NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第2節
2025年12月21日(日)12:00 中国電力坂スポーツ施設 (広島県)
中国電力レッドレグリオンズ 10-18 ヤクルトレビンズ戸田
リーグワン全試合出場で50キャップ到達。負けてもなお前を向く“鉄人”
試合に出続けてリーグワン50キャップ目。西川太郎の節目の試合は悔しい敗戦となった。
「そんなにうまくいかないですね。勝ちたかったですけど、勝負事なので。でも、100キャップを目指して頑張ります」
31歳の西川は、コロナ禍の影響で開催中止となった3試合を除いて、リーグワン初年度から全試合に連続出場している。2年目からは共同キャプテンの一人を務め、チームの誰よりもグラウンドで戦う背中を示してきた。
「特にキャプテンになってから、チームを俯瞰して見ることができるようになりました。ラグビーの楽しさや厳しさも試合を重ねるごとに経験値としてプラスに積み上がってきて、年々プレーの幅も広がってきたと感じています」
西川を含むほとんどが社員選手。仕事と両立しながら、「どうやったら勝てるのかを考えながら切磋琢磨して、勝ったときにみんなで喜べるのがラグビーの醍醐味だと思います」と、仲間と一緒に汗を流してきた。この50試合で通算9勝。「勝つ数は少ないですけど、その中での1勝はやっぱりうれしいです」と仲間と喜び合う瞬間を大切にしてきた。
「このチームで勝ちたい」。その思いが西川の背中を押している。今季からは「やり残したことがある」と志願して単独で主将を務める。
「もっとチームを勝たせられたと思うこともあったし、もっと自分に厳しく、周りに声掛けもして、チームをよくできたという思いがあったので、今季もキャプテンをやらせてほしいと言いました。あまりしゃべるのは得意じゃないので、背中でも引っ張っていきたいです」
50試合目の出場となった今節は、「いつもどおりと思っていたけど、やっぱり勝ちたかったし、頑張ろうと思っていました」。体を張って攻守に粘り強く戦う西川がグラウンドで変わらぬ存在感を示した。
ただ、チームはチャンスで得点を決め切れず、10対18で敗れて開幕2連敗。試合後の会見では真っ先に「本当に悔しい気持ちでいっぱいです」と吐露したキャプテンだが、それでもチームを信じて前を向く。
「僕は勝てるチームになれると思っているし、勝つまであきらめないです。誰もあきらめていないと思うし、年々良くなってきているので、あと少しだと思います。その少しを詰めるのがラグビーの難しいところですけど、楽しいところでもあると思います」
次の節目の100試合は遠い道のりだが、「まだまだ若手には負けられないし、家族の支えがあってラグビーができているので体が元気なうちは頑張りたいです」と西川は戦い続ける。
「あと4シーズンぐらいやれば、達成できますかね。試合に出続けられるか分からないですけど、あきらめずに目指していきたいです。今日は負けたけど、100キャップ目は勝ちたいですね。勝って祝ってもらえるように頑張ります」
(湊昂大)
中国電力レッドレグリオンズ
中国電力レッドレグリオンズの岩戸博和監督(右)、西川太郎主将中国電力レッドレグリオンズ
岩戸博和監督
「ヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)の皆さま、本日は広島までお越しいただき、ありがとうございました。試合の総括ですが、選手も私自身も非常にストレスが溜まるようなゲームだったと思います。相手が要因なのか、われわれに原因があるのかは分かりませんが、何もできなかったというのが第一印象です。経験値という意味でも、得られるものが非常に少ないゲームだったと感じています。L戸田さんはアタック、ディフェンスともに非常に良かったので、それが要因の一つだったかと思います。もう一度、チームとしてしっかり振り返り、次につなげていきたいと考えています」
──トライシーン以外に、前後半にそれぞれトライに迫るシーンがありましたが、そこでトライを取り切るために必要だったことを教えてください。
「上から見ている立場として、最終的にどうやってスコアにつなげていくのか、その青写真を選手全員で共有できていなかったと感じました。前半にあった数少ないチャンスを取り切れなかったことが、その後ズルズルと流れを悪くしてしまった要因の一つだと思います。あの場面で取り切るために、全員の認識や意識を合わせることが必要だと思います。後半のシーンについても、ラインアウトを含めたセットピースでの連係ミスがありました。これは今後の試合でも課題として付きまとう部分だと思います。セットピースは僕らの強みになってきているので、そこで勝負に勝ち切らないといけないですし、勝ち切れないことには白星はついてこないと思うので、そこは腹をくくって取り組んでいきます」
中国電力レッドレグリオンズ
西川太郎主将
「今日はありがとうございました。本当に悔しい気持ちでいっぱいです。試合直後で何が悪くて何が良かったのかを整理できていないのが正直なところです。これから試合を見返して、反省点や改善点をしっかり出したいと思います。次の試合まで時間がありますし、次のマツダスカイアクティブズ広島さんが強いチームなのも分かっているので、しっかりチャレンジしてやっていきたいです」
──トライシーン以外に、前後半にそれぞれトライに迫るシーンがありましたが、そこでトライを取り切るために必要なことを教えてください。
「前半の大きなチャンスではアドバンテージもありましたが、焦りが出てしまった部分もあったと思います。日頃から言っていることですが、試合になるとどうしても焦ってしまうので、そこはチームとしての未熟さだと感じています。後半のシーンに関してはトライだと思っていましたし、レフリーにも確認しました。最終的には実力の一部だと受け止めていますし、このような試合展開になってしまったこと自体が良くなかったので、しっかり切り替えて、次に向けて準備していきたいと思います」
ヤクルトレビンズ戸田
ヤクルトレビンズ戸田の河野嵩史ヘッドコーチ(右)、土井將聖 共同キャプテンヤクルトレビンズ戸田
河野嵩史ヘッドコーチ
「本日は応援いただきありがとうございました。グラウンドの芝生も張り替えられて、非常に良い環境で試合ができたことに感謝しています。試合についてですが、先週の試合でペナルティを多く与えてしまったので、相手よりも自分たちにフォーカスして改善してきた1週間でした。その改善してきたことが試合にしっかり出て、最終的に勝ちという結果につながったので、本当に選手たちを誇りに思います」
──風がかなり強かったですが、その影響をどう捉えていましたか?
「試合前から風が強いことは分かっていましたので、リーダーやハーフを中心にどのように試合を進めていくかを話し合っていました。後半は風下でのアタックになりましたが、チーム全体で走り切る覚悟をもとうと確認しました。敵陣になかなかいけない中で我慢が必要な40分間になるという認識で、もう一度マインドセットして臨んでもらいました」
ヤクルトレビンズ戸田
土井將聖 共同キャプテン
「応援ありがとうございました。広島まで多くのL戸田ファンの皆さまにお越しいただき、本当に力になりました。試合については、前節の課題だったペナルティを減らすことにフォーカスし、チーム全体で同じ絵を見てアタックする点を修正してきて、それが今日の結果につながったと思います」
──風がかなり強かったですが、その影響をどう捉えていましたか?
「ヘッドコーチが話したとおり、グラウンドに出ていたメンバー全員が覚悟をもって、風下の後半40分間を走り続けることができたので、それが非常に良かったと思います」



























