NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第10節(交流戦)
2026年3月1日(日)12:10 クラサスドーム大分(旧レゾナックドーム) (大分県)
横浜キヤノンイーグルス 10-28 クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
「やっぱり試合に勝たないと」。奮闘むなしく敗れるも、決して色褪せないベテランの雄姿
“ベテランの値打ち”を感じさせるプレーでチームを牽引した横浜キヤノンイーグルスの天野寿紀選手 終わってみれば、結果的に首位を走るクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)の“貫禄勝ち”だった。21対0のスコアで後半へ折り返したS東京ベイは、相手の猛反撃を2トライに食い止めると、終了間際の後半38分に1トライを加えて勝負を決めた。一方の横浜キヤノンイーグルスは、今季初の大分でのホストゲームを白星で飾れなかった。
「“ベテランの値打ち”を出したい」と決意して臨んだ今季初の先発試合。スクラムハーフの天野寿紀は早速の“有言実行”を果たした。序盤から相手のアタックを阻止するナイスタックルを連発。ベンチから戦況を見つめた庭井祐輔は「スクラムハーフとは思えない“魂のタックル”を何度も見せてくれた」と目を細めた。
「それが僕の役割ですから」と天野。「ビリー・ハーモンよりも力強いボールキャリーをできる選手はおらへん」と実感している天野は、そのハーモンとタックルテクニックの自主練習に取り組んできた成果を発揮し、「いつもどおりのタックルにいけた」と胸を張る。
“ベテランの妙技”は後半も健在だった。前半37分に負傷交替を余儀なくされた松井千士に代わって、左ウイングにスライドしていた35歳は、自慢のタックルでハラトア・ヴァイレアからノックフォワードのペナルティを誘発。その“ビッグプレー”で得たマイボールのスクラムから、結果的にチーム初のトライが生まれた。チーム初の得点直後の後半15分、途中交替で“お役御免”となった天野は、チームメートに逆転勝利を託したが、その願いは無念にも届かなかった。
「でもやっぱり試合に勝たないと」。試合前の宣言どおり、随所に“ベテランの値打ち”を発揮したとはいえ、チームが勝てなければ何も意味は成さない。それでも、今節の天野が、「イーグルスのスピリットを見せよう」と奮闘した姿は決して色褪せない。バイウィーク明けの挽回へ。天野が紡ぐ言葉にも自然と力がこもっていた。
「バイウィークで心も体もリフレッシュをして、もう一度、イーグルスとして大事なものや、何のためにラグビーをやっているのか。どういうチーム組織でいたいのか。僕なりに考えて、チームのためにできることをやる。それしかないと思っています」
(郡司聡)
横浜キヤノンイーグルス
横浜キヤノンイーグルスのレオン・マクドナルド ヘッドコーチ(右)、ジェシー・クリエル キャプテン横浜キヤノンイーグルス
レオン・マクドナルド ヘッドコーチ
「首位を走る強い相手に対して、勝負を仕掛けるという気持ちで臨みました。またフィジカルが強い相手に対して、ボールを動かしていくわれわれのラグビーをしようと勝負を挑みました。結果的に敗れはしましたが、われわれのフォワード陣は相手を上回る場面もあったため、今季の中でもベストの部類に入る試合ができました。自分たちの強みを発揮できているときは、危険なチームの姿を見せられました。相手が最後にダメ押しのトライを取るまでは多くの時間を要したように、80分間ファイトし続けることはできたと思います。ただ今季を象徴するように早めの時間帯で相手にリードされる展開を招き、われわれが追いかける形になりましたし、現実的には80分間、われわれのラグビーを展開できていません。40分、50分はチーム全体でいいプレーができているため、今後はそれを70分、80分に伸ばしていくことが今後の勝利につながると思っています」
──後半は見違えるような試合展開になりました。ハーフタイムに特別な指示を出したのでしょうか。
「事前にゲームプランを立てて練習してきたことを実行できず、前半の状況を招いた面もありました。ハーフタイムには厳しい指示も出しましたが、その結果、生き返ったような選手がいました。選手たちの後半の対応には満足していますし、後半に立ち直れたことは、非常にポジティブです」
横浜キヤノンイーグルス
ジェシー・クリエル キャプテン
「試合のさまざまな場面で非常にポジティブな素晴らしい正統派のラグビーを展開できたと思いますが、集中力が欠けていたことは反省点です。自分も含めてですが、バックス陣は多くのミスを犯しましたし、それによってチャンスを逃すことにつながりました。ただわれわれはこれまでの試合で多くのことを学び、毎週成長しているという手ごたえをつかんでいます。ロッカールームにいる全員がそのことを信じていますし、結果が出るのは時間の問題だと思っています。また私はそうなることに自信をもっています」
──今季初の大分でのホストゲームを終えて、いかがですか。
「昨日もとてもおいしいお肉をいただいたように、大分の方々にはいつもおもてなしをしていただき、感謝しています。またスタンドから大分のファンの声援も聞こえてくるので、毎回大分に来るのが楽しみです。4月にも大分でのホストゲームがあるので、そのときは今日の試合とはまた違った姿を大分のファンの方々には見ていただきたいです」
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
クボタスピアーズ船橋・東京ベイのフラン・ルディケ ヘッドコーチ(左)、マキシ ファウルア キャプテンクボタスピアーズ船橋・東京ベイ
フラン・ルディケ ヘッドコーチ
「長距離移動はありましたが、この素晴らしい大分のスタジアムで試合ができたことをうれしく思います。また勝利という結果を得られたことは勝ち癖をつけることにもつながるため、この結果はとても喜ばしいです。特に後半は横浜キヤノンイーグルスさんが素晴らしいアタックをしてきた中でも、最後の最後にトライを取れたことは、選手たちを称賛したいと思います。またこの4週連続という試合スケジュールをチーム全員で乗り越えることができたのもうれしい限りです」
──快勝と言える内容でしたが、その中であえて課題を挙げるとしたら何でしょうか。
「相手のディフェンスが良かったことでタフな展開に持ち込まれた部分はありましたが、われわれとしてはチャンスを生かし切れないという課題が残りました。またブレイクダウンやターンオーバーなど、細かい部分は映像を見て修正していきたいと思っています」
クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
マキシ ファウルア キャプテン
「相手はテンポが速いアタッキングラグビーを仕掛けてくるという特長を理解した中で、ここまで準備してきた成果がこうして結果につながりました。チームとしての結果を残せたことをうれしく思いますが、しっかりと試合を振り返った中で今後に生かしていきたいと思います」
──キャプテンの立場から見たこの試合の課題はどんなところですか。
「たくさんのチャンスを作った中でも肝心な場面でミスをしてしまい、自分たちでプレッシャーを感じるような展開を招いたことです。また多くの時間帯で敵陣まで進入できたことを、今後はよりスコアという結果につなげていくために修正していきたいです」



























