2026.03.16NTTリーグワン2025-26 D2 第8節レポート(江東BS 26-34 S愛知)

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第8節
2026年3月14日(土)14:30 江東区夢の島競技場 (東京都)
清水建設江東ブルーシャークス 26-34 豊田自動織機シャトルズ愛知

「ファミリー」の中心で。仲間とファンの思いを背負う若き共同キャプテンが描くチームの形

台湾出身。日本語そして英語も話せる豊田自動織機シャトルズ愛知の鄭兆毅 共同キャプテン

ディビジョン2の戦いはシーズンを折り返し、後半戦のスタートとなった第8節。清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)のホストスタジアムである江東区夢の島競技場で行われた豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)との一戦は、26対34でビジターチームが勝利した。

試合後の会見で、徳野洋一ヘッドコーチが「入りの10分はほぼパーフェクトだった」と振り返ったように、S愛知は前半開始から2分、8分と立て続けにトライを奪う。序盤に主導権を握ったS愛知は追い上げる江東BSを振り切った。その激闘の最中、体を張り続け、誰よりも自分に厳しくあろうとした一人の若きリーダーがいた。鄭兆毅 共同キャプテンだ。

豊田自動織機シャトルズ愛知の徳野洋一ヘッドコーチ

今季から共同キャプテンという重責を担う鄭は、勝利の喜びよりも先に、自身のパフォーマンスへの反省を口にした。「アタックがうまくいかず、ゲインラインが取れなくなったとき、一瞬、頭が真っ白になって焦ってしまいました。修正しなければならないミスが多かったです」。

26歳。チーム内ではまだ若い部類に入る彼が理想とするのは、饒舌に語るリーダーではなく、プレーで示す“背中の説得力“だ。

「経験豊富な選手が多いので、自分が多くを喋る必要はない。フィールドでのパフォーマンスでみんなを引っ張りたい。いまはまだキャプテンとして何をすべきか考えすぎて、自分のプレーに100%集中し切れていない部分があります。まずは自分の強みであるディフェンスやサポートで、誰よりも高い強度を見せたいんです」。

鄭の物語を語る上で欠かせないのが、その高いコミュニケーション能力と向上心だ。台湾から天理大学へ進学し、日本語を習得。しかし、彼の努力はそこにとどまらなかった。

「大学時代、トンガやフィジー出身の選手たちと一緒に生活する中で、少しずつ英語も勉強しました。本気で勉強したというよりは、自然と話せるようになりました」。その経験が、多国籍な選手が集まるS愛知で大きな武器となっている。英語と日本語の両方を扱えることで、ピッチ上の情報の“ラグ”を最小限に抑えられる。その姿は、まさにチームの架け橋だ。

「S愛知は、1年目からお世話になっているファミリーのような温かい場所」。そう語る鄭にとって、ファンの存在もまた大きな力だ。「遠いビジターの会場でも、シャトルズの旗が見えるだけで本当に力になります。感謝し切れません」。

大好きなプレーは「ジャッカル(スティール)」。今季はまだ納得のいくものが出せておらず、悔しさをにじませるが、そのストイックなまでの向上心が、彼をさらなる高みへと押し上げるだろう。

「このチームでみんなと喜び合いたい。そのためにも、D1へ昇格したい。その思いだけです」

真面目で、どこまでも謙虚。それでいて内側には熱い野心を秘めた共同キャプテンは、仲間とファンの思いを乗せて、これからも最前線で体を張り続ける。

(奥田明日美)

清水建設江東ブルーシャークス

清水建設江東ブルーシャークスの仁木啓裕監督兼チームディレクター(左)、安達航洋キャプテン

清水建設江東ブルーシャークス
仁木啓裕監督兼チームディレクター

「まず、この試合開催にあたり、多くの関係者の皆さまにご尽力いただきましたことに感謝申し上げます。

試合については、いろいろ言いたいことはあります。チームの円陣でも伝えたのですが、これまで勝ちながら反省を重ねてチーム一丸でここまで来ることができました。ただ、今回の敗戦をしっかりチーム全体で受け止め、変わるきっかけにしなければいけないと思っています。

これは選手だけでなく、私自身も含め、スタッフやチームに関わるすべての人間が変わるきっかけにしなければならない敗戦だと感じています。

まだ残り6試合ありますし、ディビジョン1への入替戦出場を目標にしています。意識の部分も含めて、もう1段階、2段階レベルを上げなければ、今日のような試合になってしまうと感じています。

豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)のパフォーマンスも素晴らしかったですが、あのレベルを自分たちのスタンダードにしていかなければ、D1で戦うイメージは湧かないと思います。

チーム一丸となってこの敗戦を受け止め、次節のNECグリーンロケッツ東葛戦に備えていきたいと思います」

──前半に2トライを先行されながらも持ち堪え、一時は逆転するシーンまで持ち込めた要因は何でしょうか。

「単純に自力が付いてきた部分だと思います。前回のS愛知戦で多くの課題を突き付けられました。その反省を踏まえ、今日は本当に勝つために全員で夢の島(江東区夢の島競技場)に来ました。その積み重ねが踏ん張りにつながったのだと思います。

