NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第12節(交流戦)
2026年3月22日(日)14:30 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東芝ブレイブルーパス東京 22-24 三重ホンダヒート
背中で示すリーチ マイケル。苦境の中でやるべきことは──
つかみかけた待望の勝利は、ラストプレーの放物線とともにその手からこぼれ落ちた。
東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は3月22日、秩父宮ラグビー場で三重ホンダヒート(以下、三重H)に22-24と競り負け、6連敗を喫した。
3連覇を狙う王者は連敗ストップのために慎重に、力強く戦った。今季2試合目の出場となった体重129kgのアンドリュー・マカリオを中心にスクラムを優位に進め、ラインアウトからもチャンスを生み出した。
後半20分から出場したベテランの小川高廣は、50:22のキックを決めるなど、巧みなゲームコントロールでチームを前に出す。そして、後半37分にチームとして今季初となるペナルティゴールをリッチー・モウンガが決めて、22-21と逆転に成功した。
残り3分を守り切れば──という状況だったが、今季のBL東京にとって大きな課題となっている規律がここでも乱れた。後半39分にセタ・タマニバルが故意のノックフォワードでシンビンとなり、後半40分を過ぎてからは密集でのペナルティと判定され、三重Hのダーウィッド・ケラーマンに劇的な“サヨナラペナルティゴール”を決められた。
キャプテンのリーチ マイケルが、試合後の会見で終盤の戦いを振り返る。
「『我慢しよう!ペナルティなし!』と声を掛けていたのですが、イエローカードをもらって、ペナルティもあって……。勝つべき試合に負けたことは、チームとして受け止めないといけません」
37歳の闘将はこの日も激しく体を当てて、何度でも立ち上がった。BL東京でも、日本代表でも、歓喜の栄光と落胆の日々を経験してきた男は、6連敗という苦境の中でも前を向いている。
「一番簡単なのは誰かを指差して『あーだこーだ』と言うことですが、そうではなくて、『優勝に向けてやるべきこと』を一生懸命に考えてやっていきます。チームは優勝をあきらめてはいません。少しずつ良くなっているのは間違いないので、結果は付いてくると思います」
昨季のある日、強雨の中で行われた練習が終わり、しばらくするとリーチが濡れたクラブハウスの床を掃除する姿があった。それを見たほかの選手が代わりに掃除をしようと申し出たが、リーチは「一緒にやろう」と声を掛けて黙々と掃除を続けた。
日本代表92キャップを誇り、ラグビーワールドカップには4度出場。日本ラグビー界を代表する存在となったいまも、リーチは自身が“やるべきこと”に集中して、日々を過ごしている。
リーグワン初の3連覇に向けて、チームがやるべきことは──。BL東京の真価が問われている。
(安実剛士)
東芝ブレイブルーパス東京
東芝ブレイブルーパス東京
トッド・ブラックアダー ヘッドコーチ
「本当に、心が痛い敗戦となりました。タフな試合で、腕相撲のような一進一退の攻防でした。チームは苦しい状況が続いていますが、改善できた部分も見せることができたと思います。後半は相手にプレッシャーを掛けて、インターセプトできていれば……というシーンもありました(後半1分に石岡玲英がインターセプトを狙うもノックフォワード)。勝利を争うことができましたが、最後は規律の乱れが敗戦に結び付いてしまったと思います。今日だけではないのですが、『自分たちらしいラグビーをする』というシンプルなことを、一貫性をもってできていないのが現状です」
東芝ブレイブルーパス東京
リーチ マイケル キャプテン
「今日もたくさんのファンの前で試合をすることができて感謝しています。東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)のファンは『どうしたの?』と心配していると思います。6連敗で、『昨季は優勝したのになんで?』と思っているはずです。自分たちも『なんで?』というところを一生懸命考えています。ポジティブな部分としては、少しずつ良くなっていることを実感しています。チーム状況は正直とても苦しいです。この苦しい状況からどう抜け出して、勝つところまでもっていけるか。選手とコーチ陣が一丸となって考えないといけません。一番簡単なのは誰かを指差して『あーだこーだ』と言うことですが、そうではなくて、優勝に向けてやるべきことを一生懸命考えてやっていきます。
ファンへのメッセージとしては、『チームは勝つために準備していますが、結果に結び付かなくて本当に申し訳ない』ということです。毎週、BL東京のファンには感謝しています。チームは優勝をあきらめていないですし、次節のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦に向けて準備していきます。今季のリーグワンは、順位が下のチームが上のチームに勝つことが多く、ちょっとの差で勝つことも負けることもあります。リーグとして良くなっていると実感しています」
──優勝のためにチームとしてやるべきことはなんでしょうか。
「この6試合の中ではセットピースからボールをうまく出せないという課題がありました。今日はスクラムが安定して、ラインアウトも良くなっているので、そこはポジティブに考えています。優勝するためにはあきらめないことが大事で、トップ6に入ってプレーオフトーナメントに勝負を懸けることがターゲットになります。ネガティブになったり、互いに言い合ったりするのではなくて、試合結果をしっかりレビューして、ポジティブに少しずつでも良くなることを意識したいと思います。先週から今週にかけて少しずつ良くなっているのは間違いないので、結果は付いてくると思います」
三重ホンダヒート
三重ホンダヒート
キアラン・クローリー ヘッドコーチ
「試合メンバーに入っていた選手たち、試合メンバーに入っていなかった選手たちをとても誇りに思っています。メンバー外の選手たちもしっかり準備してくれたからこそ、今日の結果につながりました。前半はハンドリングエラーからターンオーバーを数回してしまい、プレッシャーを掛け続けることができませんでした。後半にわれわれはあきらめることなく、しっかりプレッシャーを掛けて、ゲインラインを切ることができました。また、選手のディフェンスにおける努力とあきらめない姿勢を誇りに思っています。BL東京さんに勝つことができて、本当にうれしいです」
──ディフェンスが良かったですが、どこにフォーカスしていましたか。
「先週の試合ではキックチェイスの部分を精査できず、集中力を欠いて相手に走る距離を稼がれたこともありました。われわれが直面している問題は、良いプレーのあとにスイッチオフをしてしまうことです。今週は『スイッチを切らない』、『集中力を欠かさない』ことを修正点として挙げていました」
三重ホンダヒート
フランコ・モスタート ゲームキャプテン
「両チームともに勝ちたい気持ちが強く、正直に言って互角の試合だったと思います。BL東京さんにとっては残念な結果となりました。攻撃では22mライン内でチャンスを生かし切れなかったのは課題ですが、自分たちのディフェンスはとても良かったです。ドッグファイト(激しい戦い)で、良い試合だったと思います」
──終盤にペナルティが増えて逆転されたシーンがありましたが、どのような気持ちでプレーしていましたか。
「ベンチから出てきた選手たちはやや気が急いていて、前にのめり込み過ぎたケースもありました。ペナルティが重なって、レフリーから注意も受けました。ただ、『これぐらいで大丈夫』とリラックスすると簡単に得点を許してしまうので、やりたい気持ちが前に出るぐらいのほうが良いとも思います。自陣22mの中における規律はもっと良くできる部分があるので、来週からどう修正していくかを考えていきます」



























