2022.05.16NTTリーグワン 2022 D1 第16節レポート(静岡BR 29-33 BL東京)

NTTジャパンラグビー リーグワン2022 ディビジョン1(リーグ戦) 第16節 カンファレンスB
2022年5月8日(日) 14:30 ヤマハスタジアム(磐田) (静岡県)
 静岡ブルーレヴズ 29-33 東芝ブレイブルーパス東京

東芝ブレイブルーパス東京の右から、トッド・ブラックアダー ヘッドコーチ、德永祥尭 共同キャプテン、リーチ マイケル選手

東芝ブレイブルーパス東京
トッド・ブラックアダー ヘッドコーチ

「自分達のチームを誇りに思います。德永選手をはじめ、チームがいいスピリットを見せられたと思います。試合のいろいろな部分でうまくいかないところもありましたが、一番うれしかったことは自分たちの信念を信じ続けることができたことであり、試合中気持ちが途切れることなく最後は勝利をつかみ取ることができたことです。これから今日学んだことを生かすことが大事であり、大変素晴らしいプレーをしたブルーレヴズさんにもおめでとうと言いたいです。来場していただいたファンも素晴らしく、本当にいい試合ができたと思います。ありがとうございました」

──静岡ブルーレヴズと2月に対戦したときは序盤から大差で有利な試合運びだったが、今日はリードされての最後の逆転勝ちとなり、前回と今回でやりにくさはあったか?

「静岡ブルーレヴズは前回2月に戦ったときより強いチームになっていると感じました。セットピースも素晴らしく、ブレイクダウンも容赦なくプレッシャーをかけてきました。プレーの仕方も2月とずいぶん変わってきて、ラインアウトから中央部でキャリーしてきて、プレーするときに常に人数が揃っていました。かなり勢いを取り戻してきていると分かっていたので力を入れて準備をしてきました」

東芝ブレイブルーパス東京
德永祥尭 共同キャプテン

「今週を迎えるにあたって、プレーオフ進出は決まっていたが、上っていくためには越えていかなければいけない場所という意識でプレーしていました。この試合で勝って成長しなくてはいけないし、自分たちのラグビーというのも見せなければいけないと思っていました。ブルーレヴズさんにもプレッシャーを受け自分たちのディシプリンを守れなかった時間もありましたが、結果的に勝って学べたということは自分たちにとってポジティブに捉えたいです」

──プレーオフが決まった中でどのようなメンタリティーだったか。

「自分たちが相手を下にみて勝てるチームではなく、メンバーを落として勝てるチームでもないので、毎試合毎試合自分たちのラグビーをして勝っていって成長していくという気持ちでいました」

──レギュラーシーズンを振り返っての感想と、K9やコーチの存在は?

「リーグ戦を振り返ってみて、2段階くらい成長の分岐点があり、その中でいい選択ができて成長できました。自分たちも最初は規律が悪く負けが続いていましたが徐々に良くなり、試合を重ねるたびに自分たちの強みが分かってきました。K9(東芝BLでいうベンチ外選手)に関しては毎週毎週ハードにトレーニングしてくれて、正直試合よりきついと感じるときもあります。自分たちが出られないという悔しい気持ちは伝わってきますし、その分自分たちが試合に臨むときは負けられないし、変なプレーもできないし、本当にコンスタントに力を出してくれて感謝しています」

──今シーズンの自分のパフォーマンスについて良かった部分、これからのプレーオフ、代表戦に向けどういうプレーがしたいか?

「個人的には昨シーズンまでケガが多くて出られなかったので、今シーズンはコンスタントに出ることができ、毎週自分に課題があり、克服できるようテーマを決めてやっています。それが今シーズンのチームの結果とリンクしているので、満足できる部分もあるし、まだまだワークオンしていかなければならない部分もたくさんあります。これからプレーオフ、代表戦と続きますが何も変わらず今までやってきたことを積み上げて良くしていくだけです」

──静岡ブルーレヴズと2月に対戦したときは序盤から大差で有利な試合運びだったが、今日はリードされての最後の逆転勝ちとなり、前回と今回でやりにくさはあったか?

「プレーオフ進出が決まっている中でメンタルの維持は難しい部分ではありましたが、自分たちは成長していかなくてはいけないので、それは気にしないようにしてはいました。
前半のプレーを振り返ると自分たちのラグビーをしている時間が短かったので少しは関係していたのかもしれません。前回の試合はディフェンスやブレイクダウンのプレッシャーが厳しく、テンポよくアタックしているつもりが自分たちに(テンポよく)出すことができませんでした。セットプレーもレヴズを引っぱる日野さんと伊藤さんが帰ってきて、スクラムとラインアウトの部分でプレッシャーを受けた感があります」

