2026.04.20NTTリーグワン2025-26 D1 第15節レポート(東京SG 22-27 S東京ベイ)

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第15節(リーグ戦)カンファレンスB
2026年4月18日(土)14:05 えがお健康スタジアム (熊本県)
東京サントリーサンゴリアス 22-27 クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

震災の記憶をつなぎ、未来へ。ラグビーが灯す希望の光

東京サントリーサンゴリアスの流大選手。「ラグビーの力は微々たるものかもしれませんが、少しでも復興の手助けになればいいなと思ってプレーしました」

2016年4月、震度7を二度も記録した熊本地震。地域の象徴・熊本城の復旧完了までにはなお26年を要するなど、復興はまだ道半ばとも言える。

あれから10年を経た4月18日、熊本・えがお健康スタジアムで東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)とクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)が対戦。この試合には、『震災復興10年』の節目を刻む意味も込められていた。

試合開始前、挨拶のマイクを握った熊本市の大西一史市長は、震災からわずか3年後の19年、ラグビーワールドカップ日本大会の試合がこの場所で開催されたことに触れ、力強く語った。

「ラグビーが私たちの復興の大きな力になっています」

その思いに呼応するように、指揮官や選手たちもまた、ラグビーがもつ力について言葉を紡いだ。S東京ベイのフラン・ルディケ ヘッドコーチはこんなメッセージを残した。

「悲しい出来事だからこそ、忘れずにいることが大事です。そして、チームとして一つになれるか。人とのつながりをどれだけ築けるか。周りの人をどれだけ助けられるか。それはラグビーとも通じるものです。熊本のみなさんは、それを実際に示してこられた。今日の試合でわれわれもそれを示せていたならうれしいです」

今回の熊本開催を誰よりも心待ちにしていたのは、今季限りでの現役引退を表明している東京SGの流大。熊本は高校3年間を過ごした思い出の地だ。

「現役最後のシーズンに熊本でプレーできたのは何かの縁だと思いますし、たくさんの方に来ていただいて本当に感謝しています。熊本地震から10年。ラグビーの力は微々たるものかもしれませんが、少しでも復興の手助けになればいいなと思ってプレーしました」

この日のスタジアムには、流が招待した九州のラグビー少年少女100人の姿もあった。ラグビーの力は、確かに小さいかもしれない。だが、その勇姿は次世代に大切な何かを伝えたはず。以前、流はこんなことも語っていた。

「僕がプレーする理由の一つに、子供たちが憧れる存在になることがあります。小さな地方の町からでも、頑張れば大きな舞台でプレーできる。努力次第で、どこまででも行ける。僕の姿をとおして、いつか日本代表やサンゴリアスでプレーする選手が出てきてくれたらうれしいです」

(オグマナオト)

東京サントリーサンゴリアス

東京サントリーサンゴリアスの小野晃征ヘッドコーチ(左)、サム・ケイン キャプテン

東京サントリーサンゴリアス
小野晃征ヘッドコーチ

「今回は熊本でホストゲームができる素晴らしい機会でした。その熊本のファンの前で自分たちのラグビーを見せ、しっかり結果を残すことを目指して1週間準備してきました。

モメンタムが何度も入れ替わる試合となりましたが、前半は自分たちのテンポで相手22m内に入ってスコアを狙える場面を何度も作り出すことができました。ただ、後半は自分たちのエラーが多くなり、敵陣深くに入る場面が少なくなってしまったことが最後に追い付けなかった要因です。ボールを大事にする部分を修正し、次の試合に向けて準備をしたいと思います」

──今日はリザーブメンバーのバックスが二人。その二人もスクラムハーフとスタンドオフの選手という思い切った布陣でした。あらためてその狙いと評価をお願いします。

「この試合で勝つためのベストメンバーだと思って選んでいます。その中で、自分たちの強みを出せる選手たちをスタートから出すこと、セットピースやフィジカル面も含めたフォワードバトルで後半にインパクトが必要だと考え、リザーブのフォワードが6人というセレクションにしました。

結果的にスコアで勝ち切れなかったと言えますが、出場したフォワード陣はしっかりボールを前に運べたと思いますし、ハーフ陣もしっかりボールを動かしてスペースを作り出せていたとは思います」

東京サントリーサンゴリアス
サム・ケイン キャプテン

「接戦でしたが前半はすごく良かったと思います。ボールコントロールもできて、プレッシャーを掛け続けることができていました。ただ、後半になってボールを大事にできずにターンオーバーを許したり、キックが狙いよりも伸びてしまって、そこから相手のカウンターアタックを受けたりする場面もありました。また、前半はボールインプレーの時間帯をうまく作り出せていたのに、後半はその流れも止まり、ペナルティも増えてしまった印象です」

──試合後に今季限りで引退する流大選手と中村亮土選手へのセレモニーがありました。あらためて二人はどんな選手でしょうか?

「クラブのレジェンドとして長年にわたって貢献してきた素晴らしい二人です。個人的にも私がクラブに加入したときに大歓迎してくれましたし、高いスタンダードで練習に臨み、試合に向けて準備をしてくれる。最後は勝利で送り出したいとあらためて思います」

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ

クボタスピアーズ船橋・東京ベイのフラン・ルディケ ヘッドコーチ(右)、マキシ ファウルア キャプテン

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
フラン・ルディケ ヘッドコーチ

「私自身もそうですし、多くの選手にとって、熊本の地に初めて訪れる機会となりました。素晴らしいスタジアムで、素晴らしい雰囲気の中で試合をさせていただくことができました。

今日の試合もそうでしたが、東京サントリーサンゴリアス(以下、東京SG)さんとの一戦はいつもタフで、プレッシャーの掛け合いです。そのタフな展開の中、特に後半はキャプテンをはじめ、選手たちがプレッシャーへの対応に成功し、大事な場面でしっかり勝ち切る、取り切ることができたことで、勝利という結果につながったと思います」

──前半、22m内での厳しい時間帯が続きました。後半に向けて、どんな修正を指示しましたか?

「前半は東京SGさんの見事なプレーで、私たちが背走させられる場面が目立ちました。その結果として規律やモメンタムが乱れ、ペナルティを許してイエローカードも出てしまいました。そういった点をリーダー陣に伝えた結果、後半は自分たちの目指す絵を変えることができ、モメンタムや流れを呼び込むことができたと思います」

クボタスピアーズ船橋・東京ベイ
マキシ ファウルア キャプテン

「この素晴らしい環境でプレーできたこと、たくさんのサポートをいただいたことにチームとして本当に感謝しています。今週は、週の冒頭から『絶対にタフな試合になる』という覚悟の下で準備をしてきました。毎回、東京SGさんとは激しいバトルになるシーンばかりですが、今日の試合ではたくさんの良い場面を作り出すことができました。その中で、新たに見直すべき課題も出てきましたので、次の試合に向けてチームとして準備をしていきたいと思います」

──新たな課題とはどんな部分でしょうか?

「今日は規律の部分で自分たちをうまくコントロールできない場面がありました。そこをしっかりコントロールできれば自分たちの流れにもなるし、自分たちのラグビーもできる。その部分をしっかり見直し、次の試合に向けて精進したいと思います」

試合詳細

見どころ・試合レポート一覧

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