ただ、試合の入りで2トライを許したことについては、私自身が就任当初からずっと『先手必勝』と言い続けてきた中で、もっと強く伝えるべきだったとも感じています。

ポジティブな内容も多くありましたし、悲観するところも特になかったのかなと思います。ただ、セットピースやペナルティなど、今季継続している課題はそろそろ克服しなければいけません。こうしたプレッシャーの掛かる相手との試合で同じミスを繰り返しているようでは、上のカテゴリーで戦うイメージは湧かないと思います。チーム全員で克服していかなければならない課題です」

清水建設江東ブルーシャークス
安達航洋キャプテン

「本日はありがとうございました。前回の対戦ではS愛知に大敗しており、そこから『S愛知に勝つ』という目標に向けて準備してきました。試合ではまず自分たちから前に出てパンチしよう(先手を取るアクションをしよう)と話していましたが、最初に立て続けに2トライを許してしまい、そこからのスタートになってしまったことが一番の反省点です。

ただ、前回の試合とは違い、その後はディフェンスで粘ることができた場面もありましたし、アタックでも22mライン内に入った場面でしっかり(スコアを)取り切ることができた点は成長している部分だと思います。

一方で、後半の苦しい時間帯にセットピースが乱れ、規律の部分で自分たちの首を絞めてしまった場面もありました。こうした強い相手に勝つためには、そういった部分を改善していかなければならないと感じています。

シーズンの後半戦はまだ続きます。(D1/D2)入替戦出場を目指し、チーム全体で課題を改善しながら成長していきたいと思います」

──シーズンの後半戦に向けて、清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)としてどんなラグビーを見せていきたいですか。

「ブルーシャークスは、一人のスーパースターがいるようなチームではないと思っています。全員がそれぞれの役割を全うし、全員でトライを取りに行き、全員で守る。そうやって全員で戦うラグビーがブルーシャークスのラグビーだと思っています。

それは試合に出ているメンバーだけでなく、出ていないメンバーも含めてチーム全体で作っていくものです。残りの試合を勝っていくためにも、練習からチーム力をさらに高めていかなければなりません。時には厳しい声掛けも必要になると思いますが、キャプテンとしてそういった部分でリーダーシップを取ってチームを引っ張っていきたいと思います」

豊田自動織機シャトルズ愛知

豊田自動織機シャトルズ愛知の徳野洋一ヘッドコーチ(右)、鄭兆毅 共同主将

豊田自動織機シャトルズ愛知
徳野洋一ヘッドコーチ

「まず、この素晴らしい天候の中で試合ができたこと、そして江東BSの皆さまが整えてくださった、素晴らしい環境の中でラグビーができたことに、チームを代表して御礼申し上げます。

結果として勝ち点をしっかり取ることができたことは非常にうれしく思っています。また、今日の江東BSが見せてくれたスピリットや、われわれに向かってくる気迫は、試合を非常に面白くしてくれた要素だったと感じています。江東BSの準備、そして試合のパフォーマンスに、心から感謝申し上げたいです。本日はありがとうございました」

──イエローカードが4枚出るという厳しい展開の中でも、試合をコントロールできた要因は何だったのでしょうか。

「まず、イエローカードが4枚出たこと自体はチームとして良しとするつもりはまったくありません。それはこの場ではっきりしておきたいと思います。ただ、4枚のカードが出て人数が少なくなる状況の中でも、しっかりリカバリーできたことはチームの成長を感じる部分でした。

シーズンの前半戦を振り返ると、これまで負けてきた試合は、自分たちでゲームのコントロールを失い、そのまま崩れてしまうケースが多かったと思います。今日は人数が少ない状況でも、リーダー陣を中心に何をすべきかを明確にしながらゲームを進めてくれました。その点が試合を大きくバタつかせずにリカバリーできた要因だったと思います」

豊田自動織機シャトルズ愛知
鄭兆毅 共同主将

「まず、ブルーシャークスのファンの皆さま、そしてクラブ関係者の皆さま、素晴らしい環境で試合をさせていただきありがとうございました。

今日はイエローカードが4枚出てしまい、チームとして厳しい状況になりましたが、後半にしっかりリカバリーできたことは良かったと思います。チームとしてはとても良い勝利でした。

ただ、自分たちにはまだ修正すべき点が多くあります。次の試合に向けてしっかり修正して、さらに良いパフォーマンスを出せるようにしていきたいと思います」

──人数が少ない状況でもリカバリーできた要因について、選手間の声掛けはどういったものだったのでしょうか。

「以前の試合と比較して、特別なことをしていたわけではありません。試合を少しスローダウンさせて、それぞれが自分の役割をしっかり遂行することを意識しました。シンプルに自分たちのラグビーをやることで、チームとして自信が戻ってくると思っていました。複雑なコールは特に使わず、チーム全員が理解していることをもう一度徹底しました」

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