NTTジャパンラグビー リーグワン2025-26
ディビジョン3 第4節
2026年1月25日(日)12:00 ホンダヒート・グリーンスタジアム (栃木県)
ヤクルトレビンズ戸田 24-66 マツダスカイアクティブズ広島
恩師からの「続けてくれてよかった」。新天地で始まる、次なる物語
ヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)のフッカー・林琉輝が、第4節のマツダスカイアクティブズ広島戦(以下、SA広島)で念願のリーグワン初スタメンを飾った。前半34分には力強く初トライを奪い、新天地での着実な前進を印象づけた。
日本大学卒業後、東芝ブレイブルーパス東京に加入した林は、3シーズン在籍したものの公式戦出場はかなわなかった。そこには日本を代表するフッカー・原田衛の圧倒的なストイックさが君臨していた。毎日のように目の当たりにした「プロの姿勢」に、自分の未熟さを痛感した。だが、あの時間は決して無駄ではなかった。
「みんな当たり前のように練習1時間前から準備し、休日もラグビーと向き合っている。日本一を目指すチームカルチャーを肌で学び、吸収できた。3年間、そうした環境で過ごせたことは、人生の大きな財産です」
勝てるチームの空気を体全体で感じ取りながら、自らのスキルも確実に磨かれていた手ごたえはあった。それでも昨季終了後、退団の流れとなり、悔しさをかみ締めた。
「最初に声を掛けてくれたチームで再スタートを切りたい」
そう決意し、昨夏、L戸田への加入を決めた。仕事とラグビーを両立する生活は当初戸惑いもあったが、ラグビーに理解ある職場の人々から「次の試合、頑張ってね」と声を掛けられる喜びは格別だった。1日の終わりに、懸命に練習に打ち込む仲間たちと再びラグビーに向き合える環境に心から感謝している。
初スタメンのSA広島戦では、思いがけない“再会”も待っていた。試合前に声を掛けてきたのは、ラグビー教室の指導で会場に来ていた母校・日本大学の恩師たちだった。元ヘッドコーチの菊谷崇さん(元日本代表キャプテン)は、会うなり満面の笑みでこう言った。
「お前がラグビーを続けてくれてよかった」
菊谷さんは、林がリーグワンの舞台に立つことを陰で支えてくれた一人だ。その言葉に、林は「もっと頑張らなければ」と身が引き締まった。
「大学時代は菊谷さんをはじめとするコーチ陣が、家族が背中を押してくれました。いまはL戸田がラグビーを続ける環境を与えてくれています。僕は本当に、多くの人に支えられてここまで来られた。だからこそ、その人たちのためにも全力で頑張りたい。ここでチームの勝利に貢献し、ディビジョン2への昇格を果たして、自分自身もさらに成長していきたい」
今季、ついに公式戦のグラウンドに立ち始めた林は「すごくワクワクしている」と目を輝かせる。SA広島戦は敗戦に終わったが、チームは今季最多のトライを記録するなど、アタックの精度が確実に向上している手ごたえがある。
「次ですよ。落ち込んでいる暇はありません」
林琉輝の時計の針は、いま、力強く動き始めている。
(鈴木康浩)
ヤクルトレビンズ戸田
ヤクルトレビンズ戸田の河野嵩史ヘッドコーチ(左)、大嶌一平ゲームキャプテンヤクルトレビンズ戸田
河野嵩史ヘッドコーチ
「まずは遠く栃木までお越しいただいたマツダスカイアクティブズ広島(以下、SA広島)のみなさん、そして寒い中応援してくださったファンのみなさんに感謝申し上げます。この素晴らしい環境でラグビーができたことを大変うれしく思います。
試合に関しては、今日は"我慢"をテーマに準備して臨みました。我慢とは、アタックでもディフェンスでも当たり前のことをやり続けることです。特にSA広島さんは強い選手が多いため、我慢し続けることで相手のミスやターンオーバーを狙おうと考えて戦いました。実際に我慢できたシーンもありましたが、マイボールのミスが多く、そこからディフェンスの時間が長くなり、最終的に疲労が蓄積してこの点差になってしまったと感じています」
──我慢をテーマに善戦した時間帯もありましたが、「ここは良くなっている」と感じる部分はどのあたりでしょうか?
「アタック面では準備してきたことがある程度出せていて、ミスになった場面もありましたが、得点につながったシーンもありました。今季の4試合の中で一番トライ数が多かったゲームでもあり、改善が進んでいる部分はあると思います。良いところはさらに伸ばし、悪かったところは少しずつ改善していきたいと考えています」
ヤクルトレビンズ戸田
大嶌一平ゲームキャプテン
「この試合を開催するにあたりご尽力いただいたすべての方々に感謝申し上げます。SA広島のみなさんも遠くからお越しいただき、ありがとうございました。
試合については、ヘッドコーチがおっしゃったことがすべてだと思います。今週は"我慢"をテーマに準備してきました。我慢できたシーンもたくさんあり、悲観的になるだけのゲームではありませんでした。うまくいった部分もあり、ネガティブになりすぎる必要はないと感じています。シーズンはまだまだ続きますし、この負けを意味のあるものにするため、次戦に向けて今日からしっかりリカバリーして頑張っていきたいと思います」
──"我慢"をテーマに善戦した時間帯もありましたが、「ここは良くなっている」と感じる部分について、グラウンド上の具体的なプレーで教えていただけますか?
「セットピースでどのプレーを選択するか、という部分や準備の段階が今週はうまくいった感覚がありました。特に試合の登録メンバーから外れた『タフマンズ』が仮想のSA広島を演じてくれ、それがしっかりハマって、自分たちが狙ったトライを取れたシーンがありました。それはとても良かった点だと思います」
マツダスカイアクティブズ広島
マツダスカイアクティブズ広島のダミアン・カラウナ ヘッドコーチ(左)、芦田朋輝キャプテンマツダスカイアクティブズ広島
ダミアン・カラウナ ヘッドコーチ
「今回の試合では、チームのパフォーマンスが十分ではなかったと感じています。スコアだけを見れば良い結果に見えるかもしれませんが、内容としては満足できるものではありませんでした。特に前半はボールを保持できず、ディフェンスも機能していませんでした。ハーフタイムにコーチ陣から選手たちへ強いメッセージを送ったことで、後半は多少改善が見られたと思います」
──これで開幕4連勝となりましたが、どのように受け止めていますか?
「4連勝はもちろん喜ばしい結果ですが、私たちはいま、目の前の1試合に集中することだけを考えています。コーチ陣としては、D2/D3入替戦も視野に入れています。広島に帰ったら、選手たちとしっかり向き合い、特にスキルの部分について話し合う必要があると考えています」
マツダスカイアクティブズ広島
芦田朋輝キャプテン
「本日は素晴らしい会場で試合ができ、感謝申し上げます。ヘッドコーチからも話があったように、前半は自分たちが準備してきたラグビーをほとんど発揮できませんでした。特にブレイクダウンでプレッシャーを掛けるべき場面で、相手のディフェンスやアタックに押されてしまいました。この点は今後の試合に向けて必ず修正していかなければなりません」
──これで開幕4連勝となりましたが、どのように受け止めていますか?
「4連勝を続けられているのは、チームの状態が良い証拠だと思います。ただ、この4試合をとおして見ると、自分たちが目指しているレベルにはまだまだ届いていないと感じています。多くの課題と反省点がありますので、それらを一つずつ修正しながら、より強いチームになれるよう準備を続けていきたいと思います」



























