2026.04.26NTTリーグワン2025-26 D2 第12節レポート(花園L 19-29 江東BS)

NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン2 第12節
2026年4月25日(土)14:30 東大阪市花園ラグビー場 (大阪府)
花園近鉄ライナーズ 19-29 清水建設江東ブルーシャークス

金色に染め上げた髪は病と闘う友へのメッセージ。友のため、チームのためにイオアネは戦い続ける

金髪になった花園近鉄ライナーズのアキラ・イオアネ選手。「これで僕のサポートの気持ちと愛が伝わればいいなと思ったんです」

花園近鉄ライナーズ(以下、花園L)に、一人の男が帰ってきた。5試合ぶりにピッチへと戻ったのは、元ニュージーランド代表のアキラ・イオアネ。舞台は清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)戦。その存在はチームに確かな重みをもたらしていた。

果敢なタックル、そして、無人の野を切り裂くような推進力。プレーで語るナンバーエイトは、普段は“質実剛健”を体現する男である。多くを語らず、派手さとも無縁。だがその日、彼は鮮やかな金髪でピッチに立っていた。

試合の3日前に染め上げたその色には、あまりにも重い理由が隠されていた。

「彼がこれから戦わないといけないことに対して、サポートしたかった。これで僕のサポートの気持ちと愛が伝わればいいなと思ったんです」

「彼」とは、キャメロン・スアフォアさん。4月上旬、末期ガンの宣告を受け、ラグビー人生に終止符を打たざるを得なかったラガーマンだ。母国の名門ブルーズ、そして2023年のリポビタンDチャレンジカップで来日したAll Blacks XV(オールブラックス・フィフティーン)でも、イオアネとともに戦った仲間だった。

「長年ずっと一緒にラグビーをしてきました。単なる知り合い、という間柄じゃないんです」

その言葉の裏にある時間と絆は、軽くはない。イオアネが金髪にするのは、世界がコロナ禍で閉ざされたあのとき以来だという。

江東BS戦、花園Lは痛恨の逆転負けを喫する。それでも前半、ステイリン・パトリックの2トライを呼び込んだ一連のプレーには、確かにイオアネの息吹があった。復帰初戦で後半26分まで体を張り続けたその裏側には見えない準備があった。

4月18日、U20日本代表との練習試合。若手主体の一戦に、彼は自ら志願して出場していた。

「久しぶりの試合でいきなりの公式戦だったら、長らく試合に出ていなかったので、スタミナがもたなかったと思います」

静かな言葉の奥に、復帰へ向けた思いがにじむ。

敗戦直後のミックスゾーンで悔しさを押し殺しながら、彼はこう言った。

「自分の愛するスポーツを健康な体でできるのは恵まれていることです」

その言葉は、飾りではない。

病と闘い、ラグビーを離れざるを得なかった友がいるからこその思いである。

スアフォアさんが戦う場所は、もはやピッチの上ではない。だが、イオアネの前には、まだ戦うべき舞台が広がっている。

ともに楕円形のボールを追った友は病と闘うが、彼の思いも胸にイオアネは花園Lのために、ピッチ上で戦い抜く。

(下薗昌記)

花園近鉄ライナーズ

花園近鉄ライナーズの太田春樹監督(左)、ピーター・ウマガ=ジェンセン共同キャプテン

花園近鉄ライナーズ
太田春樹監督

「試合の総括としては、アタックで本来運ぶべきスペースにボールを運べなかったこと。そして、前半のスクラムに課題があったと感じています。ただし、この敗戦を受けて今季積み上げてきたものすべてを否定するのではなく、前を向いて取り組んでいきたいと考えています」

──引き分け以上でD1/D2入替戦出場が決まる試合でしたが、特別に意識した点はありましたか。

「本来は勝って(D1/D2)入替戦出場を決めるのが理想でしたが、相手である清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)も必死に戦ってくることを想定して準備してきました。決して自分たちの熱量が低かったわけではなく、トライライン際で粘る場面も多くありましたし、フィジカルのベースが敗因だったとは考えていません。

