2026.03.22NTTリーグワン2025-26 D1 第12節レポート(相模原DB 35-32 東京SG)

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第12節(交流戦)
2026年3月21日(土)12:00 秩父宮ラグビー場 (東京都)
三菱重工相模原ダイナボアーズ 35-32 東京サントリーサンゴリアス

試合終盤、脳裏によぎった2年前の出来事。『メガ歩』が生んだ当時からの成長

左プロップで先発→途中で右プロップのポジションに変更→入替で退く→再度左プロップで出場、という経過をたどった三菱重工相模原ダイナボアーズの森本潤選手

逆転に次ぐ逆転のシーソーゲームを締めくくったのは、三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)のクリーンなディフェンスだった。

脳振盪の疑いで交替した淺岡俊亮に代わって3番のポジションを務めたのは、1番で先発していた森本潤だった。後半7分にピーター・ショルツとの入替で退いたが、後半27分に蔡唯志が負傷すると、再び1番としてグラウンドに立った。

「1番と3番の両方(のポジション)を1試合でやるのは公式戦で初めてです。3番のスクラムはあまり練習してこなかったので少し難しかったですが、終盤の1番ではスクラムをしっかりと組めたことで、最後はペナルティをもらえました」と胸を張る。

3点差リードで80分を告げるホーンが鳴り響く中、相模原DBは自陣トライラインから5m付近で東京サントリーサンゴリアスの攻撃に耐えていた。試合終盤の厳しい局面で森本は2023-24シーズンの同カードを思い出していたという。

「最後の最後にトライを取られて逆転されました。僕もその試合に出ていたので、『同じことは繰り返させないぞ』、『ここで絶対に止めるぞ』という気持ちがありました」

22フェーズに及ぶディフェンスで相模原DBはペナルティを取られることなく、最後はキャプテンの吉田杏がスティールを決めた。

「以前はオフサイドのペナルティが多かったので、それをなくすために『1歩下がろう』という声掛けをしていました。いまはそれより大きく『メガ歩(メガポ)』という新しい言葉を作り、1歩以上、2歩くらい下がってそこからプレッシャーを掛けようという取り組みをしています」

その効果は──。

「それでオフサイドのペナルティは減りました。みんなが無意識にでき始めると、あのように攻められている場面でもペナルティを与えずに守り切れる。それが今日、証明できたのかなと思います」

この日の相模原DBは、ブラッド・ウェバーとルカニョ・アムという世界的名手に加えて、けがから復帰した日本代表のチャーリー・ローレンス、新進気鋭のチャーリー・ティトコムの4人のコネクションから華麗なトライを生んだ。

森本は「バックスには申し訳ないですが、僕らがボールをつないで取ったトライは、“フォワードの頑張りのおかげだ”と思ってラグビーをしています」と話し、にやりと笑った。

(宮本隆介)

三菱重工相模原ダイナボアーズ

三菱重工相模原ダイナボアーズのグレン・ディレーニー ヘッドコーチ(右)、吉田杏キャプテン

三菱重工相模原ダイナボアーズ
グレン・ディレーニー ヘッドコーチ

「まずは松島幸太朗選手の100キャップ、本当におめでとうございます。松島選手は日本の素晴らしい選手であり、東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)を代表する本当に良い選手です。100キャップという素晴らしい功績を、本人とご家族にお祝い申し上げます。

試合については、最後の20分間は本当にわれわれのDNAを見せられたと思います。それはラグビーのスキルのことだけではなく、チームが一つになって、誰かのために努力していた姿です。今日の努力を本当に誇りに思います。われわれが非常にリスペクトしている相手に対して、今日のようなパフォーマンスが出せたことは非常にうれしいです。彼らは長い間、このリーグのスタンダードであり、常にリードしてきたチームです。その相手に対して良い戦いができたことは、大きな達成感があります」

──ディフェンスの時間が長かった中で、少ないアタックのチャンスをモノにした点や、敵陣22mライン内での遂行力などについて、今日の評価を教えてください。

「ディフェンスに関しては、前半だけで120回ものタックルをしなければならず、選手も疲弊する非常にタフな状況でした。そして2、3回しか22m内に入れなかった中でも、その遂行力は良かったと思います。ただ、もっともっとチャンスを作りたかったです。

