NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第1節(リーグ戦)カンファレンスA
2025年12月13日(土)14:05 ゼットエーオリプリスタジアム (千葉県)
浦安D-Rocks 27-24 三菱重工相模原ダイナボアーズ
初めての重責、初めての景色。抜擢に応えた“実質1年目”の若きゲームキャプテン
この試合の最大のサプライズは、若きゲームキャプテンの抜擢にあった。浦安D-Rocksはキャプテンの藤村琉士が不在で、その代わりをどの選手が務めるか注目であったが、抜擢されたのはアーリーエントリーの昨季にすでに5試合出場しているとはいえ、今季が“実質1年目”の佐々木柚樹であった。
グラハム・ラウンツリー ヘッドコーチはその意図をこう説明する。
「個人的にはフォワードにキャプテンがいることを好みます。それはバックスに対して何か思うということではないですが、D-Rocksの選手として戦い抜く姿勢を見せてくれる選手として、柚樹が真っ先に頭に浮かんだので指名しました」
当の本人は、「最初、言われたときは緊張しました」とその心境を明かしながらも、チームの先頭を切ってグラウンドに足を踏み入れた瞬間から、戦うスイッチをオン。強力なフォワード陣を擁する三菱重工相模原ダイナボアーズとのフィジカル勝負にも引かず、前半31分にはチームの今季初トライを記録。緊張でガチガチだった昨年3月の初キャップのときとはまるで異なり、チームを引っ張るリーダーとして逆転勝利に貢献し、プレーヤー・オブ・ザ・マッチにも選ばれた。
「公式戦でゲームキャプテンをやったことは今まで1回もなかったので正直ビックリしましたけど、ウィッグ(グラハム・ラウンツリー ヘッドコーチ)から『言葉は必要ないからプレーで見せてくれ』と言われたので、キャプテンらしくというよりも自分なりに、いつもどおりプレーすることを意識しました」(佐々木)
安堵した表情で試合後の会見に現れた姿や、その会見中にラウンツリー ヘッドコーチからプレーヤー・オブ・ザ・マッチの祝福を受けた際に見せたはにかんだ笑顔から伝わるように、グラウンドの外に出れば、そこはまだまだ22歳。それでも、伸び盛りの若者は「勝てたことで大きな自信を得られました」と力強く言い、「昨季と違い今季は、シーズン序盤から勝っていくことを意識して、連勝していきたいです」と、チーム全体に目を向け、すでに次を見ていた。
(須賀大輔)
浦安D-Rocks
浦安D-Rocksのグラハム・ラウンツリー ヘッドコーチ(右)、佐々木柚樹ゲームキャプテン浦安D-Rocks
グラハム・ラウンツリー ヘッドコーチ
「厳しい試合になりましたが、選手たちが頑張って戦い抜いてくれました。完璧にいかない部分はたくさんありましたし、気合いの入っていた相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)さんのフォワードや空中戦に苦しめられたところもありましたが、全体的には勝つことができて満足しています」
──就任してから初の公式戦となりましたが、どういう基準や意図で今回の15人や23人を選んだのでしょうか。
「プレシーズンで選手たちがハードワークして頑張ってくれたので、すごくいい競争がチーム内に生まれていて、その中でのベストメンバーを選ぼうと今回のメンバーを選びました。ただ、今日の試合では、ベストメンバーは選べましたが、自分たちのラグビーを見せるという意味では、まだ劣っていた部分、特にエラーの多さや、(佐々木)柚樹がさっき言っていたように規律のところで見せられなかったところがあるので、そこを今後修正していきたいと思います」
浦安D-Rocks
佐々木柚樹ゲームキャプテン
「まずは、相模原DBさんに勝つことができてうれしく思います。でも、80分をとおして規律の部分で自分たちの首を絞めることが多かったので、そこをしっかりとレビューして、次の試合はもっとアグレッシブにディフェンスもアタックもできたらなと思います」
──ゲームキャプテンに指名されたときの思いと、試合中に大事にしたことを教えてください。
「最初、ウィッグ(グラハム・ラウンツリー ヘッドコーチ)に言われたときは緊張しましたけど、ウィッグから『言葉は必要ないからプレーで見せてくれ』と言われたので、キャプテンらしくというよりも自分なりに、いつもどおりプレーすることを意識しました」
三菱重工相模原ダイナボアーズ
三菱重工相模原ダイナボアーズのグレン・ディレーニー ヘッドコーチ、吉田杏キャプテン三菱重工相模原ダイナボアーズ
グレン・ディレーニー ヘッドコーチ
「浦安D-Rocks(以下、浦安DR)のみなさん、おめでとうございます。われわれにもいっぱいチャンスはありましたけど、スキルの間違いで(勝機を)失ってしまったと思います。自分たちにミスがあり、トライを取り切れなかったところは物足りなかったですが、浦安DRさんが最後にいいトライを取って勝利したので、『おめでとうございました』と言いたいです」
──ジェームス・グレイソン選手が15番で出場しましたが、その意図とプレーの評価をお願いします。
「彼は10番と15番の両方をできる選手で三宅駿とともに両方ともボールを出せる選手を試合に出したいということで選びました。いいプレーを見せてくれましたし、いいトライを決めてくれたのでそこは満足しています」
三菱重工相模原ダイナボアーズ
吉田杏キャプテン
「自分たちにもいい部分はありましたけど、相手にチャンスを与えてしまうことがすごく多かったです。あれだけミスがあれば相手の流れになってしまうと思うので、そこはしっかりと次に向けて反省したいと思います」
──ミスが多かったという振り返りがありましたが、その原因をどう考えていますか。
「スクラムのところでは半年間積み上げてきたものがあるので、そこで結果は出ていたと思います。ただ、イエローカードの影響でいつもいるところにいなかったり、バランスやコミュニケーションが欠けていたりしたので、シチュエーションごとのコミュニケーションはもっと必要になってくると思います」



























