NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第13節(交流戦)
2026年3月29日(日)14:30 秩父宮ラグビー場 (東京都)
リコーブラックラムズ東京 33-7 三菱重工相模原ダイナボアーズ
受け継がれる“プラットフォーム”。ベテランが仕上げる80分の完成形
リコーブラックラムズ東京のパディー・ライアン選手。「今季は大五と一緒に3番のポジションをシェアしている中で、すごく楽しんでやれています」プレーオフトーナメントでホストゲームを戦える4位を目指して勝利が欲しいリコーブラックラムズ東京(以下、BR東京)が、三菱重工相模原ダイナボアーズを相手に33-7と大勝した。
前半から3度のトライを決めて大量リードを奪ったBR東京だが、細かなミスも目立ちチームの武器である粘り強いスクラムで相手を圧倒していくシーンは少なかった。ただ、前半の戦いぶりをベンチから見守っていたパディー・ライアンは「そう思うのは理解できます」と頷きつつ、持ち味を発揮するに至らなかった理由を冷静に解析する。
「相手のペナルティも含めてパワーをコントロールする必要があったのが理由です。やられていたからというよりも、自分たちがそれをコントロールする必要がありました。だから僕はすごく楽しみにしていましたよ。後半からでも十分にスクラムでチャンスがあると思っていました」
実際に後半から出場すると、より分厚いスクラムで相手を圧倒。ライアンとの入替となった笹川大五も前半から素晴らしいプレーを披露していた。そこで相手にダメージを蓄積できたからこそ、後半からライアンを投入して攻守両面で厚みを加えられている。
「今季は大五と一緒に3番のポジションをシェアしている中で、すごく楽しんでやれています。大五がいいプラットフォームを作ってくれているので、僕は途中から出てもやりやすいですし、全然心配することはないんです」
チームとして80分間をどう戦い抜くのか。持ち味を出し切るだけではなく、状況を見ながらスタメンの選手たちが賢く最善の策を選ぶ。そして、バトンを受け取った途中出場のプレーヤーが“いいプラットフォーム”の上で最大限のパフォーマンスを見せていく。
前半はビハインドの展開が多かった今季において、この状況判断は大きな成長だろう。その上で途中出場の選手たちが存分に戦える土壌を作り出してくれるとライアンは信頼を寄せている、いまはさまざまな選手たちが口をそろえて控え選手やノンメンバーの重要性を説くように、チームとして一枚岩となれていることこそが好調維持の要因でもある。
試合最終盤にはライアン自ら相手のスペースに突破を図り、勝負を決めるトライを記録。リーグワンでは自身初であり、ホストゲームを毎試合観戦しているという子供の前で初めてトライを奪った。
「もうすぐ2歳になるので覚えているかは分からないけど、僕と奥さんにとってはいい思い出になりました。子供が大きくなったらまた(今日のことを)言おうと思います」
37歳は顔をほころばせながら思い出の瞬間を喜んだ。
(藤井圭)
リコーブラックラムズ東京
リコーブラックラムズ東京のタンバイ・マットソン ヘッドコーチ(左)、TJ・ペレナラ キャプテンリコーブラックラムズ東京
タンバイ・マットソン ヘッドコーチ
「今日は勝利することが何より重要でした。それが一番のポイントです」
──相手との状況が対照的な中で安定感のあるゲームができたと思いますが、どのように評価されていますか。
「それはチームとしての目標でもありました。トップ6を目指す中で、試合の安定感も重視しています。今シーズンはリーダー陣が非常によくやってくれていて、トレーニングの質が安定しているのも、彼らがしっかりとチームを引っ張っているからです。チームメートにも高いレベルを求めてくれています。
今日は非常に良いスタートを切ることができました。これまでは最後に逆転する展開が多かったのですが、今日は序盤から明確な意図をもってプレーできていました。後半は、実行力の面で自分たちが求めていたレベルにはやや届かなかった部分もありましたが、これまで積み重ねてきた一貫性のあるプレーの結果として、ボーナスポイントも獲得できたのだと思います」
リコーブラックラムズ東京
TJ・ペレナラ キャプテン
「私もヘッドコーチと同じ意見です。自分たちの目標に対して、今日は非常に重要な試合でした。
もちろん、ゲーム内容としてはまだ改善できる点もあります。後半は敵陣でプレーする時間を長く作れましたが、さまざまな要因もあってあまり目標にはつながりませんでした。ただ、そのエリアでプレーする時間自体は長かったので、そこまで気にする必要はないと考えています。チームとして達成すべきことはしっかりできていました。
次節はコベルコ神戸スティーラーズ戦ですが、前回対戦では大量失点をして非常に悔しい思いをしましたので、今回も大きなチャレンジになることは理解しています」
──ブラッド・ウェバー選手との対戦はどんな心境でしたか。
「彼と対戦できてとても良かったです。対戦は久しぶりでした。彼はフランスでプレーしたあと、日本に来ましたが、今シーズンに対戦するとは思っていませんでした。良い友人でもあるので、日本で契約したと聞いたときはとても楽しみでした。常に安定したパフォーマンスを発揮してくれる、信頼できる選手です。ちょうど現役を続けるかどうかというタイミングだったようですが、日本に来たことで再びその気持ちが高まったのだと思います」
三菱重工相模原ダイナボアーズ
三菱重工相模原ダイナボアーズのグレン・ディレーニー ヘッドコーチ(右)、吉田杏キャプテン三菱重工相模原ダイナボアーズ
グレン・ディレーニー ヘッドコーチ
「ブラックラムズは非常に良いプレッシャーを掛けてきたと思います。われわれは1週間前には良いパフォーマンスを発揮できていましたが、今日はそれを出すことができませんでした」
──この試合に向けた1週間の準備について、先週と異なる点があれば教えてください。
「(毎週試合が続く)このブロックで8週目に入っていたこともあり、今週はこれまでとは異なる形で準備を進めました。選手たちの体力やエナジーを保つために、練習量を抑え、試合に向けた取り組みの時間も減らしました。そのことが今回のパフォーマンスに影響した可能性については、理解していますし、反省すべき点でもあります。
ただ、問題となったプレーはこれまでも遂行できていたスキルの範囲内だと考えており、それが大きな要因だったとは思っていません。いずれにしても、この点についてはしっかりとレビューしていきたいと思います」
三菱重工相模原ダイナボアーズ
吉田杏キャプテン
「先週は良いパフォーマンスができ、結果も伴った状態で今週を迎えました。その流れのまま臨みたかったのですが、結果としては残念なものとなり、非常に悔しく思います。プレッシャーを受ける中で、自分たちの遂行力が落ちてしまいました。チャンス自体は作れていましたが、そこで得点できなかったこと、そして流れを相手に渡してしまったことが大きな要因だと考えています」
──前半に数的有利の状況がありながら相手にスコアを許した要因は何でしょうか。
「数的有利の場面では当然得点を狙いにいきましたが、状況判断やスキルの部分でミスが出てしまいました。その結果、自分たちにプレッシャーを掛ける形となり、得点につなげることができなかったのだと思います」



