今日は10番で先発したチャーリー・ティトコムも本当に良かったです。最初のトライも、彼が良いタイミングでパスを放った素晴らしい形でした。22m内に入ったときにより多くのチャンスを作りたいですが、今日はとにかくディフェンスの時間が長かったです。また、3週間前の京都での試合(第10節のトヨタヴェルブリッツ戦)では、最後の5分間にミスが重なってしまった反省がありましたが、今日は最後の最後まで集中力を切らさずに戦うことができました」

三菱重工相模原ダイナボアーズ
吉田杏キャプテン

「80分間をとおして、一人欠けたり、スコアされたりしても、自分たちのやるべきことに迷いがなく走り切れたと思います。この接戦の中で自分たちのやるべきことが明確になり、最後の15分から20分という我慢する時間帯で、全員が自分たちのDNAであるハードワークを信じて戦いました。最後の笛が鳴ったときに勝利をつかみ取れたことは、全員で喜びを分かち合える瞬間だったと思います」

──雪の影響でバイウィークがなくなった中で、どのようにマインドセットを整えてきたのでしょうか。

「自分たちではコントロールできない部分なので、そこはしっかりマインドセットしました。本来なら家族と過ごす時間があったはずですが、それがなくなったぶん、チームの外で支えてくれている人たちの思いも背負って、この週を乗り越えようとチーム内で話しました。そのマインドセットが、チームとして一つずつレベルアップできている理由なのかなと思います」

東京サントリーサンゴリアス

東京サントリーサンゴリアスの小野晃征ヘッドコーチ(右)、流大バイスキャプテン

東京サントリーサンゴリアス
小野晃征ヘッドコーチ

「まず両チームの関係者、ファンの皆さま、本日はありがとうございました。三菱重工相模原ダイナボアーズ(以下、相模原DB)さんの接点のプレッシャーと、点数を取るチャンスを取り切られた結果、相模原DBさんに勝利を持っていかれることになりました。チームとしてもシーズンは続くので、今日の課題をしっかりクリアにして、チャレンジャーのマインドを持って毎週準備することが大事だと思っています。来週の埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)戦に向けてしっかり準備したいと思います」

──ゴール前などでよく守った部分もありましたが、少し淡白に得点されてしまったところもありました。その点は課題でもあると感じましたが、いかがでしょうか。

「分析どおり、相模原DBさんはAゾーン(ゴール前の危険なエリア)に入ったらスコア率も高いということは分かっていました。ラインアウトからのオプションでも、両センターにボールキャリーの強い選手がいるので、そこでゲインされてしまい、その流れで相手のスコアにつながったかなと思います。

自分たちもAゾーンに入ったらスコアするマインド、ディフェンスのゾーンに入ったときにはしっかり粘り強く守るということを意識していましたが、その意識のところとシステム的なところを相模原DBさんに崩されて、相手の得点につながったと感じています」

東京サントリーサンゴリアス
流大バイスキャプテン

「今日はありがとうございました。本来、僕たちがやらないといけないプレーやマインドセットのところを相模原DBさんに上回られた結果、負けてしまったと思います。本当に素晴らしいチームでタフなチームだということは分かっていたのですが、そこを上回れなかった自分たちの実力不足だと思います。

ただ、落ち込んでもしょうがないので、目を向けるべきところにはしっかり目を向けながらも、次に進んでいかなければなりません。また週明けに良いマインドセットを持って集まり、埼玉WK戦に向かいたいと思います。ありがとうございました」

──ペナルティは比較的少なく抑えていて、ある程度しっかりオーガナイズできていたのかなという気もします。ただ、最後にもう少し粘り強さが出ればトライを取れたのではないでしょうか。

「そのときにグラウンドにいる15人、リーダーが判断したことですので、そこに対して否定することはありません。ただ、しっかりレビューしてどうだったかは振り返らないといけないと思います。

僕たちはチャンピオンを目指していますが、いまはチャレンジャーという立場です。ああいう場面で勝ち切っていかないと、リーグのクロスゲームでは勝てませんので、自分たちに言い聞かせないといけないかなと思っています」

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