安昌豪も、ウルイヴァイティの存在感を強く感じている一人だ。「エピの大きな笑い声がクラブハウスに響くだけで、自然とみんなが笑顔になります。彼がいるだけで空気が明るくなる。チーム全員が助けられています」。

ウルイヴァイティのラグビー観にも、その人間性が表れている。「ラグビーは仕事」としながらも、「1分から80分まで、すべての瞬間が楽しい」と語る。疲労を感じながらも「自分が選んだ道」と受け止め、どんな結果でもすぐに「次の仕事」に目を向ける。その姿勢はプレーだけでなく、チーム文化にも良い影響を与えている。

迎える入替戦第2戦。

「相手もフィジカルに来る。自分たちも正面からぶつかる」と語り、真っ向勝負を見据える。その中で彼が求めるのは結果だけではない。「勝負を楽しみながら、最高の形で締めくくりたい」という言葉に、仲間とともに戦う時間への強い思いがにじむ。

連敗を乗り越え、再び前を向いた相模原DB。チームの中心で笑い続けるエピネリ・ウルイヴァイティは、最後の80分でどんな輝きを見せるだろうか。

(宮本隆介)

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