2026.03.01NTTリーグワン2025-26 D2 第7節レポート(S愛知 68-28九州KV)

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第7節
2026年2月28日(土)14:30 パロマ瑞穂ラグビー場 (愛知県)
豊田自動織機シャトルズ愛知 68-28 九州電力キューデンヴォルテクス

“10%の成長”を追い求めるために。さまざまな犠牲を払い努力して作る立ち返る場所

豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)が好調を維持している。2月28日にパロマ瑞穂ラグビー場で行われた九州電力キューデンヴォルテクス戦に68対28で勝利し、3連勝を記録。この連勝中に奪ったトライは30。得失点差も3戦だけで144のプラスと、数字上で見ても攻守に高パフォーマンスを見せている。

ただ、この好調を維持している最大の要因は、数字や記録に残らない貢献にある。徳野洋一ヘッドコーチは度々、そういった目に見えにくい活躍について言及している。今節も中村大志に対して「派手さはないですが、タックルして起きてまたサポートしていく回数が圧倒的に多い選手。スコアをするのが外国籍の選手になってしまうので、そちらに目が行きがちですが、その前の段階でのブレイクダウンやサポートには彼がいます」と称賛する。

豊田自動織機シャトルズ愛知の中村大志選手

中村と同じくここまで全試合で先発し、セットピースだけでなくフィジカルバトルで地道な貢献をする山口知貴はこう話す。

「試合のときに、これまでやってきたことを試合で表現する勇気をもてるかが大事だと思います。試合では練習でやってきたものしか出せないですけど、それを100%出そうとするマインドをもつところにフォーカスをしています」

自分の役割を果たすことに山口はこだわる。この試合でも絶えずハードワークを続け、2シーズンぶりのトライをあげるも「おまけみたいなものですけど(笑)」と振り返った。

ディビジョン1昇格のため、いまの自分たちから10%の成長を追い求めることを今季のテーマにしているS愛知。もちろん、それには痛みが伴い、うまくいかないことも往々にしてある。それでも山口は、「『ミスしてもいいや』というか、引きずらずに次も思い切りやろうという気持ちでいます」。一番のミスは、チャレンジを怖がって消極的なプレーに終始し、普段のプレーを出さないことにあるのだという。

豊田自動織機シャトルズ愛知の山口知貴選手

そうした“普段どおりのプレー”は、練習場の取り組みから始まる。そしてそこから得た自信を、試合の糧にしている。「チームとして立ち返る場所があるので、苦しいときこそシンプルにやることを意識しています」と山口は言うが、その立ち返る場所を作るには、さまざまな犠牲を払いながら努力をする必要がある。

ラグビーは80分間で勝敗が決まるスポーツではない。そこに至る過程から、勝負は始まっているのだ。

(齋藤弦)

豊田自動織機シャトルズ愛知

豊田自動織機シャトルズ愛知の徳野洋一ヘッドコーチ(左)、鄭兆毅 共同キャプテン

豊田自動織機シャトルズ愛知
徳野洋一ヘッドコーチ

「少し風が強かったですが、素晴らしい天気の中でたくさんのファンの方々に応援いただいて、素晴らしい環境の中でラグビーさせていただきました。チームを代表して御礼申し上げます。ありがとうございました。

結果につきましては、10トライを取れたというところは非常に満足がいく点かなと思います。ただ、4トライを取られているところに課題がありますし、本当に10トライで満足できたのかというと、そうではありません。その伸びシロがあることに私自身ポジティブに受け止めていますし、来週からの自分たちの成長が楽しみに思えます。反省すべきところはしながらも、すごく良かったと思っています。本日はありがとうございました」

──3試合連続で10トライを奪うなど攻撃が好調ですが、その要因を教えてください。

「まず、ファンダメンタル(基本的な部分)のところ。そこをベースに、しっかり高いレベルで発揮できるところまで成長できているのが大きな点かなと思います。あと一つは、われわれのアタックは個人のキャラクターに依存することを目指していない中で、全員が連動して、同じページを見ることが徐々にできているというところ。そこがトライ数につながっているのかなと思っています」

豊田自動織機シャトルズ愛知
鄭兆毅 共同キャプテン

「ファンの方々や家族のみなさん、応援いただきありがとうございます。今日のゲームについては、前半はとても良かったですが、後半にやるべきことができなくて、ちょっと崩れた場面もありました。バイウィークに入るので、反省点を修正してまた次のチャレンジをしていきたいと思います」

──後半に流れを失った時間がありましたが、原因はどうお考えですか。

「後半は風下だったので、前半にできていた敵陣でラグビーすることができませんでした。少しネガティブなところがあり、それが重なってエラーが出てしまったかなと思います。ちょっとスイッチがオフな感じもありましたが、そこからみんな落ち着いて、もう一度自分の仕事に立ち返ることができたと思います」

九州電力キューデンヴォルテクス

九州電力キューデンヴォルテクスの今村友基ヘッドコーチ(右)、ショーン・ロビンソン選手

九州電力キューデンヴォルテクス
今村友基ヘッドコーチ

「本日の会場準備に携わってくださった関係者の皆さまに御礼申し上げます。すごくいい天気の中で、自分たちがやりたいボールが動くラグビーを要所で出すことはできたと思いますが、前半のところで豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)さんのアタックのモメンタムをなかなか止められなかったところが敗因かなと思っています。素晴らしいラグビーをS愛知さんがやられていると思いますが、自分たちの強みであるディフェンスでもう少し粘り強く守るというのが、後半戦に向けてもっとできる部分だと思いますので、ビデオを見返して、もう一度どこが悪かったかをチーム全体で考えて、後半戦に向けてまた頑張りたいと思います」

──前半、ディフェンスが崩れてしまった要因はどうお考えですか。

「やっぱり強いボールキャリアーがたくさんいるチームだと思っていましたし、その選手たちを前に出さないでオフロードをさせないとか、オフロードの中でもしっかりコネクトしてディフェンスするというフォーカスで準備してきました。ただ、ディフェンスがコネクトできなかった部分でオフロードをつながれたところを対応し切れなかったです」

九州電力キューデンヴォルテクス
ショーン・ロビンソン選手

「ヘッドコーチがおっしゃるように、S愛知さんにアタックの勢いを与え過ぎてしまいました。後半戦を戦っていくために、われわれとしてはチャレンジしていくことが大事になってきますし、特に後半で見せたような、点差を離されてもあきらめずに強いキャラクターを見せたことが良かった部分だと思います。そういう部分でわれわれらしさは後半出せたので、しっかり後半戦に向けて、今日出た課題を良くして向かっていきたいと思います」

──前節の花園近鉄ライナーズ戦に続いて上位との対戦となりましたが、どんな部分に自分たちとのギャップを感じましたか。

「S愛知さんのフィジカルさがすごく良かった部分で、強いボールキャリアーに対してうまく対応できなかったのがまず一つありました。二つ目としては、プレーをミスなく実行するところということで、われわれはプレーの正確さの部分がちょっと足りなかったというギャップは感じます。ただ、前節は本当にいいファイトを見せて、接戦になるときもあったので、ポジティブな部分は見えてきたかなと思います」

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