東芝ブレイブルーパス東京
リーチ マイケル選手

「2週連続多くのファンの前でプレーできたことをうれしく思います。先週も今週も難しい試合ではありましたが、プレーオフが決まった状態でさらにブレイブルーパス東京として成長しなければならない試合でした。内容は別としてプレーオフに向けチームとして何をしなければならないか、もう一度振り返って準備をしたいです。今日の試合からたくさん得るものがありましたので、いいプレーができると思います。ファンもそうだと思いますが、ブレイブルーパス東京としてもワクワクした気持ちでいます。次のサントリー戦に向け最大の準備をして勝ちたいと思います」

──プレーオフが決まった中でどのようなメンタリティーだったか。

「その(德永 共同キャプテンの言った)通りです。私たちはチャレンジャーなので、どのような相手でも同じ準備をするだけです」

──前半にブルーレヴズがいいプレーをしていたが、外から見てどう感じたか。

「連続してミスが続いていたので悪い流れがあり、ブルーレヴズにいい勢いを与えていたのは当然でした。その中でも我々もセットプレーがある程度安定してきているなと思っていました」

──レギュラーシーズンを振り返っての感想と、K9やコーチの存在は。

「德永 共同キャプテンと同じです。コーチ陣のメッセージが強いのも同じで、勝っても負けても態度を変えずにいつもハードにやってくれるのは選手にとっては良かったと思いますし、負けた後の試合に態度が変わったり戦術を変えたりということもなく、やることは一貫しているのでここまで成長できたところだと思います」

──今日、勝っても負けても位置は変わらないが今日勝ちきった意味は?

「勢いを持ってプレーをするのが一番だと思います。今日の試合でいいところもあれば修正しなくてはいけないところもあり、東芝ブレイブルーパス東京が100%力を出すには何をしなくてはいけないかこの試合で明確になったので、再来週の試合に向けいい準備をしなくてはいけないと思っています」

──今シーズンの自分のパフォーマンスについて良かった部分、これからのプレーオフ、代表戦に向けどういうプレーがしたいか?

「自分のプレーを振り返ってみるとシーズンを通して前半より良くなってきています。ブレイブルーパス東京にバックローの選手がたくさんいて、マット・トッド選手が常にハードワークをしていて、それを真似している成果が出てきているのではないかと思います。サム・ワードFWコーチと一つ一つ課題をクリアしながらやってきているのが、自分の中でラグビーを楽しめている理由になっています」

静岡ブルーレヴズの堀川隆延監督(右)、大戸裕矢キャプテン

静岡ブルーレヴズ
堀川隆延監督

「自分たちの創り上げているレヴズスタイルの成果が確実に見えているゲームの中で、トップのチームに最後の最後で逆転されるという試合が続いていますが、このチームに足りない何かがまだまだあるのだろうと感じています。それが何なのかを、来季に向けて準備期間があるので、しっかりそれを見つけて成長に繋げたいと思います。
今年1年間、本当に厳しいトレーニングをやってきて、選手たちは1試合1試合成長を見せてくれました。そういった選手を誇りに思いますし、来季は勝たせてあげたいです。私たちコーチ陣もしっかり学んで、勝ち切る力をつけて来季戻ってきたいと思います」

──今季成長した点、足りなかった点を具体的に。

「ヤマハ発動機ジュビロ時代から掲げていたセットプレーラグビーというものが、静岡ブルーレヴズになっても我々の強みということで取り組んできました。レギュラーの選手とその次にくる選手との差が結構ありましたが、そのような選手たちが試合を経験する中で、自分たちが一番大切にしているスクラムのスキルを身につけました。若い選手が育ってきているというのは本当に大きな成長だと思います。自分たちのもう一つの強みであるディフェンスの強みも、今シーズンもう一度取り戻して成長できたと思います。また、革新的に、これまで大きくボールを動かしてきたラグビーを少しゲインラインにフォーカスするアタックに変えましたが、自分たちのオリジナリティをつくりだすまでには至っていないとは思いますので、来シーズンの大きな伸びしろかと思っています。我々の最大の強みであるスクラムを磨いて、突き抜けて成長できるようにこれからいいプランニングをして準備していきたいと思います」

静岡ブルーレヴズ
大戸裕矢キャプテン

「メインスポンサーの方々、パートナー企業の皆様、ファンの皆様、今シーズン応援ありがとうございました。今日の試合に限らず、1ケタで負けるという、泣きたくなるような悔しい試合が何試合かありましたが、来シーズンは、ゼロからスタートではなく、今日この瞬間からのスタートにしたいと思っています。シーズンを通して、本当に成長しているという実感もありましたし、トップ4に入るには、まだまだ足りないものもありました。チームとして成長している分、何が足りないかを突き詰めながらオフシーズンを過ごして、来シーズン強いブルーレヴズをまた皆様にお見せできるように頑張っていきたいと思います。今シーズンありがとうございました」

──最後の10分はどのような状態だったのか。

「ボールを奪い返してくれるような選手(スミス選手)がイエローカードになってしまい、かなり我慢の時間になると思っており、耐えながらディフェンスはできていましたが、ペナルティであったり、ディフェンスの出口が見えなくなったような感じでした。耐えてはいるものの、どこでボールを取り返せるかといったところが、みんな出口がなかったなと思います」

