NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン1 第16節(リーグ戦)カンファレンスA
2026年4月25日(土)14:30 秩父宮ラグビー場 (東京都)
東芝ブレイブルーパス東京 26-50 横浜キヤノンイーグルス
不安と葛藤と恐怖に打ち勝って迎えた復帰戦。約4カ月ぶりのゲームで見せた眞野泰地らしさ
東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)は4月25日、秩父宮ラグビー場で横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)に26対50で敗れた。
横浜Eのフィフティーンが躍動し、華麗なトライが生まれるたびに、秩父宮ラグビー場には歓喜の声と、困惑のどよめきが広がった。3連覇を狙うBL東京は、プレーオフトーナメント進出に向けて重要な一戦でまさかの完敗。リーチ マイケル キャプテンは「BL東京らしいラグビーを見せられず、反省しています」と肩を落とした。
それでも、この試合が復帰戦となった眞野泰地は、ミックスゾーンではっきりと言い切った。
「次は絶対に勝ちます。優勝します!」
開幕戦で脳振盪を起こしてグラウンドを去った眞野は、この日が約4カ月ぶりの復帰戦だった。過去にも脳振盪で長期の欠場を経験していた28歳にとって、復帰までの期間は長く、険しいものだった。悪化すれば、引退後の人生にまで深刻なダメージとして残ってしまう可能性もあったからだ。
「復帰に向けて無理をしたらヒドくなるという状況があったので、前に進みたくても進めなくて、とにかく休むしかない状況でした。耐えることしかできなくて、つらい時間も長かったです。『試合に出たい』という気持ちと、『もし次に深刻な脳振盪があればラグビーができなくなるかもしれない……』という気持ちで葛藤がありました」
目に見えない不安が押し寄せる中で、自身の気持ちと向き合い、過去の経験を生かして黙々とトレーニングを続けてきた。そして、この日の復帰戦では眞野らしいプレーで観客を沸かせた。後半33分に22mライン付近でボールを受けると、ダブルタックルを受けながら前進し、ダウンボールをして立ち上がり、もう一度ダウンボールをして立ち上がり、トライラインに迫った。
「試合をするまでは不安だったのですが、問題なくラグビーができて心からうれしいです。アタックでもディフェンスでも激しく、少しでも前に出るのがBL東京だと思うので、『まずは自分がやらないと』と思っていました」
“ラグビーを奪われるかもしれない”という恐怖に打ち勝ち、グラウンドに戻ってきた眞野。その言葉とアティチュードでチームに良い影響を与えてきた至誠の人は、ファンに思いを寄せて取材を締めくくった。
「ファンの方々は僕ら以上に悔しいと思いますが、負けているのに応援してくれて……。ファンの方々に喜んでもらいたいですし、『このチームを応援して良かった』と思ってもらいたいです。次は絶対に勝ちます。それだけです」
(安実剛士)
東芝ブレイブルーパス東京
東芝ブレイブルーパス東京
トッド・ブラックアダー ヘッドコーチ
「たくさんの素晴らしい観客の前でプレーできたことをうれしく思います。試合については横浜キヤノンイーグルス(以下、横浜E)さんに称賛を送りたいと思います。『彼らが今日のために準備をしてきたのはこういうことだったんだ』ということを実感させられてしまいました。セットピースでプレッシャーを受け、自分たちでミスをしてしまい、そこから横浜Eさんは得点につなげていきました。試合の中で致命的なミスもいくつかありましたし、セットピースで流れに乗り切れないことがいかに大きな意味をもつかをあらためて痛感しました。終盤にチャンスをモノにして、得点を取り続けようという姿勢は見せることができました。自分たちが求めている基礎の部分が発揮できれば戦えるということも分かりました。
また、ジョネ・ナイカブラと眞野泰地が久しぶりに戻ってきました。ジョネは短い出場時間でも彼の能力と、彼が何をできるかを表現してくれました。今日は横浜Eさんの1日でしたが、まだ自分たちに時間はありますし、これで終わりではないので、来週から気持ちを切り替えて戦い続けていきます」
東芝ブレイブルーパス東京
リーチ マイケル キャプテン
「たくさんのファンが秩父宮で応援してくれたことに感謝をしています。ただ、ファンのみなさんに東芝ブレイブルーパス東京(以下、BL東京)らしいラグビーを見せられず、反省しています。前節までの2試合には勝っていたのですが、そのときはセットピースが安定して、規律もディフェンスも良くて、BL東京らしいプレーができていました。今日は接点とディフェンスで相手にプレッシャーを掛けられず、セットピースも苦しみました。今週の準備はほぼ完璧でした。相手が何をしてくるかを想定して、練習中は対応できていたのですが、今日の試合ではできなかったので、その理由を探していきます。シーズンはまだ終わりではないですし、優勝の可能性も残っているので、来週の静岡ブルーレヴズ戦に向けて100%でやっていきます。ジョネ・ナイカブラと眞野泰地がひさびさに帰ってきて、チームとして良くなっていくと思うので、来週は強い気持ちでやりたいと思います」
──スクラムで苦戦しましたが、どのような原因があったのでしょうか。
「本当に『1mmの差』だと思います。フォワード第1列の選手たちが、相手との駆け引きの中で予想していなかったことがあったのではないかと思っています。力としてはそんなに差は感じなかったのですが、ちょっとした微調整が差になったと思います。肩の位置や、頭の位置や、組み合う前のセットの低さなどの1mmです。後半にアサエリ・ラウシーが入ってきて、彼は3番をやり始めて1年ですが、そこからスクラムが安定したのは良かったです」
横浜キヤノンイーグルス
横浜キヤノンイーグルス
レオン・マクドナルド ヘッドコーチ
「前半からコネクションを保ち続けて、本当に誇らしいパフォーマンスでした。シーズン前半にはなかなかできなかったところですが、今日はフォワードが圧倒的なパフォーマンスを見せました。みんなの笑顔を見ることができて本当にうれしいです」
──フルバックの武藤航生選手が活躍しましたが、どのように評価していますか。
「本当に勇敢で、アタックでもディフェンスでも勇気を発揮してくれる選手です。彼のような選手が加入してくれて、横浜Eは本当にラッキーです。若い選手が加わったことでチームに勢いが付いていると思います。いまのパフォーマンスを続けてくれれば彼には明るい未来があります。ボールを争う場面で体を張ってくれる選手と信じているので、これから先も楽しみです」
横浜キヤノンイーグルス
ジェシー・クリエル キャプテン
「チームのみんなの人格を誇らしく思います。悔しい結果の中で、みんなが月曜日からポジティブに練習をして、そこから積み上げたものが結果に結び付いたと考えています。選手だけではなく、コーチ陣の人格も尊敬しています。80分間、こうしたパフォーマンスを出せたのは、これまでの頑張りの結果なのでうれしいです」
──BL東京のリッチー・モウンガ選手がシンビンとなった前半34分からの10分間で3トライを取りましたが、どのような狙いがありましたか。
「モウンガ選手はもちろんワールドクラスで、BL東京にとって大事な選手です。シンビンの間にチャンスがあるとリーダー陣でコミュニケーションを取っていました。ワイドに攻めればスペースがあると理解していて、その実行力が素晴らしかったです」



























