NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第12節(交流戦)
2026年3月22日(日)14:30 パロマ瑞穂ラグビー場 (愛知県)
トヨタヴェルブリッツ 24-34 静岡ブルーレヴズ
ラグビーの面白さが凝縮していた80分間。勝因はキャプテンもうなずく、“気持ちの強さ”
ようやく連敗を脱した静岡ブルーレヴズ。キャプテンのクワッガ・スミス選手も1トライを挙げたどちらのチームのファンも前のめりになってグラウンドを観てしまう。そんなラグビーの面白さが凝縮していた80分間だった。
過去最長の5連敗というトンネルを抜けた静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)のクワッガ・スミス キャプテンは「みんなのこの試合に懸ける思いが素晴らしかった。ノンメンバーも含めてこの1週間は全員がエナジーを出していい練習をしてきたんだ」と、勝因は気持ちだったと力強く語った。
トヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)と静岡BRは隣県のライバル同士。フォワード戦にこだわりをもつところも似ている。過去の試合でもフィジカルバトルを繰り広げ、今節も当然のように激しい試合になった。ターンオーバーの応酬や、トライライン上での執念のディフェンスが双方にあった。
後半27分にトヨタVが3点差に迫り、スタジアムのボルテージが最高潮になった場面でも、静岡BRは冷静だった。ハドルの中でスミスは「とにかく試合をコントロールしよう」とシンプルな言葉を掛けた。「焦らずペナルティをしないように」と伝えた奥村翔は「相手が押し込んできても守備には自信があったので、(怖いのは)ペナルティだけでした」と笑顔を見せた。
最後も静岡BRは守備で魅せた。10点差でホーンが鳴り6試合ぶりの勝利は確定したが、ラストプレーで相手に押し込まれトライライン前にくぎ付けとなる。それでも、姫野和樹のグラウンディングに対して3人が飛び込みトライを阻止。プレーオフトーナメント進出を狙うライバルに勝ち点1を与えず、順位表でもトヨタVを勝ち点1上回り7位に上がった。
今季は首位争いだけでなく、トップ6争いも例年にない大混戦である。「内容は悪くなかった」とするトヨタVの青木恵斗は、「自分たちは3連勝をしていて、相手は5連敗中で、勝ちたいという執念に違いがあったかもしれない」と、貴重な学びを得たという。レギュラーシーズンでの直接対決はこれで終わってしまったが、両チームの激しいバトルは最終節まで続きそうだ。
(斎藤孝一)
トヨタヴェルブリッツ
トヨタヴェルブリッツ
スティーブ・ハンセン ヘッドコーチ
「勝てなかったことは残念ですが、内容を振り返るとポジティブな要素や良いプレーも多く見られた試合でした。イエローカードで13人となる難しい状況の中でも、選手たちは状況を理解し、スピリットを示してくれました。最後まで勝利を目指す姿勢も見えていましたし、この経験を次につなげていきたいと思います」
──選手たちの緊張についてどう見ていましたか。
「緊張には2種類あります。一つは準備が整い、高揚感から生まれる良い緊張感。もう一つは準備不足からくる不安による緊張です。後者はチームとしてコントロールできる部分であり、いまトヨタヴェルブリッツ(以下、トヨタV)の選手たちはこの点で良い準備ができています。1週間をとおして質の高いトレーニングを積み、やるべきことを遂行しているからこそ、自信をもってプレーできていると感じています」
トヨタヴェルブリッツ
姫野和樹キャプテン
「結果には満足していませんが、この1週間で準備してきたことを出せた部分もありました。前半にイエローカードを2枚受けた責任は選手にあり、その代償も自分たちが負わなければなりません。まずはそのような状況を招かないことが重要です。来週に向けては、選手主体で修正していきたいと思います。試合は続きますし、次はショートウィークです。気持ちを切らさず、前を向いて取り組んでいきます」
──前半にペナルティが続いた場面での心境について伺えますか。
「起きてしまったことは変えられませんし、イエローカード2枚という結果も受け止めるしかありません。その上で、次にどうするかを選手同士で話し合いました。人数が減った中で誰がどの役割を補うのか、ラインアウトをどうするのかなどを整理しました。そこで悲観的になるのではなく、次のプレーに集中していくことを意識していました」
静岡ブルーレヴズ
静岡ブルーレヴズ
藤井雄一郎監督
「これまで惜しい敗戦や悔しい負けが続いていましたが、今回は『最後は必ず勝ち切る』という強い意志の下、最後までハードワークを続け、全員でつかみ取った勝利だったと思います。この勢いのまま、次に向けてしっかり準備していきます」
──前半終了間際にスクラムを選択した意図について。
「自分たちの強みを発揮できると判断し、スクラムを選択しました。アドバンテージを得ながら、良い形で組めていたと思います」
静岡ブルーレヴズ
クワッガ・スミス キャプテン
「選手たちを本当に誇りに思います。トヨタVはシーズン序盤こそ苦しんでいましたが、徐々に調子を上げてきたチームで、簡単な試合にはならないと感じていました。これまではミスから敗れることもありましたが、今日はそうした部分を乗り越え、最後までやり切った選手たちの姿勢を誇りに思います」
──前半終了間際にスクラムを選択した意図について。
「相手にプレッシャーを掛け続けることを意識していました。前半は相手にイエローカードが2枚出ており、数的優位の状況も含めて、継続的にプレッシャーを与えられていたと思います」



