──80分間で悔やまれることがあれば。

「最初の敵陣のペナルティでタッチを選択しましたが、1回目ラインアウトに成功し、もう一度反則をもらいもう一回タッチに出した場面で、スチールされてしまったのですが、やはりあの場面FWで取り切りたかった。残り5mだったので、取り切る力が足りなかったと悔やまれます」

静岡ブルーレヴズの河田和大選手(右)、田上 稔選手

静岡ブルーレヴズ
河田和大選手

「東芝のいいランナーを封じることをディフェンス面でもしっかり意識していましたが、よくできていて、FWでしっかりスクラムの部分でも勝つところが多く思い通りにできたとは思いますが、後半粘れませんでした」

──最後の場面で、どうすればよかったというのはあるか。

「ディフェンスのところで不要なペナルティなどがあったので、しっかり規律を守ってプレーできていれば試合も変わったのではないかなと思います。
(大戸キャプテンから出口がなかったという話もあったが)
前の試合でもFWのところでゴール前で点を取られることが多かったので、その場面を修正してきたところでした。あの場面で取られないようにできていれば勝てたのではないかと思います」

──シーズン中盤からスクラムで勝つ場面が増えたように思うが。

「試合を重ねるにつれて、自分の持ち味であるスクラムの部分では、成長を実感できるところが多くあり、今日みたいなトップチームが相手でも、レヴズのスクラムというのは武器になってくると思いますので、来季ももっと磨いていきたいです」

静岡ブルーレヴズ
田上 稔選手

「自分たちの準備してきたものは100%出す。そのように準備はしてきて、それについては出せたと思いますが、シーズンを通して、後半のあの場面で勝ち切れない自分たちの課題というのをこのシーズンでは克服できなかったというのが結果です。今回自分に与えられた役割はインパクトプレーヤーとして、後半勝ち切るためのメンバーに入っていましたが、勝ち切ることができなかったというのは、自分の実力不足もありますし、チームとしてもあそこを勝ち切る力というのは、これからトップ4に入って優勝を目指すチームになっていくには必要だと思いました」

──最後の場面であの時どうすればよかったというのはあるか。

「あの場面は両チームともに一番苦しい時間で、一番チーム力が問われる時間に、規律の部分で自分たちがペナルティをしてしまう、自分たちが80分通してやらなければいけないことが遂行できなくなった結果が今日の敗戦に繋がっていると思いますので、やはり一日一日の練習から、フィニッシュの部分、プレーの途切れる部分というのを意識していかないと、今日のような悔しい結果になるのかなと思います。
来シーズンに向けて、これから練習を積んでいきますが、やはりやり切るところ、トライを取り切るであったり、ディフェンスしきるというところをイメージして、声がけしてやっていきたいと思っています」

──ここが成長したからプレータイムが増えたと感じる部分は。

「大学時代に悔しい思いをして、なかなか出場機会に恵まれない時期がありましたので、自分に足りないところを見つめ直そうと思って入団し、矢富さんを含め日本の中でもトップの選手と一緒に練習していく中で、自分に足りない部分というのがわかってきて、どのような練習をすれば成長できるというのを明確にプランニングした上で、誰よりも努力したというつもりはあり、それを積み重ねた結果、チャンスをいただいたというのはすごく嬉しく思います。明確に歩んできた道が自分の中であるので、出場停止期間でも、もう一度そこに立ち返って、もう一度活躍するための準備は再現性があるのかなと思っていますので、来季もポジション争いが厳しくなると思いますが、しっかりそこで自分の内側に矢印を向けてしっかり成長をして、またピッチに立てるようにしていきたいと思います。
(一番伸びたなと思うところは)レヴズスタイルをどこまで深く理解できるかかと思います。やはり9番、10番というのは、他の選手よりもより深く理解して、みんなに浸透させるのが仕事だと思いますので、そこを勉強するとともに、自分の特徴であるランニングであったり、強気の判断をレヴズスタイルの中でどう体現するかというのを考えてプレーした結果が、今シーズンのこのような形になったのかなと思います」

──トライのシーンで感情を爆発させるシーンがあったが、その時の想いは。

「小さい時からテレビで見ていたスタジアムで自分がプレーしているというだけでも感慨深いのですが、ゲームが左右される時間帯にスコアできたというのはとても嬉しく、インパクトメンバーで自分がトライすると周りも元気づくので、そこは思いっきり感情を爆発させようと思って、あのような感じになってしまいました。
(ファンの方の大きな声援を受けて感じたことは)チームが大きな変換期で、ヤマハ発動機ジュビロから静岡ブルーレヴズになり、「ALL FOR SHIZUOKA」として静岡全体で戦っていこうと自分たちも思ってプレーしていますが、このようにスタジアムに静岡の方がいっぱい来てくださって、一緒に戦えるというのはすごく嬉しいです。まだまだスタンドは満員ではなく、自分たちの歩み方によってスタンドが満員になっていくのかなと思っていますので、しっかり準備して、来シーズンまたいい試合ができるように積み重ねていきたいと思っています」

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