NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第7節
2026年2月28日(土)13:00 AGFフィールド (東京都)
日野レッドドルフィンズ 21-24 レッドハリケーンズ大阪
アイルランドからやってきた献身と信頼の塊。殊勲の決勝トライも「すべてフロントローのおかげ」
レッドハリケーンズ大阪にとっては3試合連続での接戦だったが、終盤に逆転し接戦を制した。ナンバーエイトとしてフル出場していたジャック・オーサリバンが取った決勝トライは、スクラムからだった。前節にもトライエリア付近でのスクラムで押し込み、スクラムハーフの山内俊央がトライを取るシーンがあったが、スクラムで押し込んでフォワードの選手がトライを取ったのは今季初めてだった。
スクラムの向上については、松川功ヘッドコーチが試合後の会見で話していたが、プレーヤー・オブ・ザ・マッチを受賞したオーサリバンも最近の「勝ちにつながっている」一つの要因だと振り返る。
前節でトライを生んだスクラムと今節でトライを生んだスクラムは、フロントローのメンバーがすべて異なる。最後尾から押すオーサリバンは、「フロントローに入る3人の連係が良く、入替のタイミングも完璧。誰が入ってもレベルが下がらず、同じように機能している」と感じているという。自身が取ったトライについても「すべてフロントローのおかげ。みんなのサポートがあったからこそ、自分の仕事がラクにできました」と、スタートとリザーブで入った6人のフロントローを称えた。
自身の活躍に触れるでもなくチームメートを惜しみなく称えるような人柄も含め、オーサリバンへのチームからの信頼は厚い。アイルランドからやってきて今季で2シーズン目だが、その寄せられる信頼は、加入1年目の昨季から変わらない。
どの試合でも、攻守に渡って高いワークレートでチームを支える。「いつでも同じようにプレーしてくれる」(島田久満キャプテン)安定感は、信頼される一つの大きな要素だ。また、試合以外でも自身のもつ力を惜しみなくチームに還元する。フランカーに挑戦し始めた石井勇輝は、同じくバックローに入る「ジャックが、とても丁寧に教えてくれる」ことが助けになっていると話していた。
オーサリバンは「ほかの国の人と比べれば、特別大きいわけではない」。ラトゥ ウィリアム クルーガー通訳をチラリと見て、親しみと敬意を込めて「たとえばトンガにルーツをもつ人と比べれば」と微笑んでいた。それをカバーするのは、「規律正しくハードワークし、良いスキルをもつことでゲームを組み立てる」という志にほかならない。
3連勝でリーグ戦を折り返した。「6番と8番のどちらでも務められるようコンディションを整え、ハードワークを毎日続けていくだけ」だと話すオーサリバン。後半戦も、チームを献身的に支えてゆく。
(前田カオリ)
日野レッドドルフィンズ
日野レッドドルフィンズの苑田右二ヘッドコーチ(右)、中鹿駿キャプテン日野レッドドルフィンズ
苑田右二ヘッドコーチ
「われわれはここまで勝ち星がなく苦しい状況が続いていましたが、過去のことはもう変えることができないので、今週はしっかり目の前のことに集中し、自分たちで未来を変えていけるよう準備してきました。残り10分、15分までは自分たちの流れを保ちながらゲームができましたが、最後のところでペナルティが続いてうまく風を使えず、スコアされてしまいました。また来週にもNECグリーンロケッツ東葛さんとの試合がありますので、自分たちが自信をもってプレーできるよう、もう一度しっかり準備して臨みたいと思います。ありがとうございました」
──結果は惜敗となりましたが、勝ち点1を得ました。後半戦に向かう上でポジティブな収穫もあったのではないでしょうか。
