NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第11節(交流戦)
2026年3月15日(日)14:05 パロマ瑞穂ラグビー場 (愛知県)
トヨタヴェルブリッツ 59-19 浦安D-Rocks
突然の先発、突然の主役。若きプロップが果たした大仕事
トヨタヴェルブリッツの平井半次郎選手。当日に決まった先発でのメンバー入りという状況ながら1トライでプレーヤー・オブ・ザ・マッチの活躍をみせた好事魔多しとはよく言ったもので、好調なときほど何かのトラブルが起きる。連勝で息を吹き返したトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)に起きたのは、過去3シーズンすべての試合に出場し、今季もここまで全試合で先発している三浦昌悟の体調不良。発熱で急きょ、不動の1番を欠くことになった。
代役に指名されたのはベンチスタートの予定だった平井半次郎。自分が先発だと聞いたのはベッドの中だった。「スタッフから『今日先発だから』って言われたけど、最初は寝ぼけていてどういう意味か理解できなかった」と飛び起き、チームに合流してからようやく事態を把握した。
これまでフィニッシャーとしての出場はあったが、先発はもちろん初めて。帝京大学の大先輩でもある姫野和樹や松田力也から「お前ヤバい、顔が固まってるやん」とイジられつつも、「俺がケツを拭いてやるから思い切りやれ」と励まされ、「カッコイイなって思いながら緊張がほぐれました」と、平井は背番号1のジャージーを身に着けた。
元々、平井は帝京大学で大学選手権4連覇を成し遂げた実力者。試合に入れば落ち着いて自分のやるべきことに集中した。「できればスクラムでペナルティを1本取りたかった」と反省を口にしたが、後半15分には力強いアタックで初トライを奪い、プレーヤー・オブ・ザ・マッチに輝いた。
チームのピンチに“代打”で結果を出した平井について、スティーブ・ハンセン ヘッドコーチは「もちろん平井は長い時間良いプレーをしてくれましたし、彼と交代で入った百地龍之介も前日の試合(JAPAN TALENT SQUADとのMIRAI MATCH)に出場しながら、突然朝に呼ばれて(プレーしました)。評価に値する選手だと思っています。彼らのチームファーストの姿勢がほかのメンバーにとって刺激になり、さらにチームの力になります」と、百地を含めた若いプロップを称えた。
連勝は3に伸び、一度は最下位に沈んだチームはトップ6まであと一歩のところに迫った。ベテランの気遣いで若手が活躍し、もちろん今回欠場した三浦も刺激を受けただろう。トヨタVは良い雰囲気を保ったまま勝負の終盤戦に向かっていけそうだ。
(斎藤孝一)
トヨタヴェルブリッツ
トヨタヴェルブリッツ
スティーブ・ハンセン ヘッドコーチ
「今日のパフォーマンスには非常に満足しています。完璧な試合ではありませんでしたが、選手たちは毎週成長し、努力を積み重ねています。その成果が結果として表れ始めているのだと思います。
試合内容も徐々に良くなり、チームとして自信も付いてきました。今日の選手たちのパフォーマンスを誇りに思います。まずは今日を楽しみ、来週火曜日から再始動したいと思います」
──勝利したからこそ、次の試合が重要になると思いますが、選手に求めたいものはどのようなことですか。
「勝っても負けても、私の期待は変わりません。毎週しっかり準備をし、正直さと強い意志をもって、個人としてもチームとしても準備を徹底することです。
まずはこの24時間、選手たちには楽しんでリカバリーしてほしい。長いシーズンの中では一度立ち止まって振り返り、何をさらに伸ばせるのか考えることも大切です。そして火曜日から再び動き出します。良いプレーのためには良い準備が必要です」
トヨタヴェルブリッツ
姫野和樹キャプテン
「今日の結果には非常に満足しています。試合前、チームには『自分たちは底からはい上がってきて、ようやくスタートラインに立った』と伝えました。週の始めにはエベレストの写真を見せ、『ここを登っていく』と話しました。バイウィーク明けのこの試合で、もう一度兜の緒を締めて登っていく姿勢を示そうと。その中で今日は、80分間をとおして一人ひとりがハードワークしてくれました。
前日の試合では『MIRAIメンバー(MIRAI MATCHと呼ぶ練習試合に出場するリーグワンの試合メンバー外の選手)』も自分たちのスタンスを示してくれ、チーム全体の意識が高まっていると感じています。それがいまの好調の理由だと思います。ただ来週からも準備にフォーカスし、一歩ずつ前に進んでいきたいです」
──前半は苦しい場面もありました。連敗中なら崩れていた場面ではないでしょうか。
「ワークエリアだけでなく、ディフェンスの粘り強さなど、自分たちの良さが出始めています。若いディフェンスリーダーが素晴らしい働きかけをしてくれていて、プレー面でもコネクションでもリーダーシップを発揮してくれています。そうした存在が、キャプテンの僕を本当に助けてくれています」
浦安D-Rocks
浦安D-Rocks
グラハム・ラウンツリー ヘッドコーチ
「まず、今日のトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)のパフォーマンスを称えたいと思います。自分たちは序盤に良いスタートを切ることができましたが、いくつかトライがキャンセルされ、そのままハーフタイムを迎えました。その後、試合の3クォーター目に入ると展開が速くなり、自分たちがコントロールできる部分でエラーが出てしまい、相手に多くのチャンスを与えてしまいました。そこは次週の準備の中で修正していきたいと思います。トヨタVは、そうしたチャンスをうまく生かしていたと思います」
──次戦はショートウィークですが、選手たちにどんな声を掛けて臨みますか。
「全体練習で強度を上げられるのは実質水曜日しかありません。まず火曜日にしっかりレビューを行い、水曜日までにメンバー選考を進めながら修正できる部分を修正していきたいと思います。次の相手であるクボタスピアーズ船橋・東京ベイも強豪です。短い準備期間で臨むことになりますが、次を見据えて、この敗戦をどう修正していくかを考えていきます」
浦安D-Rocks
藤村琉士キャプテン
「前半はトライキャンセルもありましたが、チームとして状況を理解しながらプレーできていたと思います。ただ後半には、僕も含めて『タッチに出た』と判断してスイッチを切ってしまったプレーもありました。すべての局面が勝負なので、常にスイッチをオンにしておかなければならないと感じました」
──序盤は個人の突破も目立ちましたが、徐々にオフロードパスがアバウトになった印象もありました。
「個人のキャリーはしっかりできていましたし、オフロードパスも紙一重でとおらなかった場面が多かったと思います。大事なのはミスのあとです。相手ボールになったあと、どれだけディフェンスで取り返せるか。そこをフォワードとして意識していました」



























