NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第14節(リーグ戦)カンファレンスB
2026年4月4日(土)13:05 ホンダヒート・グリーンスタジアム (栃木県)
三重ホンダヒート 24-17 東京サントリーサンゴリアス
“12度目の正直”にレメキも笑顔。雨の宇都宮で塗り替えた歴史
トップリーグ時代を含めて、東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)とリーグ戦で11度戦い、一度も勝利したことがなかった三重ホンダヒート(以下、三重H)が、来季から本拠地となる宇都宮で歴史を塗り替えてみせた。
4月とは思えぬ冷たい雨が降り注ぐホンダヒート・グリーンスタジアムで、濡れたボールの扱いに苦しんだ東京SGは序盤にミスを繰り返す。三重Hはそのスキを見逃さず、開始17分で17点ものリードを奪った。そのあとは徐々に差を詰められる展開となったが、粘り強い守備で幾度ものピンチをしのぎ切り、三重Hが24対17で勝利を収めた。
「本当に……本当にうれしい」
レメキ ロマノ ラヴァは試合後、喜びをかみしめるように語った。それもそのはず、この白星は彼自身にとっても特別な意味をもつものだった。
「18シーズン日本でプレーして、初めて東京SGさんに勝つことができました。何度も何度も戦って、負ければ負けるほど勝ちたい気持ちが強くなっていたので、この結果は最高です」
降りしきる雨の中、環境も巧みに利用した会心の勝利。15番で先発したレメキ自身も、的確なキックで何度もチャンスを生み出し、ピンチの場面でも冷静に状況を打開した。
「試合前から低いキックを練習していましたし、東京SGさんは単独で守備をすることが多いので、主に(チェスリン・)コルビ選手のところなどを狙って蹴っていました。それがうまくいって良かったです」
チェスリン・コルビは東京SGでプレーする南アフリカ代表の名選手であるが、この日はコンバージョンキック2本とペナルティゴールでの7点のみで、決定的な活躍は見せられなかった。『15番対決でも勝ちましたね?』と尋ねると、レメキは笑顔を見せながら、名手へのリスペクトも忘れなかった。
「今日はね(笑)。普段は彼のほうが上ですけど、今回は僕が勝てました。晴れでも雨でも会場に来てくれるファンのみなさんの応援のおかげです。本当にありがとうございます」
三重Hはこの結果、ディビジョン1で初の3連勝を達成。さらに宇都宮での試合で4戦3勝と勝ち越しを果たすなど、クラブにとって今後へのマイルストーンとなる勝利だった。
ビショ濡れになりながらも熱い声援を送り続けたHEATER(三重Hファンの愛称)へ、最後にレメキは呼び掛けた。
「宇都宮でいい思い出ができたね。これからもよろしくお願いします!」
(籠信明)
三重ホンダヒート
三重ホンダヒート
キアラン・クローリー ヘッドコーチ
「チーム、そしてスタッフ全員のパフォーマンスについて、とても満足しています。1週間かけて準備してきたことがうまく発揮できたと思います。立ち上がりは非常に良く、相手を突き放すこともできました。ただ、そのあとに相手が盛り返してきた中、テビタ・リーのノックフォワードになってしまった場面を含めて、突き放すチャンスを3つほど生かし切れなかった点は反省点です。後半にも2度ほどその機会がありましたが、得点につなげることができませんでした。そのため結果的に接戦にはなりましたが、最後のディフェンスの場面では、チームとしてのハングリーさ、勝ちたいという意思を強く示すことができました。チームの歴史上初めて東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)さんに勝利できたことを非常にうれしく思っています。栃木県のみなさん、ありがとうございました」
──立ち上がりで17点のリードを奪えた要因はどう考えていますか。
「相手にプレッシャーを掛けられたことが大きかったと思います。また、22m内でポイントにつなげるオプションを良い形で使えたことも要因です。試合前に立てたプランをしっかり実行できた結果だと思います。最初の20分はそれが特にうまくいきました。プレーの精度が高かったため、ポイントにつなげることができました。さらにディフェンスでもプレッシャーを掛けることで、相手に試合を追い掛けさせる展開に持ち込むことができました」
三重ホンダヒート
フランコ・モスタート ゲームキャプテン
「チームのことをとても誇りに思っています。最後までファイトし続けた結果が勝利につながったと思います。前半は、22mラインの中に侵入した際のチャンスを確実にポイントへと変えることができていました。一方で後半の立ち上がりは、相手からのプレッシャーによってスローボールになる場面が多く、さらに22m内でのチャンスを得点につなげられないシーンもありました。それでも、最後に見せたディフェンスでの勝利に向かう執着心は、このチームに来てから一番素晴らしいものだったと感じています。チームメートのことをとても誇りに思います」
──前半終了間際、後半終了間際のディフェンスで意識していたことはなんでしょうか。
「フォーカスしていたのは、失点しないことです。そのために相手にプレッシャーを掛け続けることを意識していました。相手がアタックしてくることは分かっていたので、いかにスローボールにできるかに集中していました。東京SGさんのバックスは脅威なので、クイックボールにされるとフィニッシュまで持って行かれてしまう可能性があると考えていました。最後のディフェンスが成功したのは、全員が全身全霊で守り抜いた結果だと思います」
東京サントリーサンゴリアス
東京サントリーサンゴリアスの小野晃征ヘッドコーチ(左)、サム・ケイン キャプテン東京サントリーサンゴリアス
小野晃征ヘッドコーチ
「両チームの関係者、ファンのみなさん、雨の中での応援ありがとうございました。今日のわれわれは、ボールに対するリスペクトが足りず、自分たちで手放したボールが相手のスコアにつながってしまいました。三重ホンダヒート(以下、三重H)さんが見せたボールに対する執着心、そして切り替えの場面でディフェンスからアタックに移るスピードは素晴らしかったです。そこはしっかり修正して、バイウィークを挟んで行われる次のクボタスピアーズ船橋・東京ベイ戦に向けて準備していきたいです」
──このところ接戦を勝ち切れない要因はどう考えていますか。
「そもそも、接戦になる展開にしてしまっていること自体が問題だと思っています。本来であれば、そこに至る前に修正できる点は多くあると思います。もちろん最後は勝ち切らなければいけない、スコアしなければいけないのですが、今日は実際にトライラインを越えている場面もありながら、コントロールし切れなかったです。そのような紙一重の差で結果は大きく変わるので、最後に信じ切れるかどうか。その部分で選手たちに自信をもたせて、勝ち切れるチームを作っていきたいです」
東京サントリーサンゴリアス
サム・ケイン キャプテン
「結果としては非常に残念です。自分たちで自分たちの首を絞めてしまった試合で、特に最初の15分から20分の時間帯はそのような展開でした。そして、その時間帯で三重Hさんが見せた遂行力は素晴らしかったと思います。そのあとは自分たちが巻き返すことができたものの、ずっと追い掛ける展開になってしまいました。良い時間帯を継続できず、プレッシャーを与えられる状況や、自分たちのスコアに結び付けることができなかったと思います。ただ、このタイミングでバイウィークに入るのは良いことだと思いますし、自分たちのラグビーはもっと良いものがあると信じているので、次の試合に向けてしっかり準備しなければいけません」
──苦しい立ち上がりから一時盛り返せた要因はどう考えていますか。
「その主な要因は、ボールを保持し続けることでした。序盤はハンドリングエラーが多かったので、そこを修正しました。また、三重Hの強みがラインアウトであることを理解した上で、ラインアウトディフェンスも修正しました。その上でボールを大切にして、フェーズを重ねてプレッシャーを掛けることで、相手のペナルティを誘えるようになりました」



