「ファーストラウンドには、良い部分もたくさんありました。また、改善しなければいけないところもありました。今日も要所で良いプレーがありましたが、そこは自信に変えて、セカンドラウンドに臨みたいと考えています。チーム全員が『自分たちのベストなゲームをしたい』と思って、努力しています。われわれにできることは、目の前のこと、ディティールも大事にしながら何をすべきかを明確にし、周りとつながって戦っていくだけだと思います。その姿勢が勝ち星につながって、応援してくださる方たちに勝ち星を届けられるのが一番良いです。その姿勢ができていれば、観ている方たちに何かのメッセージを伝えられるのではないかと思っています。こういう状況ではありますが、チームが一つになってチャレンジしていきたいと思っています」
日野レッドドルフィンズ
中鹿駿キャプテン
「今日はホストで試合ができましたが、『勝てた試合を落としたな』という感覚です。前半は、風下でもしっかり耐え切ることができましたが、後半の終盤で締め切れなかったなという印象でした」
──今節で得た勝ち点1をリーグ後半戦にどのようにつなげていきたいですか。
「アタックでもとても良い部分があったので、良かったところはしっかり伸ばし、悪かったところは改善して、次につなげていきたいです。負けが続いてしまっていますが、毎試合熱い応援をしてくださっている方たちがいらっしゃるから、僕たちは戦えています。(次節から)第2ラウンドが始まりますので、これらを無駄な負けにしてしまわないよう、さらにハードに頑張っていきます」
レッドハリケーンズ大阪
レッドハリケーンズ大阪の松川功ヘッドコーチ(右)、山口泰輝バイスキャプテンレッドハリケーンズ大阪
松川功ヘッドコーチ
「日野レッドドルフィンズ(以下、日野RD)の関係者の皆さま、レフリーの皆さま、また試合を観に来てくださった多くの皆さま、本当にありがとうございました。試合は、立ち上がりに苦戦しましたが、スタートのメンバーもリザーブのメンバーも、それぞれが自分のやるべきことをやり続けてくれたことが勝利に結び付いたのではないかと思います。日野RDさんのアグレッシブなアタックは一つの脅威でしたし、われわれも見習いたいところがありました。今後も成長し、ディビジョン2を沸かせていきたいなと思っています。ありがとうございました」
──接戦を競り勝つ3連勝となりました。勝利を重ねる中で感じている手ごたえがあれば教えてください。
「接戦をモノにできたことは良かったなと思っています。80分間集中を切ることなくできるようになってきたことも、チームとして良くなった部分です。日々の練習の中でのゲームに出ていないメンバーの力が、こうしたゲームで出ていると感じています。また、特に最近良くなったところは、セットピースです。フォワードのメンバーが自信をもってスクラムを選択し、プレッシャーを掛けられています。後半戦もさらに自分たちの武器を磨き続けていきます」
レッドハリケーンズ大阪
山口泰輝バイスキャプテン
「この試合の開催にあたり、日野RDの関係者のみなさん、協会関係者のみなさん、本当にありがとうございます。相手がアグレッシブにチャレンジしてくるだろうと思っていましたので、僕たちもそのアグレッシブさに負けないよう80分間ファイトし続けようと、試合に臨みました。結果としては勝てましたが、日野RDさんの強力なフォワード、展開力のあるバックスに翻ろうされてしまいました。松川ヘッドコーチも話したとおり、残り7試合では台風の目となっていけるよう、課題を修正しながら練習を重ね、試合に臨んでいきます。ありがとうございました」
──開幕からは苦戦しましたが、3連勝でリーグ戦を折り返します。チームとして感じている良い変化などがあれば教えてください。
「試合に出られないメンバーが、強度の高い練習をさせてくれています。試合とほぼ同じ質や緊張感で練習に取り組めていることが、一番大きいと思います。また、シーズン前から走り勝つために準備してきたことも、80分間ファイトし続けるためのラスト20分での自信になっているかと思います。前半戦を振り返れば、良い部分はもちろんですが、少しネガティブな部分もありました。3連勝して後半戦に臨めることをポジティブに捉えて、またチーム一丸となって、前半戦で負けてしまったチームにも勝てるよう準備していきます」



