しかし、ペナルティやアタック、エリアコントロールなど、すべての面で自分たちのパフォーマンスを十分に発揮できませんでした。スペースにボールを運べなかったことも含め、敗因は自分たちにあると捉えています」

花園近鉄ライナーズ
ピーター・ウマガ=ジェンセン共同キャプテン

「まず、江東BSが非常に良いパフォーマンスを発揮し、長い時間プレッシャーを受け続ける展開となりました。特に自陣22m内に押し込まれる場面が多く、その中で規律を守れなかったことや、(味方とつながれずに)個々でプレーしてしまった点が大きな敗因だったと感じています。

また、私自身のイエローカードやチーム全体のミスも重なり、流れを悪くしてしまいました。ただ、重要なのはこの敗戦から何を学び、どのように改善していくかだと思っています。特に相手に対して効果的にプレッシャーを掛け続けることが、今後の重要な課題です。次のNECグリーンロケッツ東葛戦に向けて、この試合から得た学びを生かし、チームとして前進していきたいと思います」

──準備してきたものを上回る江東BSの良さをピッチで感じましたか。

「試合をとおしてプレッシャーを感じる場面は非常に多くありました。そのプレッシャーにどう対応するかを想定し、ゲームプランを準備してきましたが、ピッチ上でそれを遂行し切れなかった部分が多かったと感じています。特にアタックでボールを継続できず、後手に回る展開となりました。

今後はエリアマネジメントを含め、どのように効果的に敵陣へ入り、主導権を握るのかをしっかり体現していく必要があります」

清水建設江東ブルーシャークス

清水建設江東ブルーシャークスの仁木啓裕監督兼チームディレクター(左)、野村三四郎バイスキャプテン

清水建設江東ブルーシャークス
仁木啓裕監督兼チームディレクター

「まず、本日の試合開催にご尽力いただいた大阪府ラグビー協会の皆さま、花園近鉄ライナーズの皆さまに心より感謝申し上げます。昨季も(東大阪市)花園ラグビー場で勝利し、この場に立たせていただきました。前節はレッドハリケーンズ大阪に敗れ、多くの課題を学ぶ機会となりましたが、その反省を踏まえ、本日こうして勝利できたことをうれしく思います。

私たちはまだ発展途上のチームであり、先を見据えすぎることなく一戦一戦を大切に、この2週間準備してきました。その積み重ねが今回の結果につながったと感じています。

また私事で恐縮ですが、この花園ラグビー場は弊社が施工に携わった会場でもあります。高校生にとっての聖地であるこの場所で試合ができたこと。そして、大阪支店から多くの方々が応援に駆け付けてくださったことに深く感謝しています。本当に大きな力となりました」

──残り2試合に向けて意気込みをお願いします。

「私たちは崖っぷちの状況にあります。次の九州電力キューデンヴォルテクス(以下、九州KV)戦に敗れれば、その先はありません。相手も4連勝中で波に乗っていると思うんですが、まずはこの試合に勝ち、最終節の日本製鉄釜石シーウェイブス戦につなげたいと考えています。最終的に振り返ったときに(D1/D2)入替戦に進めれば理想ですが、1試合1試合、出し惜しみせずにベストメンバーを組んでチーム一丸となって戦います」

清水建設江東ブルーシャークス
野村三四郎バイスキャプテン

「本日は素晴らしい環境を整えていただき、ありがとうございました。前節は悔しい結果に終わりましたが、(D1/D2)入替戦出場への可能性は残されていました。この試合までの準備期間でチーム全体が気持ちを切り替え、全員でこの試合に臨めたことが勝利につながったと思います。

まずは今日の勝利を喜びつつ、来週から九州KV戦に向けて、また一つずつ積み上げていきます」

──残り2試合に向けて意気込みをお願いします。

「(D1/D2)入替戦への望みはつながっていますが、まずは次の九州KV戦に勝つことがすべてです。自分たちのラグビーを発揮するためにも、日々の練習を一つひとつ積み重ね、しっかり準備していきたいと思います」

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